2009年03月27日

CS4の新機能を使ってみる─コントロールパネルでする効率的な設定はどれだ

 コントロールパネルIllustrator CS2から追加された機能で、パネル類の一部をウィンドウの上部や下部に表示させるものだ。もちろんフローティング状態にもできる。パネルというより、コントロールバーという方が分かりやすい。

 IllustratorにしてもPhotoshopにしても、パネル類の設定をどのようなモニタ環境でも使いやすくするのは難しい。機能が増えればメニューが多岐にわたり、パネルも多くなるからだ。パネルの表示を最低限にして、頻度の高い設定を集めたものがコントロールパネルである。

 コントロールパネルの特徴を一言でいうと、

選択したオブジェクトによって設定項目が変わる


ということである。

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2009年03月25日

『Illustrator CS4までのおいしい新機能活用講座 番外編』をアップする

 Illustrator CS4までの新機能を解説した書籍『Illustrator CS4までのおいしい新機能活用講座』発行するに当たって、このブログに掲載した記事をDTP-Sに整理した。いろいろと書いていると何を書いたのかわからなるので整理したいということと、ブログでは古い記事にアクセスするのが難しいからである。ブログと重複するがそれでもかまわない。

 「 Adobe Illustrator 使い方と出力講座」のコーナーに『Illustrator CS4までのおいしい新機能活用講座 番外編』としてまとめてみた。とりあえず、関係するものをまとめると8つほどになった。


▼Illustrator CS4までのおいしい新機能活用講座 番外編

その1 マルチページPDFのできる[マルチプルアートボード]

その2 失われたフィルタメニューと[トリムエリア]

その3 グラデーションガイドとグラデーションの不透明度

その4 ライブカラーの本当の使い道、グレースケールに変換と特色の置き換え

その5 Illustrator CS4の[トリムマーク]はガイドにするな

その6 IllustratorでするPDFの[トンボと裁ち落とし]その弱点

その7 [塗りブラシ]のサンプルファイルを作成する

その8 分版プレビューはオーバープリントと特色のためにある



 こうして整理すると、まだ解説すると面白そうなネタがあることがわかる。Illustrator CS4までの新機能をもう少し掘り返してみたい。

 
ラベル:Illustrator CS4
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2009年03月19日

CS4の新機能を使ってみる─Illustrator CS4、分版プレビューの実力

 いままで搭載されていなかったのは、イジワルなのかと思うのが[分版プレビュー]である。InDesignにはCSから搭載されているにも関わらず、IllustratorはCS4になってやっと搭載されたといういわく付きの代物である。

 Illustratorこそ[分版プレビュー]が必要だった。InDesignはマルチページなので[分版プレビュー]で1ページずつ調べるのは大変だ(だから、ライブプリフライトになったのだろう)が、Illustratorでは[分版プレビュー]で十分だ。たとえマルチプルアートボードであっても、[分版プレビュー]の有無は大きい。

 Illustratorドキュメントを印刷用に出力する際にトラブルになりやすいものは

フォント
透明
特色
オーバープリント


あたりが上位だろうか。トリムマークが付いていないという問題外は除くと、このあたりがトラブルになりやすいのではないか。

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2009年03月18日

『Illustrator CS4までのおいしい新機能活用講座』[塗りブラシ]のサンプルファイル

 『Illustrator CS4までのおいしい新機能活用講座』の検証用サンプルファイルを整理してCDに焼き込んだ。トピックを解説するためにサンプルファイルを作成しなければならないが、それらを集めたものが「検証用ファイル」である。

 正直言ってIllustratorでも苦手な分野のサンプルファイルは作成しづらい。なんといっても、どういうサンプルを作成すればいいのか思いつかないからである。たとえば今回では

塗りブラシ
ライブペイント


などである。[塗りブラシ]はIllustrator CS4の新機能。ブラシを使って作成したオブジェクトが線ではなく塗りオブジェクトになるというのが新しい。なおかつ、同じペイント設定ブラシを重ねるとオブジェクトが合成される。Illustratorでタブレットを使って手書きイラストを作成するために便利な機能である。

 [塗りブラシ]を使うときの注意点は、設定オプションにある[精度]や[滑らかさ]で描画結果がどのように異なるのかということだろう。この違いをわかるように説明するのは難しい。というのは、塗りブラシは同じものを作成することができない。線として描画しても、マウスボタンを放したとたんに塗りオブジェクトに変換されるからである。

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ラベル:塗りブラシ
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2009年03月09日

Photoshop CS4までのレイヤー処理の変遷

 鹿野宏さんにお願いした『Photoshop CS4までのおいしい新機能活用講座』のレイアウトが完成したので、校正を兼ねて読み直した。読み直していくと、Photoshopのレイヤー機能がバージョンごとに進化し、使い勝手が良くなっていることがわかった。

 Photoshopのレイヤーは

CS2ではスマートオブジェクトに対応
CS3ではスマートフィルターに対応


した。スマートオブジェクトでは画像を拡大縮小しても非破壊データが残るようになり、スマートフィルターでは画像にフィルターを適用しても非破壊で処理ができるようになった。

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ラベル:Photoshop CS4
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2009年03月02日

IllustratorでするPDFの[トンボと裁ち落とし]その弱点

 IllustratorはCS2以降に、アートボードをPDF書き出ししてトンボと裁ち落としを正しく追加できる機能が整備された。PDF書き出し時に[トンボと裁ち落とし]を追加する機能はCSにもあったが、CSではアートボードに対してトンボと裁ち落としを生成するが、アートボードの外にオブジェクトがある場合、それらも含めてPDFのアートボードサイズとして認識してしまう。その場合、トンボの外にオブジェクトが配置されたPDFが書き出されてしまうことになる。

 トンボに外にオブジェクトがあっても、Acrobatの[ページのトリミング]などの機能で手動でそれら削除することは可能だが、実際には面倒である。さらに、印刷会社で割り付けする場合は、トンボを見当にしてセンターに貼り込むと便利なので、トンボの外にオブジェクトがレイアウトされている場合は、敬遠されやすいPDFになってしまう。

 IllustratorはCS2以降は仕上がりサイズをアートボードで指定してPDF書き出しすると、PDFでの出稿は極めて簡単になる。ところがである。困ったことにこの方法には、ウィークポイントがあるのだ。それは

折りトンボなどの見当トンボが反映できない

ということである。たとえば、A4仕上げで印刷してさらに巻き三つにする場合である。通常は折り位置はほぼ決まっているが、折り位置をずらしたい場合は、折り位置を示す見当トンボが必要になる。アートボードに[トンボと裁ち落とし]を追加する方法では折りトンボを追加することはできない

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ラベル:illustrator
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2009年02月27日

Illustrator CS4の[トリムマーク]はガイドにするな

 Illustrator CS4トリムマークを調べていた。オブジェクトに効果メニューから[トリムマーク]を指定しても、トリムマークがモニタ表示されないではないか。これはおかしい、以前は表示されたはずだと思いつつ、PDF書き出しすると、PDFにはトリムマークは反映されていた。

 ヘルプから、Adobeのサイトにアクセスして、「トリムマーク」で検索する。検索結果の「Adobe Illustrator CS4ユーザーガイド」にある「切り抜きまたは整列用のトリムマークの設定」で確認すると、

トリムマークは複数作成して表示することができる


と書かれているので表示するはず。ふむ、と思ってよくよく確認すると表示メニューで[プレビュー]がリストされている。[プレビュー]になっているということは、[アウトライン]表示なのである。ドキュメントに矩形のオブジェクトを作成しただけだったので、アウトライン表示になっていることに気が付かなかったのだ。[アウトライン]を選択してプレビュー表示にすると、[トリムマーク]は表示された。[トリムマーク]はアウトライン表示では表示されないらしい。

●効果メニュー化されたCS4のトリムマーク
090227_IllCS4.gif

 Illustrator CS4ではトリムマークを作成するには、オブジェクトを作成しなければならない。CS3まではドキュメントサイズに[トンボ(もしくはトリムエリア)]を作成して解除すれば、アートボードサイズのオブジェクトを生成できたが、CS4ではそれができない。

 矩形オブジェクトをトリムマークオブジェクトにした場合、オブジェクトを移動すると、トリムマークも連れ子のように移動する。仕上がりサイズを固定するためには、トリムマークオブジェクトをガイドにするか、と思ったがこの方法は駄目だった。

 [トリムマーク]オブジェクトを選択してガイドにしたら、トリムマークは消失したのである。PDFに書き出しても、トリムマークを書き出すことはできない。当然だろう、ガイドにした時点で、オブジェクトの属性はすべて失われるからである。[トリムマーク]オブジェクトのアピアランスを分割すると、元のオブジェクトは失われるので、仕上がり位置をガイドにしたいときは、オブジェクトを重ねてコピーしガイドに変換するしかなさそうだ。

 ちなみに、Creative Suite4のウェブ上のユーザーガイドは、ブログのようにユーザーがコメントできるようになっている。Adobe.comにサインインすれば、ユーザーガイドの各ページにコメントして質問したり、質問に回答することができる。効果メニュー化したトリムマークは、やはりわかりにくいようである。


◆CS4にCS3互換のトリムマークを追加する方法はこちらから
http://dtp-s2.seesaa.net/article/145140263.html?1269939741


◆アドビストアでのCreative Suite4製品の購入はこちらから
store3.adobe.com/cfusion/store

◆Photoshop CS4までのおいしい新機能活用講座のお申込はこちらから
http://www.incunabula.co.jp/book/photocs4_newfun/

◆Illustrator CS4までのおいしい新機能活用講座のお申込はこちらから
http://www.incunabula.co.jp/book/Illustcs4_newfun/

 

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2009年02月26日

『Photoshop CS4までのおいしい新機能活用講座』をレイアウトする

 PhotoshopがCSになったとき、『Photoshop CS新機能ガイダンス』という本を作成した。カメラマンの鹿野宏さんにお願いした。このときは、Illustrator分を書いて、InDesign影山史枝さんに書いていただいた

 CS2がリリースされたとき、またぞろ新機能ガイダンスを作成しようかと思ったが、新機能だけで1冊の本になりそうになかったので諦めた。CS3のときも同様であった。

 CS4になったときもCS4の新機能だけでは1冊にまとめることはできないが、CS2以降の新機能も合わせた内容であれば、十分な分量になりそうである。と思って、Photoshop版は鹿野さんに、InDesign版は影山さんにまたまたお願いした。お二人とも、快く引き受けていただけた。

PhotoshopCS4_bookimage100.gif Photoshop版は鹿野さんに原稿をいただいてInDesignでレイアウトをする。先にIllustrator版を仕上げなければならない。なんとかIllustrator版は先に終わったので、ここのところ『Photoshop CS4までのおいしい新機能活用講座』のレイアウトにかかっていた。

 鹿野さんのPhotoshopの新機能本をレイアウトしていると、Photoshop CS2以降はこんなに便利になっていたのかと驚くことしきりである。おそらく、レイアウトワークをしなければ、Photoshopの新しい便利な使い道を知ることはなかったに違いない。

 レイアウトは思ったよりたいへんであった。大きな画像が多いのである。それをうまく配置しなければならない。画像を小さくすればレイアウトはしやすいが、設定内容などがわかりにくくなるし、大きく扱えばページ数が冗漫になる。そのバラスに頭をひねるのである。見開きでキリのいいところで配置するには、中身を理解していなければならないので、原稿を読み込むしかない。そうなると、当然ながらPhotoshopの新機能をそのまま学ぶことができるのである。

 もう1つ重要なポイントがある。印刷で折り丁に合わせて制作しなければならないことだ。折りはかけないが、菊全で合理的なページ数にしなければならない。要するに、32ページ単位である。まかり間違っても16ページ単位にする必要がある。ページ数を揃えるためには、ページを分けてレイアウトしたくても、できない場合もある。なかなかつらい。

 まあしかし、何とか目処が立ってほぼ完成。総ページ数は結局

160ページ

になった。作例がいっぱい載っているだけでなく、カメラマンの視点で実用的な解説がキャプションされているので、「Comera RAWで人肌を生かすには、こういう設定にするのか」ということがよくわかるようになっている。予算の関係もあって、すべてのページをカラーにすることができないのがつらいが、なかなか完成が楽しみである。来月の半ばには完成する予定である。

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Photoshop CS4 11.0.1 アップデート配布

 早くもPhotoshop CS4のアップデータが配布されています。Macintosh版もWindows版もほぼ同じ内容で、「3rd パーティフォント」については、Windows版のみ「Photoshop 64-bit アプリケーションで」という但し書きが追加されています。

◆パフォーマンス低下を起こす可能性のあったいくつかの問題
◆Wacom タブレットでのペンを使ったバレル回転が正常に機能
◆プラグインで編集された 3D テクスチャを正常に認識
◆「レイヤーを自動合成」(画像をスタック)を実行した結果の画質を改善
◆書式設定されたテキストをペーストするときにクラッシュする可能性があった問題を修正
◆3rd パーティフォント(Gas フォントとGuitarフォント)がインストールされている場合に起こるクラッシュを修正


 「パフォーマンス低下を起こす可能性のあったいくつかの問題」というのは、怪しいですね。具体的に書いていないところが怪しいですね。アップデートするしかないのでしょう。

 「[レイヤーを自動合成]を実行した結果の画質を改善」というのも、どの程度なのかはよくわかりません。CS4で[画像をスタック]した場合は、かなりいい画質だと思いますが、さらに良くなったとしても、その違いを体感できる程度なのでしょうか。なかなか気になりますね。


●Macintosh版Photoshop CS4 11.0.1 アップデート
http://support.adobe.co.jp/faq/faq/qadoc.sv?235158+002

●Windows版Photoshop CS4 11.0.1 アップデート
http://support.adobe.co.jp/faq/faq/qadoc.sv?235159+002


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ラベル:Photoshop CS4
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2009年02月04日

CS4の新機能を使ってみる─InDesign CS4、ドキュメント内のテキストを参照する[相互参照]

 InDesign CS4の[相互参照]は、指定したドキュメント内のテキストを流用する機能だ。流用する際にページ番号やテキストを追加して、参照元のテキストを表示できる。参照元のテキストを変更すると、相互参照パネルにアラートが表示され、更新すると参照先テキストも更新される。

 InDesignのテキスト自動処理関係の機能には、目次、索引、テキスト変数などがあるが、相互参照が加わったことで、関連したテキスト処理のバリエーションが広がった。

 [相互参照]という機能名は誤解を招きやすい。もちろん相互にテキストを参照して更新できるわけではなく、片方向の参照・更新である。InDesignでは参照元になるオリジナルのテキストを

参照先テキスト

という。「参照元テキスト」という方が分かりやすい。編集可能なオリジナルを「参照先テキスト」を拾ってきて表示するほうを

相互参照ソース

という。参照した結果をなぜ「ソース」というのかは理解不明。こちらこそ「参照先テキスト」という方が分かりやすい。「相互参照ソース」を変更することはできるが、アラートが表示されるので[相互参照]を更新すると、編集したテキストはキャンセルされる。

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ラベル:InDesign CS4
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2009年01月29日

Illustrator CS4の実用的な新機能の本─ライブカラーの本当の使い道

 Creative Suite4がリリースされてもう1ヶ月以上が過ぎた。Creative Suiteの新機能については、CSがリリースされたときに書籍化を行った。CS4にいたってもう一度、新しい機能をまとめてみようと考えた。

 単に新機能をとり上げても仕方がない。というのは、新機能といっても実用的かどうかは別であって、ユーザーの多くが欲しい機能とは限らない。たとえば、CS4の塗りブラシ機能は、Illustratorでイラストを書きたいユーザーにとっては便利な機能だとしても、レイアウトソフトとして使用しているユーザーにはあまり興味がない機能だろう。マルチプルアートボードもこんなややこしそうな機能を喜ぶのは、一部のDTPフリークだけかもしれない。

 といっても、新機能の中には知らないだけで、使えば実は便利な機能が結構あるのではないかと思うことがよくある。使い道がわからないだけ、使い方を知らないだけで使っていない機能も多々ありそうである。

 そこで今回はCS4だけではなく、CS2やCS3の新機能でも実用的かつ知らなければソンするような新機能があれば合わせて紹介するような内容を目指して原稿を書いている。CS2まではAdobeが発行していた新機能のガイダンスとかがあったが、CS3以降はWebにある記事やヘルプしかない。残念ながら、公式サイトの記事は公平な扱いで新機能が解説されていて、実際に役に立つかどうかは自分で試してみるしかない。

 新機能を使いつつ、実用的な機能を掘り下げた本にしたいと思い

Illustrator CS4までのおいしい新機能活用講座


というタイトルを付けた。「オオッー」とよだれが垂れそうな新機能を紹介できればと思っているが、実際に新機能を調べていくとなかなか手間がかかる。

 CS3の新機能の中に「ライブカラー」という機能がある。CS3を持っていれば知っているだろう。選択したオブジェクトのカラーを一括して変換したり、直感的にグイグイと編集できる機能である。パッケージのカラーバリエーションを変更する場合は便利かも知れないが、一般的な「版下」レイアウトではあまり使うことはない。

 しかしDTP用途でいうと、CS3のライブカラーには実用的な使い道があるのだ。それは2つある。

グレースケールに変換
特色の置き換え


である。今回うろ覚えだったこれらの機能を再確認して整理してみた。もともとライブカラー(オブジェクトの再配色)にあったメニューは、フィルターメニューの[カラー]にあったものである。それが引っ越してきた。そのなかで強化された機能が[グレースケールに変換]なのである。

 CS2までは[グレースケールに変換]しても、パターンやグラデーションはグレースケールに変換できなかった。CS3ではそれが可能になった。これはけっこうよく知られていることだろう。しかし、CS2で変換できないはパターンやグラデーションだけであろうか。本にするとなるともう少し調べたい。グラデーションメッシュ、特色、複合パス、ブラシ、グラフ、埋め込み画像などのサンプルドキュメントを作成しグレースケールに変換してみた。

 不思議なことにグラデーションメッシュはグレースケールに変換できるのである。埋め込み画像も可能。ブラシとグラフは駄目。シンボルも不可。どうやら、分割・統合したり、アピアランスを分割しなければならないものは駄目らしい。ついでにいうと、カラー指定したドロップシャドウ部もグレースケール変換は駄目。

ICS4-41-34.gif
Illustrator CS2で変換したIllustratorのオブジェクト。グラデーション、パターン、グラフ、ブラシが変換不可になっている。

 CS3以降では、すべてグレースケールに変換可能だ。もっもと、Illustratorのグレースケール変換は、機械的に変換するので、ICCプロファイルで変換するようにはならない。明るさは無視されるし、ドットゲインも反映できない。Acrobatがあれば、PDF保存してAcrobatで変換することをお奨めする。

 もうつ1つの「おいしい機能」は、選択したカラーを任意のカラーに置き換える機能である。それだけであれば、「どこがおいしい機能なの」と言われてしまうが、おいしいのは特色の変換にある。

 どういうことかというと、ドキュメント内に特色があると、その特色をすべて墨ベタに変換することが可能なのである。つまり制作時には特色で作成したとしても、出力する前に墨ベタに置き換えることが可能になる。重要なのは、特色ベタは墨ベタに、特色50%は墨ベタ50%に変換されることである。

 画像はダブルトーンを使わずグレースケールのまま貼り込めば、グレースケール画像に特色を指定することが可能なので、モニタでは特色でのプレビューが可能になる。着色した画像は、ライブカラーでカラーの置換ができる。もっとも、正しく置き換えるにはライブカラーで色調の保持が必要になる。

 CS3の新機能、ライブカラーはあまり魅力的な機能には思えなかったが、特色を墨版(もちろんシアン版やマゼンタ版に置き換えることも可能)に置き換える機能は知っておきたい機能ではないか。同じカラーのつもりで複数の特色を指定している場合は、この機能を使えば、一括してカラーを置換できる。

 というわけで、「Illustrator CS4までのおいしい新機能活用講座」はCS4の新機能がメインになるものの、CS2やCS3の知っていればトクする新機能も合わせて紹介したい。できればマルチプルアートボードでは新機能の解説だけでなく、Illustratorだけでできる面付けのノウハウなども整理できれば思っている。

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ラベル:Illustrator CS4
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2009年01月21日

Photoshop CS4のOpenGLの制限を知る文書

 Photoshop CS4の新機能の中で、OpenGL(Open Graphics Library)の機能を利用したものがある。OpenGLは3DグラフィックスのためのAPIでPhotoshop CS4の新機能の中には、このOpenGLを利用したものがある。回転ビューツールやPhotoshop CS4 Extendedの3D機能はOpenGLを利用している。

 Mac OS XはOpenGLに対応している。単純に考えればMac OS Xであれば、PhotoshopのOpenGLを利用した新機能を利用できそうである。しかし実際には、少し古いマシンではOpenGL対応の新機能を利用できない

 OpenGLを利用する新機能が使えるかどうかを判断するには、環境設定の[パフォーマンス]を開く。そこで[OpenGL描画を有効にする]という設定がアクティブになっていれば、そのマシンはOpenGLを利用する新機能を利用可能だ。もしアクティブにならずグレーアウトしていれば、そのマシンではOpenGLを必要とする新機能は利用できないことになる。

 Photoshop CS4のOpenGLには制限があるにちがいない。AdobeのCS4のサイトにはOpenGLの制限についての記述がなかった。しかしCS4の新機能について調べていくと、OpenGLの制限についてはサポートデータベースにすでに用意されていたのだ。

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ラベル:opengl
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2009年01月14日

CS4の新機能を使ってみる─Illustrator CS4、グラデーションガイドと不透明度

 Illustrator CS4ではグラデーションの機能が強化されている。いまさらグラデーションの強化とはいかにという感じがしないでもないが、使ってみると自由度は極めて高い。主な強化機能は1つがオブジェクト上にガイドを表示する機能であり、もう1つは不透明度の対応である。

 ただし、CS3のグラデーションパネルと並べてみると、他にも強化されている機能がある。

[種類]でスウォッチから選択
「円形」を選択したときの[縦横比]
[反転]グラデーション


というような機能が追加されていて、グラデーションの編集が極めて柔軟になっている。

Illustrator CS3のグラデーションパネル
090114-ICS4-01.gif

Illustrator CS4のグラデーションパネル
090114-ICS4-02.gif
比較してみると、設定項目が大幅に増えていることがわかる。


 「グラデーションガイド」はオブジェクトに割り当てられたグラデーションにガイドを表示する機能だ。「ガイド」というより、「グラデーションバー」といった方が分かりやすいかもしれない。グラデーションが適用されている部分にグラデーションスライダが表示できる。


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ラベル:Illustrator CS4
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2009年01月06日

CS4の新機能を使ってみる─Illustrator CS4、失われたフィルタメニューと[トリムエリア]

 マルチプルアートボードの導入に関連して、オブジェクトメニューの[トンボ]が削除された。CS2からは[トンボ]ではなく[トリムマーク]と表記されるようになったが、この従来のトンボはオブジェクトではなく、Illustratorから分版出力する際に使われるものだったので、実質的にはほとんど使われることはなかった。

 CS4になって削除されたものには、「フィルタメニュー」がある。これはメニューそのものがなくなった。効果メニューを使い始めればフィルタメニューを使うことはまずなく、こちらも実質的には使われることのないメニューと化していたからだ。

 いままでフィルタメニューの[クリエイト]に「トリムマーク」があり、Illustratorのドキュメントでは仕上がりサイズに対して「トリムマーク」を使うことが一般的であった。トリムマークはオブジェクトなので、EPS保存して出力する場合には確実に出力されるので重宝したのである。

 フィルタメニューが削除されたことで、トリムマークも効果メニューに移動した。効果メニューなので選択したオブジェクトに対する属性となり、オブジェクトとして認識でない「トンボ」となった。この「トンボ」をオブジェクト化するには、オブジェクトメニューから[アピアランスを分割]を選択して、効果を解除すればよい。

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ラベル:トリムマーク
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2008年12月18日

CS4の新機能を使ってみる─Illustrator CS4、マルチページPDFのできる[マルチプルアートボード]

 マルチプルアートボードは、Illustratorのドキュメントに複数のアートボードを指定するものだ。複数のアートボードを設定することで、カラー管理やスウォッチ、グラフィックスタイルやシンボル、合成フォントなどが共有可能だ。

 CS3のときに、1つのドキュメントに複数のトリムエリアを設定できたことをご存じだろうか。もっともトリムエリアを複数指定してもあまりメリットはない。PDF保存時では、選択したトリムエリアだけを書き出すことができたが、トリムマークを反映して書き出すことはできなかった。

 複数のトリムエリアという発想を延長していくと、1つのドキュメントで複数のアートボードという発想になるといえそうだ。CS3のトリムエリアツールは、CS4では同じアイコンのままアートボードツールとしてツールバーにおかれているのである。

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2008年12月16日

CS4の新機能を使ってみる─Photoshop CS4[コンテンツに応じて拡大・縮小]

 Photoshop CS4の「ウリ」の一つは[コンテンツに応じて拡大・縮小]機能だろう。画像を変倍しても、人物などのオブジェクトは変倍されずに、いびつにならないのだ。極めて分かりやすい新機能だろう。

 従来の編集メニューにある[自由変形]で画像のサイズを小さくすると、画像全体が変形される。画像サイズを変形したとき、画像内のオブジェクトを変形させずに、画像を変形しても問題のないと思われる部分のみを変形するのが

[コンテンツに応じて拡大・縮小]

である。使い方は簡単で、編集メニューから[コンテンツに応じて拡大・縮小]を選択し、画像を変形させるだけよい。画像を小さくするときだけでなく、大きくするときも有効だ。オブジェクトのサイズをできるだけ変形せずに背景部分を拡張する。

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2008年11月28日

アップグレードポリシー変更とCreative Suiteのセールス

 アマゾンからアップグレード前のCreative Suite3の案内がきた。Creative Suite4がリリースされる前にCreative Suite3を買えば、Photoshop 7.0、Illustrator 10、InDesign 2.0からでもアップグレード可能なので、ショップもディーラーも販売に熱が入る。いままで腰を上げなかったAdobeソフトのユーザーも、土壇場にならないと腰を上げないのではないかと思うが、Creative Suite4のリリースまでは秒読みとなった。いまなら、Creative Suite4無償アップグレード付きである。

 いままで、アマゾンでAdobeソフトの買うメリットは小さかった。要するに値引率が低いのである。明らかにヨドバシやビックカメラで買った方が安い。アマゾンで買う理由があるとしたら、ヨドバシやビッグカメラのポイントを知らないのではないか、と思うしかない。

 しかし、今回のアップグレード前のCreative Suite3はものによっては

10%以上の値引率

である。つまり、ヨドバシやビッグカメラと同等の価格なのである。ポイントで貰うよりも現金で値引きして欲しい場合は、アマゾンに分がある。クレジットカードで買う場合は、ポイント率が下がるので確実にアマゾンの方が安い。

 アドビがアマゾンに働きかけたのか、アマゾンが売り込んだのかはしらない。アドビストアだけで販売する限界を感じたのかも知れない。知らないうちに、アドビストアには、バリューコマースのアフィリエイトの案内が掲載されているのである。アドビがCreative Suiteの販売方法をいろいろと模索していることは確かのようだ。

 さらにアマゾンで申し込むと、

デジタルハリウッド「みんなのデザイン講座【32時間】」 無料受講クーポン

までついて来るという。もっともこの無料クーポンは抽選で、有効期限は11月の末までとなっている。

 Photoshop 7.0、Illustrator 10、InDesign 2.0以降のAdobe製品を単体で持っていて、それをCreative Suite3にアップする場合は、DTPユーザーの選択肢はDesign StandardかDesign Premiumになる。

 Design Standardは通常版は198,000円もするが、アップグレードポリシー内の旧製品を単体で持っていれば、126,000円となる。Design Premiumは298,000円が249,900円となる。Design Premiumは割高だが、CS4版ではDreamweaver、Flashに追加してFireworksも付いてくる。

 Creative Suite4をCreative Suite3からアップグレードするときの価格だが、これがけっこう興味深い。というのは、CS3であれば、Design PremiumでもDesign Standardでも、同じ価格でDesign Premiumにアップグレードできるのだ(対象はAdobe Creative Suite 3 Design Premium、Design Standard、Web Premium、Web Standard、Production Premium、Master Collectionでアップグレード価格は同じ。税別で113,000円)。Design StandardからDesign Standardにアップグレードするときとの差額は、33,000円(税別:アドビストア価格)なのである。

 したがって、Adobe製品を単体で持っている場合は、今回はDesign Standardにアップデートしておき、次回のアップグレード(Creative Suite 5という意味です)でDesign Premiumに変更するという手もある。そうすると、アップグレードの費用を節約できる。もっともアップグレードの価格設定が変わってしまった場合は保証の限りではないけどね。

◆Design Premium 3.3 日本語版 MAC UPG版>Desn Prem単体製品 11%OFF

◆Design Premium 3.3 日本語版 WIN UPG版>Desn Prem単体製品 11%OFF

◆Design Standard 3.3 日本語版 MAC UPG版>Desn Std単体製品 11%OFF

◆Design Standard 3.3 日本語版 WIN UPG版>Desn Std単体製品
 3%OFF

◆アドビストアでの購入はこちら


 Windows版のDesign Standardのアップグレードの割引率が低いのは、あまり売れていないせいか。それともその逆? WindowsユーザーはDesign Standardを買わずに、Design Premiumを選択するのだろうか。謎ですな。



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2008年11月27日

InDesign CS4、追加された最高傑作へのショートカットを概観する

 Creative Suite 4InDesign CS4の追加された新機能を見てみよう。CS4では画像の配置と日本語組版機能の他、相互参照条件テキストなどのテキスト処理機能が追されている。また、ライブプリフライトでレイアウトしつつデータの検証が行えるようになっている。

 画像の貼り込みは、CS3で複数ファイルの貼り込みに対したが、CS4では貼り込み時にスマートガイドを表示させてオブジェクトの中心に揃えたり、エッジで揃えたりすることが可能になった。また、複数の貼り込み画像の間隔も等間隔に貼り込む際にスマートガイドを表示可能だ。

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ラベル:InDesign CS4
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2008年11月19日

Illustrator CS4、追加された最高傑作へのショートカットを概観する

 Creative Suite 4Illustrator CS4の追加された新機能を見てみよう。Illustrator CS4では新機能の追加だけではなく、起動時間も速くなった。特に2回目以降の起動は高速になったという。また、保存時間も高速化されている。

 まず最初に述べるべきことは、オブジェクトメニューに用意されていた[トリムマーク(トンボ)]のメニューが削除されたことだ。トンボを追加する場合は、オブジェクトを選択し効果メニューの[トリムマーク]を指定する。ここで指定されたトンボはオブジェクトではなく選択できない。オブジェクトにするには、トリムマークを作成したオブジェクトを選択して、オブジェクトメニューから[アピアランスを分割]するのである。

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ラベル:Illustrator CS4
posted by 上高地 仁 at 21:14 | Comment(2) | TrackBack(0) | Creative Suite 4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月13日

Photoshop CS4、追加された最高傑作へのショートカットを概観する

 日本語版のCreative Suite4が発表された。Adobeは今回のバージョンアップは「最高傑作へのショートカット」と呼ぶほど強力な新機能だという。Creative Suite 4ではどのような魅力的な新機能が搭載されたのだろうか。まず、Photoshop CS4の新機能を見てみよう。

 続きは次をご覧下さい
ラベル:Photoshop CS4
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2008年10月08日

Creative Suite4、Creative Suite4、その悩ましきもの

 先月の24日に、アメリカでCreative Suite4が発表された。いままでの流れからいうと、順当なリリース時期だが、逆に言うとAdobeのパッケージ製品の販売方法は代わり映えしないということでもある。パッケージ販売収穫逓減期をむかえ、そろそろ販売方法の見直しは急務となっていると思うが、なかなか代替案が見つからないのかもしれない。

 Creative Suite4の仕様や新機能については、Googleで「Creative Suite 4」で検索すれば、たいていのニュースサイトの記事がリストされる。その記事を読めば、どのような新機能が追加されたのかが、さわり程度にわかるが、記事を読んだだけでは、その機能がバージョンアップフィーに値するかどうかはわからない。

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 ニュースサイトで報じられているCreative Suite4は、アメリカでのリリースであって、日本語版ではない。アメリカ版は10月に発売開始だそうだが、日本語版については、また改めて案内があるだろうが、通常一二ヶ月遅れる。かつて世界同時発売して、バグ修正が十全ではなかったことがあり、それ以降世界当時発売することはなくなった(世界同時発売したのは、話題性もあるが、ユーザーの要望も大きかった)。また、いまとなっては同時発売するメリットも見あたらないからだろう。

 新機能はたくさんあるらしいが、現在の記事を読む限り、具体的に紹介されている新機能はあまりない。記事を参照して主立ったところを取り上げてみよう。

◆Illustrator CS4:マルチプルアートボード
どうやら複数のアートボードを扱えるようになったらしい。CS3でも、複数のトリムマークトンボ領域のこと)を指定可能だったので、Illustratorドキュメントにアートボードを複数を設定するのは自然なだろう。IllustratorではA4仕上げのドキュメントを、見通しのA3サイズで作成することがよくある。そのまま書き出すとややこしいので、A4のアートボードを並べて制作し、A4のページとして個別に柿田することができれば、面付けするときには便利かも知れない。なお「マルチプルアートボード」が、かつてIllustratorに渇望されたマルチページ機能であるかどうかはわからない。

◆InDesign CS4:Live Preflight

「作業中にリアルタイムでエラーの可能性が警告され」る機能だという(マイコミジャーナル)。印刷用とかであれば、印刷用として適切でないデータが含まれている場合、アラートをすぐに表示するほうがインテリジェンスなことは間違いない。少なくともInDesignRGB画像を貼り込んでも、アラートが現れることはない。そのままRIPの機能でCMYK変換し、予想外のカラーになってしまうこともあるからだ(RGBを貼り込んだとき、アラートが現れるかどうかは知らないが)。もっともInDesignではプリフライトチェックする項目はそれほど多くない。Illustratorドキュメントを縮小して貼り込んで、その中の線幅が極めて細くなったときアラートがでるのかといういうようなことは、今後の課題かも知れない。しかし、期待できそうな機能だろう。いずれ、プリフライト内容をAcrobat並みに編集できるようになるかもしれない。

◆Photoshop CS4:Content-Aware Scaling
画像のサイズを変更したとき、画像内のオブジェクトにあわせて、より自然な感じで画像を調整する機能らしい。おそらく縦横比を固定させずに、サイズ変更したときに、無理のない画像にする機能のようだ。残念ながら、そういう使い方をしたことがないので、この機能の重要度は判断できそうもない。


 Creative Suite3の日本での販売が順調になってきたのは、今年に入ってからだという話しも聞く。今年に入ってCreative Suite3を導入したユーザーにとって、やっとCS3を使いこなせたかどうかというレベルであることが多いだろう。CS4の新機能を聞いても、遠くの汽笛程度にしか耳に響かないかもしれない。

 アメリカ版の発売を今年に行うにしても、日本語版はもっと遅れてもいいではないか。アメリカ版の発売で新しい機能が認知されるようになってから、日本語版をおもむろに発売する。そのほうが、ユーザーの期待度も高くなり、導入度も高くなると思ったりもするがどうだろう。

 DTP成長期の頃は、新しいバージョンをいち早く使いたいという燃えるような思いがあったが、成熟期を迎えて、ユーザーはより慎重な判断を行うことになる。すこし「焦らして」からの方が販売効率はいいように思うが、どうだろう。

 といっても、アメリカはこれから不況に突入しそうだ。Creative Suite4をリリースしても、好調なアメリカでのセールスが低迷する可能性小さくない。そうなると、日本での販売にサンノゼは大きく期待するだろう。リリースを急ぐことはあっても、遅らせるというシナリオを描くことはなさそうである。

 Creative Suite4、導入するべきか、せざるべきか。導入するならば、それはいつか。あなたの悩ましきものがまた一つ増えた。

Adobe Creative Suite 4(Adobeの解説動画:英語)



Adobe Creative Suite 4 CNET First Look(英語)







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