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2014年01月22日
Illustrator PDFのグレーを完全グレースケールモードにする方法
印刷物はプロセスカラー四色のものが多くなったが、いまでも単色で印刷するものも少なくない。たいていは墨のインクで印刷される。軽オフセット印刷を始め、グレースケール単色で印刷するものは、墨版だけを出力して印刷版を作成することになる。ところが墨版だけを出力すると予想外のトラブルに見舞われることがある。予想外のトラブルというのは、墨版だけで指定したはずなのに墨版以外のCMY版が残っていることがあり、墨版だけを出力するとその版のデータが飛んでしまうことである。つまり印刷すべきオブジェクトが指定ミスで消失するのである。
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2009年06月03日
Acrobat 9 Proでできない二重トンボをムリヤリ作成する方法
Acrobat 8 Proでは印刷工程ツールの[ページのトリミング]と[トンボの追加]を使うことで、PDFに日本式の二重トンボを追加できた。二重トンボを追加する場合は「InDesign2」もしくは「IllustratorJ」を指定すればよい。
Acrobat 9 Proになっても、[ページのトリミング]と[トンボの追加]のウィンドウに大きな変化はなく、これらの機能はそのままだと思っていた。しかしAcrobat 9 Proで[ページのトリミング]と[トンボの追加]でトンボ追加すると、「InDesign2」や「IllustratorJ」を指定しても、二重トンボにはならないのである。
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Acrobat 9 Proになっても、[ページのトリミング]と[トンボの追加]のウィンドウに大きな変化はなく、これらの機能はそのままだと思っていた。しかしAcrobat 9 Proで[ページのトリミング]と[トンボの追加]でトンボ追加すると、「InDesign2」や「IllustratorJ」を指定しても、二重トンボにはならないのである。
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ラベル:Acrobat 9 Pro
2009年03月31日
Acrobatでする透明グラデーション分割・統合の謎
Illustratorでグラデーションオブジェクトを作成し、透明効果を適用したオブジェクトを重ねてみよう。PDFで保存してAcrobat 8 Proで透明効果を分割してみる。どうなるだろうか。一度試して頂きたい。
Acrobat 8 Proでプリフライトにフィックスアップの機能が追加され、AcrobatはPDFを印刷用に変換することが簡単になった。複数の処理を一度に行い、PDFを出力用に作り替えることができる。
ただし、Acrobat 8 Proの印刷用変換機能でも苦手なものがある。Acrobat 8 Proでなくても、出力機のRIPでも苦手なものだろう。それは
特色
透明効果
グラデーション
である。単独で使う場合は問題がなくても、これらを組み合わせるとトラブルになりやすい。Adobeのサポートデータベースに書かれていることはないだろう。けっこう再現性が低いこともあって、これら3つを組み合わせても、トラブルが起こるとは限らないし、他にトラブルを招く要素もあるかもしれないからだ。解決方法があるとすれば、最新版にアップデートするしかない。こっそり直っているかも知れないからだ。
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Acrobat 8 Proでプリフライトにフィックスアップの機能が追加され、AcrobatはPDFを印刷用に変換することが簡単になった。複数の処理を一度に行い、PDFを出力用に作り替えることができる。
ただし、Acrobat 8 Proの印刷用変換機能でも苦手なものがある。Acrobat 8 Proでなくても、出力機のRIPでも苦手なものだろう。それは
特色
透明効果
グラデーション
である。単独で使う場合は問題がなくても、これらを組み合わせるとトラブルになりやすい。Adobeのサポートデータベースに書かれていることはないだろう。けっこう再現性が低いこともあって、これら3つを組み合わせても、トラブルが起こるとは限らないし、他にトラブルを招く要素もあるかもしれないからだ。解決方法があるとすれば、最新版にアップデートするしかない。こっそり直っているかも知れないからだ。
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ラベル:透明グラデーション
2009年03月17日
PDF内のレジストレーショントンボはグレーベタに変換できない?
DTP-S倶楽部の会員の方から『PDF面付けの素』の出力での質問をいただいた。質問というのは、レジストレーションカラーのトンボを墨ベタにできないのか、というものだった。レジストレーションカラーのトンボを墨ベタにしたい理由は、オンデマンドプリンタから出力のためである。
オフセット印刷するためにフィルムなりCTPに出力する場合、CMYKデータであっても墨版だけを選択して出力する。グレースケールのデータを出力する場合に、トンボがCMYK総ベタのレジストレーションカラーで貼り込まれていても、墨版だけを出力すればよい。
しかしプリンタの場合はグレースケールで出力するのはけっこう面倒である。手元にある複合機でも、モノクロで出力したいドキュメントは強制的にグレースケールを選択して出力している。理由は簡単で、
グレースケールとカラーではカウント料金が違う
からである。グレースケールとカラーだとトナーは4倍だから、カウントも4倍ということはなく、たいていそれ以上する。モノクロ出力は価格競争でカウンター料金を低く設定するが、カラーには価格競争が働かないようでかなり高くなる。
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オフセット印刷するためにフィルムなりCTPに出力する場合、CMYKデータであっても墨版だけを選択して出力する。グレースケールのデータを出力する場合に、トンボがCMYK総ベタのレジストレーションカラーで貼り込まれていても、墨版だけを出力すればよい。
しかしプリンタの場合はグレースケールで出力するのはけっこう面倒である。手元にある複合機でも、モノクロで出力したいドキュメントは強制的にグレースケールを選択して出力している。理由は簡単で、
グレースケールとカラーではカウント料金が違う
からである。グレースケールとカラーだとトナーは4倍だから、カウントも4倍ということはなく、たいていそれ以上する。モノクロ出力は価格競争でカウンター料金を低く設定するが、カラーには価格競争が働かないようでかなり高くなる。
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ラベル:レジストレーショントンボ
2009年03月09日
Acrobat 9 Proのプリフライトを整理する
Acrobat 8 Pro以降はプリフライトにフィックスアップ機能が追加され、PDFを調べることがけっこう簡単になった。プリフライトについてはセミナーを何度かさせていただいたが、まだ書籍にまとめるところまでは行き着いていない。まあでもできれば、まとめたいと思って、以前作成したプロファイルを眺めていた。
印刷用のプリフライトプロファイルを作成するとしたら、アプリケーションによって使い分けることが必要になる。少なくとも
Illustrator
InDesign
WordからのPDF
は別々のものにする必要がある。と思って整理したが、基本的にはIllustratorとInDesignはほぼ同じだった。というのは、InDesignのみ発生するトラブルは、たいていがIllustratorのデータを貼り込んだときに発生するものだからである。
たとえば、Illustrator CSとCS2の分割水平線は、InDesignにIllustratorデータを貼り込むと、InDesignからPDF書き出ししても現れる。というのは、もともとのIllustratorデータ内のEPS画像がすでに分割されているからである。ただし、Illustratorで使うカスタムチェックと全く同じものは使えない。
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印刷用のプリフライトプロファイルを作成するとしたら、アプリケーションによって使い分けることが必要になる。少なくとも
Illustrator
InDesign
WordからのPDF
は別々のものにする必要がある。と思って整理したが、基本的にはIllustratorとInDesignはほぼ同じだった。というのは、InDesignのみ発生するトラブルは、たいていがIllustratorのデータを貼り込んだときに発生するものだからである。
たとえば、Illustrator CSとCS2の分割水平線は、InDesignにIllustratorデータを貼り込むと、InDesignからPDF書き出ししても現れる。というのは、もともとのIllustratorデータ内のEPS画像がすでに分割されているからである。ただし、Illustratorで使うカスタムチェックと全く同じものは使えない。
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ラベル:Acrobat 9 Pro
2008年12月09日
白オブジェクトオーバープリント、InDesign PDF書き出しの怪
Illustratorでは白オブジェクトにオーバープリントすることが可能だ。白にオーバープリントすると、透明の乗算と同様になってしまう。背面にオブジェクトがあっても抜きにならない。
白オブジェクトのオーバープリントが厄介なのは、知らずに適用しているケースだろう。墨文字をオーバープリントするつもりですべてのオブジェクトを選択してオーバープリントしたりすると、ドキュメントの中に白オブジェクトがあると、当然それもオーバープリント化されてしまう。表示メニューで[オーバープリントプレビュー]をオフにしていると、抜き文字のまま表示され、プリンタからの出力でも、普通は抜きのまま出力されるからである。
Illustratorで指定可能な白オブジェクトに対するオーバープリント。ここではテキストと円形の塗りオブジェクトにオーバープリントを適用した。
高解像度のRIPから出力すると、オーバープリントが反映されて、白ノセ、つまり抜きにならずに出力されることがある。一般的にRIPでは全てのオーバープリントを解除して墨ベタのみをオーバープリントすることが多いが、そうではない設定で出力していることもあるからだ。
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白オブジェクトのオーバープリントが厄介なのは、知らずに適用しているケースだろう。墨文字をオーバープリントするつもりですべてのオブジェクトを選択してオーバープリントしたりすると、ドキュメントの中に白オブジェクトがあると、当然それもオーバープリント化されてしまう。表示メニューで[オーバープリントプレビュー]をオフにしていると、抜き文字のまま表示され、プリンタからの出力でも、普通は抜きのまま出力されるからである。
Illustratorで指定可能な白オブジェクトに対するオーバープリント。ここではテキストと円形の塗りオブジェクトにオーバープリントを適用した。
高解像度のRIPから出力すると、オーバープリントが反映されて、白ノセ、つまり抜きにならずに出力されることがある。一般的にRIPでは全てのオーバープリントを解除して墨ベタのみをオーバープリントすることが多いが、そうではない設定で出力していることもあるからだ。
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ラベル:白オブジェクト
2008年12月01日
印刷用のPDF、そのまま出稿・出力していませんか?
出力トラブルはいつもあります。どれだけ注意していても、トラブルを招くドキュメントを作成してしまうことはあります。私も、以前InDesignで商品カタログを作成していて、RGBのままの画像を貼り込んで失敗したことがあります。
校正用のDDCP出力ではそれなりに出力されていたのですが、CTPで印刷したときには、RIPの種類が違っていて、CMYKに変換されたときにカラーが変わってしまったのですとんだトラブルを招いてしまいました。もっとも、私のミスですけどね。
そういうときも、出力前にドキュメント内にRGBがあるかどうかを調べていれば、何一つ問題はありません。RGB画像が見つかればCMYKに変換して貼りこみ直せばいいだけだからです。
PDFでのプリフライトは簡単です。Acrobat 8 Pro以降があれば、極めて高性能なプリフライトができるからです。Creative Suite3があれば、Acrobat 8 Proが含まれています。もし、Creative Suite3を持っていれば、是非、Acrobat 8 Proをご活用下さい。
PDFのトラブルはだれに責任があるのでしょうか。
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校正用のDDCP出力ではそれなりに出力されていたのですが、CTPで印刷したときには、RIPの種類が違っていて、CMYKに変換されたときにカラーが変わってしまったのですとんだトラブルを招いてしまいました。もっとも、私のミスですけどね。
そういうときも、出力前にドキュメント内にRGBがあるかどうかを調べていれば、何一つ問題はありません。RGB画像が見つかればCMYKに変換して貼りこみ直せばいいだけだからです。
PDFでのプリフライトは簡単です。Acrobat 8 Pro以降があれば、極めて高性能なプリフライトができるからです。Creative Suite3があれば、Acrobat 8 Proが含まれています。もし、Creative Suite3を持っていれば、是非、Acrobat 8 Proをご活用下さい。
PDFのトラブルはだれに責任があるのでしょうか。
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ラベル:プリフライト
2008年10月27日
グレースケールに変換できないPDFのグラデーション
『DTPオカジオネル』はInDesign CS3で制作して、PDFに書き出してInDesign CS3で面付けする。面付けする前か、した後にAcrobatでグレースケールに変換する。[色を置換]で「Dot Gain15%」で変換するのが基本だが、Mac OS Xのスクリーンショットは淡い濃度なので、「Dot Gain10%」で変換することがおおい。「Dot Gain10%」の方が変換したときのグレースケールの濃度は高くなるからだ。
Acrobat 9 Proの[色を置換]を利用して、『DTPオカジオネル第8号』をグレースケールに変換した。ところが、グレーに変換されない部分があった。1つはトピックタイトルのバックに貼り込んだIllustrator CS3のデータである。もう1つは、InDesign上で指定したグラデーションであった。
↓
↓
Illustrator CS3で作成したトピックバックは、落書き効果が使われているオブジェクトスタイルを編集したもの。よく見ると、落書きのラインがグラデーションになっていた。落書きのカラーにグラデーショが適用されているものだった。
いずれも、グラデーションが使われているのが共通点。Acrobat 9 Proでは、IllustratorやInDesignのグラデーションをグレースケールに変換できないのだろうか。それともCS3のみの現象だろうか。
InDesignからPDFに書き出す際には「Acrobat 5.0互換」で書き出しており、グラデーション、つまりスムーズシェードだからといって特殊なデータ形式だとは思われない。Acrobat 9 Proのフィックスアップで変換しても同じ。Acrobat 8 Proの[色を置換]で変換しても、グラデーションはカラーのまま、グレースケールには変換されないのである。
◆ショット付きは続きはこちらから
→ http://dtp-s.seesaa.net/article/108678063.html
Acrobat 9 Proの[色を置換]を利用して、『DTPオカジオネル第8号』をグレースケールに変換した。ところが、グレーに変換されない部分があった。1つはトピックタイトルのバックに貼り込んだIllustrator CS3のデータである。もう1つは、InDesign上で指定したグラデーションであった。
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Illustrator CS3で作成したトピックバックは、落書き効果が使われているオブジェクトスタイルを編集したもの。よく見ると、落書きのラインがグラデーションになっていた。落書きのカラーにグラデーショが適用されているものだった。
いずれも、グラデーションが使われているのが共通点。Acrobat 9 Proでは、IllustratorやInDesignのグラデーションをグレースケールに変換できないのだろうか。それともCS3のみの現象だろうか。
InDesignからPDFに書き出す際には「Acrobat 5.0互換」で書き出しており、グラデーション、つまりスムーズシェードだからといって特殊なデータ形式だとは思われない。Acrobat 9 Proのフィックスアップで変換しても同じ。Acrobat 8 Proの[色を置換]で変換しても、グラデーションはカラーのまま、グレースケールには変換されないのである。
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2008年10月02日
TouchUpでテキストを削除するとレイアウトが変わる[ピンチを救う Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ]
[ピンチを救う Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ]ブログにTouchUpテキストツールの記事を追加しました。簡単に言うと、TouchUpテキストツールでテキストを1行削除してしまうとレイアウトが崩れてしまうという話です。
TouchUpでフォントを差し替えても文字ツメは調整されない
TouchUpテキストツールでは、PDF内のテキストを編集したり削除することができます。PDF上でTouchUpテキストツールを利用して、フォントを差し替えたり、テキストの属性を変更することは可能ですが、できればしない方がいいでしょう。
特にフォントを差し替える場合は注意したいものです。問題になるのは、まず、かながツメ文字になっている場合です。かなはフォントによってふところの大きさが違います。ツメ幅もフォント毎に異なるのです。ふところの小さいフォントから大きいフォントに変更すると、文字送りはそのままでグリフだけを変更することになります。その結果、文字が詰まりすぎてしまうのです。場合によっては、くっついてしまうこともあります。
もう1つ注意したい問題は、シフトJISで使われていない字形を変更する場合です。同じOpenTypeフォント同士で、Adobe Japanのバージョンが同じでも、同じ字形に変換できないことがあります。
もしTouchUpテキストツールで文字を編集するのであれば、テキスト全体を変更するのではなく、フォントを変更せず、修正する部分のテキストのみを変更するほうが安全です(『Acrobat 8 Proサクサク出力のコツTouchUp2:テキストを編集して書き換える』を参照してください)。【ショット付きの続きはこちらから】
TouchUpでフォントを差し替えても文字ツメは調整されない
TouchUpテキストツールでは、PDF内のテキストを編集したり削除することができます。PDF上でTouchUpテキストツールを利用して、フォントを差し替えたり、テキストの属性を変更することは可能ですが、できればしない方がいいでしょう。
特にフォントを差し替える場合は注意したいものです。問題になるのは、まず、かながツメ文字になっている場合です。かなはフォントによってふところの大きさが違います。ツメ幅もフォント毎に異なるのです。ふところの小さいフォントから大きいフォントに変更すると、文字送りはそのままでグリフだけを変更することになります。その結果、文字が詰まりすぎてしまうのです。場合によっては、くっついてしまうこともあります。
もう1つ注意したい問題は、シフトJISで使われていない字形を変更する場合です。同じOpenTypeフォント同士で、Adobe Japanのバージョンが同じでも、同じ字形に変換できないことがあります。
もしTouchUpテキストツールで文字を編集するのであれば、テキスト全体を変更するのではなく、フォントを変更せず、修正する部分のテキストのみを変更するほうが安全です(『Acrobat 8 Proサクサク出力のコツTouchUp2:テキストを編集して書き換える』を参照してください)。【ショット付きの続きはこちらから】
関連リンク |
ピンチを救う Acrobat 8 Proサクサク出力のコツブログ acrobat-saku2.seesaa.net |
ピンチを救う Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ incunabula.co.jp |
ラベル:TouchUpテキストツール
2008年09月03日
ダウンサンプルされる飾り罫線と印刷できない飾り罫線
WordからDistillerでPDFを作成するとき、どうしても押さえておきたいものに「飾り罫線」がある。罫線を使うとき、デフォルトで用意された罫線の中から選択して使うが、このとき三種類ある飾り罫線を指定してPDFを作成すると、印刷では使えない代物になってしまう。
飾り罫線が印刷で使い物にならない原因の一つは、GDIがDistillerに罫線データを提供するとき、罫線を画像にしてしまうことがある。普通の罫線は画像化されないのだが、破線や飾り罫線は画像になるのである。それがDistillerでPDFにすると、困ったことが起きる。困ったことというのは、Distillerで「プレス品質」とか「高品質」などの印刷用設定を使って変換すると、罫線が
ダウンサンプル
されてしまうのである。ダウンサンプルされると、飾り罫線を構成する細い線が濃度を失い、印刷してもインクが乗らないか、あるいはぼけた線として印刷されてしまうのである。
Wordで飾り罫線を使うことはあまりないかも知れないが、もし使用していた場合、プリンタでは印刷されたのに、オフセット印刷では印刷されずにクレームになってしまうことになる。
Acrobatのプリフライトで飾り罫線をリストできれば、印刷事故を減らすことができる。プリフライトで調べるには、飾り罫線をPDFにして、画像化された罫線部分の特徴をしらべるしかない。
しかし、困ったことに、一つのプリフライトで全ての問題となる飾り罫線をリストすることはできそうもない。というのは、飾り罫線はDistillerでダウンサンプルしなくても、画像の解像度が高いとき、印刷されないデータになってしまうからである。
たとえば、「2400 dpi」で書き出せば、GDIはその1ドットで飾り罫線を作成する。低解像度のプリンタであればそれでもいいが、「2400 dpi」の1ドットはCTPでは出力できても、印刷すると消失してしまう。ブランケットから印刷用紙に転写することはできないし、もしできたとしても、視認できないほど小さな点になってしまう。こういう場合は、解像度を下げて作り直すしかない。
さらにやっかいなのは、Windows 98と2000以降は罫線の画像化の仕組みが同じではない。墨の飾り罫線を作成すると、Windows 98では「デバイスRGB」で作成されるが、Windows 2000やXPでは「インデックス付きデバイスRGB」という正体不明のカラースペースになってしまう。
Windows 2000やXPでDistillerでPDFにすると、飾り罫線部分を[出力プレビュー]のオブジェクトインスペクタでクリックすると、「インデックス付きデバイスRGB」と表示されてしまう。
したがって、飾り罫線をプリフライトで調べるためには
ダウンサンプルの有無
Windows 98と2000以降
ダウンサンプルされておらず「1200 dpi」以上
を別々にリストしなければならないというのが、飾り罫線を調べていく上で達した結論であった。「Windows 98と2000以降」は必ずしも分けなくてもかまわないが、WordからのPDFではWindowsのバージョンはわからないので、別々にリストすることにした。
飾り罫線をピックアップする方法は、画像の属性にある。最初は書き出される画像サイズに共通性があったので、これで「決まり」と思ったが、残念なことにプリフライトには画像の実寸法を調べるプロパティはなかった。なぜ含まれていないかはわからないが、それ以外のプロパティを使うしかない。
上はWindows 98で作成した罫線で、下はXPで作成した飾り罫線の属性。同じ解像度なのに「幅/高さ」が異なっていることがわかる。こういう違っている部分を手かがりにして、プリフライトのカスタムチェックを作成するしかない。「幅/高さ」は違っても「サイズ」は同じ数値になっている。
最終的に五つのカスタムチェックを作成して、Distillerで作成した飾り罫線を調べることができた。飾り罫線はを使うときは「いきなりPDF2」以降を使うと、まずトラブルにならない。が、それを客先に求めるのは無理だろう。
飾り罫線が印刷で使い物にならない原因の一つは、GDIがDistillerに罫線データを提供するとき、罫線を画像にしてしまうことがある。普通の罫線は画像化されないのだが、破線や飾り罫線は画像になるのである。それがDistillerでPDFにすると、困ったことが起きる。困ったことというのは、Distillerで「プレス品質」とか「高品質」などの印刷用設定を使って変換すると、罫線が
ダウンサンプル
されてしまうのである。ダウンサンプルされると、飾り罫線を構成する細い線が濃度を失い、印刷してもインクが乗らないか、あるいはぼけた線として印刷されてしまうのである。
Wordで飾り罫線を使うことはあまりないかも知れないが、もし使用していた場合、プリンタでは印刷されたのに、オフセット印刷では印刷されずにクレームになってしまうことになる。
Acrobatのプリフライトで飾り罫線をリストできれば、印刷事故を減らすことができる。プリフライトで調べるには、飾り罫線をPDFにして、画像化された罫線部分の特徴をしらべるしかない。
しかし、困ったことに、一つのプリフライトで全ての問題となる飾り罫線をリストすることはできそうもない。というのは、飾り罫線はDistillerでダウンサンプルしなくても、画像の解像度が高いとき、印刷されないデータになってしまうからである。
たとえば、「2400 dpi」で書き出せば、GDIはその1ドットで飾り罫線を作成する。低解像度のプリンタであればそれでもいいが、「2400 dpi」の1ドットはCTPでは出力できても、印刷すると消失してしまう。ブランケットから印刷用紙に転写することはできないし、もしできたとしても、視認できないほど小さな点になってしまう。こういう場合は、解像度を下げて作り直すしかない。
さらにやっかいなのは、Windows 98と2000以降は罫線の画像化の仕組みが同じではない。墨の飾り罫線を作成すると、Windows 98では「デバイスRGB」で作成されるが、Windows 2000やXPでは「インデックス付きデバイスRGB」という正体不明のカラースペースになってしまう。
Windows 2000やXPでDistillerでPDFにすると、飾り罫線部分を[出力プレビュー]のオブジェクトインスペクタでクリックすると、「インデックス付きデバイスRGB」と表示されてしまう。
したがって、飾り罫線をプリフライトで調べるためには
ダウンサンプルの有無
Windows 98と2000以降
ダウンサンプルされておらず「1200 dpi」以上
を別々にリストしなければならないというのが、飾り罫線を調べていく上で達した結論であった。「Windows 98と2000以降」は必ずしも分けなくてもかまわないが、WordからのPDFではWindowsのバージョンはわからないので、別々にリストすることにした。
飾り罫線をピックアップする方法は、画像の属性にある。最初は書き出される画像サイズに共通性があったので、これで「決まり」と思ったが、残念なことにプリフライトには画像の実寸法を調べるプロパティはなかった。なぜ含まれていないかはわからないが、それ以外のプロパティを使うしかない。
上はWindows 98で作成した罫線で、下はXPで作成した飾り罫線の属性。同じ解像度なのに「幅/高さ」が異なっていることがわかる。こういう違っている部分を手かがりにして、プリフライトのカスタムチェックを作成するしかない。「幅/高さ」は違っても「サイズ」は同じ数値になっている。
最終的に五つのカスタムチェックを作成して、Distillerで作成した飾り罫線を調べることができた。飾り罫線はを使うときは「いきなりPDF2」以降を使うと、まずトラブルにならない。が、それを客先に求めるのは無理だろう。
ラベル:Acrobat 9 Pro
2008年08月29日
Windows XPの太字をプリフライトで調べる
Windows XP環境のWordからPDFを作成するとき、太字を指定してPDFを作成すると、文字が潰れることがある。Windows XPではプリンタドライバの解像度によって、文字の太り方が異なってしまう。2000や97ではそうはならない。Vistaは試したことがないのでわからない。Wordのバージョンではなく、OS側のGDIの仕様のようだ。
プリンタドライバの解像度と太字にするフォントによっては、文字が潰れてしまうことがある。普通、ボールド書体を太字にすることはないが、線幅の太い文字は太字にしない方がよい。
太字になるのはDistillerを利用してPDFを作成したときで、いきなりPDFで作成すると太くなることはない。
Wordの太字はAcrobatのプリフライトで簡単に調べることができる。テキストカテゴリーにある
テキストは塗りつぶしで線付き
というプロパティを割り当てると、プリフライトでリストすることができる。
そうなると、XPとそれ以外のOSで作成した場合をプリフライトで切り分けることができるかどうかが気になるところだ。太字が潰れてしまうのはXPだけだからである。詳しくは『落とし穴に転落せずにWordから印刷用PDFを作成する方法』をご覧いただきたい。
Illustratorの場合は、Illustratorのバージョンはたいてい文書のプロパティを開くと知ることができる。PDFで保存してもDistillerで作成しても、そこには手かがりがある。PDF保存の場合は、PDF変換のライブラリのバージョンをみればよい。
しかしWindowsの場合は、[文書のプロパティ]にある[概要]に記載されているのは、DistillerのバージョンとPDF Makerのバージョンのみなのである。利用しているAcrobatが同じであれば、DistillerとPDF Makerは同じバージョンをなので、WordのバージョンやWindowsのOSの種類を知ることはできない。
[アプリケーション]にも[PDFのバージョン]にもOSの種類を示す手がかりはない。
となると、太字データのプロパティを調べるしかない。たとえば2000とXPで同じドキュメントからPDFを作成して、太字部分のプロパティが異なっているかどうかを調べるのである。PDF内のテキストをヒットさせて、プロパティを開いていけばよい。
Wordに太字を指定してPDF化すると、フォントは二重構造になる。プリフライトすると、1つのフォントで塗りつぶし部分と太らせた線部分が別々のフォントとしてリストされるのだ。
リストされたとき、XPのフォントの[グラフィックのプロパティ]を開くと、
角の比率
が「1.0」になっている。2000ではここが「10.0」なのである。XPでは「角の比率」の数値が低いことで、太字のコーナーが欠けることがある。Illustratorではデフォルトで「4.0」が指定される。
同じポイント数のフォントが2つリストされている。1つは「グラフィックのプロパティ」に線のみが表示され、みう1つの「グラフィックのプロパティ」には塗りのみがリストされる(上記のショットでは開いていないので確認できない)。
もし「角の比率」がプリフライトで調べることができれば、XPの太字のみをプリフライトでリスト可能になる。「角の比率」を調べるカスタムチェックがあるのである。「線のグラフィック状態プロパティ」にある「角の比率」プロパティである。
残念ながら「角の形状」はヒットしなかった。「テキストは塗りつぶしで線付き」のみだとヒットする。
太字のテキストと角の比率のプロパティを組み合わせると、Windows XPの太字はプリフライトでリストできるだろうか。残念ながら、「線のグラフィック状態プロパティ」にある「角の比率」プロパティでは、太字の線部分を調べないのである。
というわけで、他に方法がないものか、現在思案中である。
プリンタドライバの解像度と太字にするフォントによっては、文字が潰れてしまうことがある。普通、ボールド書体を太字にすることはないが、線幅の太い文字は太字にしない方がよい。
太字になるのはDistillerを利用してPDFを作成したときで、いきなりPDFで作成すると太くなることはない。
Wordの太字はAcrobatのプリフライトで簡単に調べることができる。テキストカテゴリーにある
テキストは塗りつぶしで線付き
というプロパティを割り当てると、プリフライトでリストすることができる。
そうなると、XPとそれ以外のOSで作成した場合をプリフライトで切り分けることができるかどうかが気になるところだ。太字が潰れてしまうのはXPだけだからである。詳しくは『落とし穴に転落せずにWordから印刷用PDFを作成する方法』をご覧いただきたい。
Illustratorの場合は、Illustratorのバージョンはたいてい文書のプロパティを開くと知ることができる。PDFで保存してもDistillerで作成しても、そこには手かがりがある。PDF保存の場合は、PDF変換のライブラリのバージョンをみればよい。
しかしWindowsの場合は、[文書のプロパティ]にある[概要]に記載されているのは、DistillerのバージョンとPDF Makerのバージョンのみなのである。利用しているAcrobatが同じであれば、DistillerとPDF Makerは同じバージョンをなので、WordのバージョンやWindowsのOSの種類を知ることはできない。
[アプリケーション]にも[PDFのバージョン]にもOSの種類を示す手がかりはない。
となると、太字データのプロパティを調べるしかない。たとえば2000とXPで同じドキュメントからPDFを作成して、太字部分のプロパティが異なっているかどうかを調べるのである。PDF内のテキストをヒットさせて、プロパティを開いていけばよい。
Wordに太字を指定してPDF化すると、フォントは二重構造になる。プリフライトすると、1つのフォントで塗りつぶし部分と太らせた線部分が別々のフォントとしてリストされるのだ。
リストされたとき、XPのフォントの[グラフィックのプロパティ]を開くと、
角の比率
が「1.0」になっている。2000ではここが「10.0」なのである。XPでは「角の比率」の数値が低いことで、太字のコーナーが欠けることがある。Illustratorではデフォルトで「4.0」が指定される。
同じポイント数のフォントが2つリストされている。1つは「グラフィックのプロパティ」に線のみが表示され、みう1つの「グラフィックのプロパティ」には塗りのみがリストされる(上記のショットでは開いていないので確認できない)。
もし「角の比率」がプリフライトで調べることができれば、XPの太字のみをプリフライトでリスト可能になる。「角の比率」を調べるカスタムチェックがあるのである。「線のグラフィック状態プロパティ」にある「角の比率」プロパティである。
残念ながら「角の形状」はヒットしなかった。「テキストは塗りつぶしで線付き」のみだとヒットする。
太字のテキストと角の比率のプロパティを組み合わせると、Windows XPの太字はプリフライトでリストできるだろうか。残念ながら、「線のグラフィック状態プロパティ」にある「角の比率」プロパティでは、太字の線部分を調べないのである。
というわけで、他に方法がないものか、現在思案中である。
2008年08月26日
かけ合わせの線のみを選択してフィックスアップで置き換える
Acrobat 9 Proになって、かけ合わせの線幅を選択して、置き換えることができるようになりました。これはフィックスアップにある「チェックで特定されたオブジェクトのみに適用」を利用することで可能になります。この機能を使うと、フィックスアップを適用するオブジェクトをきめ細かく選択できます。これで、Acrobat 9 Proは、PitStopに勝ったかもしれませんね。
Acrobat 7.0 Proから、印刷工程ツールが装備され、PDF内のヘアラインを一括選択して太い線幅に置き換える機能が追加されました。印刷で再現できないような線幅であっても、太い線幅に置き換えることができるのです。
ヘアラインの印刷時の問題は、指定した線が印刷されないことではありません。細い線がプリンタでは印刷されるのに、オフセット印刷で高解像度で出力すると、データは存在しても印刷結果に反映されないことにあります。プリンタとオフセット印刷の結果を一致させるためには、線幅を太く置き換えるしかありません。
プリンタで印刷されて、オフセット印刷で再現されない線はたいていが
1デバイスピクセル
で印刷される線です。プリンタの600 dpiの1ドットの線では再現できるのに、オフセット印刷用の2400 dpiの出力機でも1ドットなので視認できないのです。CTPでも、CTP版には出力されても、ブランケットから印刷用紙に転写されるときに失われてしまうことになります。
線が墨ベタの線の場合は、印刷工程ツールの[ヘアラインの修正]を使えば簡単に線幅を太くすることができます。しかし、問題はヘアラインがかけ合わせで指定されているときです。墨ベタの線は「0.3ポイント(約0.1 mm弱)」程度に太らせると、問題のない線幅になります。しかし、かけ合わせの線は網点で形成されています。できれば「1ポイント(約0.25 mm)」程度の線幅に置き換えたいものです。
もしPDF内に墨ベタのかけ合わせのヘアラインが混在しているとしましょう。その場合はどうすればいいのでしようか。墨ベタもかけ合わせも一緒くたにして「1ポイント」に変換すればいいのでしょうか。墨ベタの線は細いままに、かけ合わせの線のみを太い線にしたいものです。
Acrobatの印刷工程ツールの[ヘアラインの修正]では、墨ベタとかけ合わせの線を別々の線幅に置き換えることはできません。しかし、Acrobat 9 Proのフィックスアップを使えば、かけ合わせの線のみを太らせることが可能です。【ショット付きの続きはこちらから】
Acrobat 7.0 Proから、印刷工程ツールが装備され、PDF内のヘアラインを一括選択して太い線幅に置き換える機能が追加されました。印刷で再現できないような線幅であっても、太い線幅に置き換えることができるのです。
ヘアラインの印刷時の問題は、指定した線が印刷されないことではありません。細い線がプリンタでは印刷されるのに、オフセット印刷で高解像度で出力すると、データは存在しても印刷結果に反映されないことにあります。プリンタとオフセット印刷の結果を一致させるためには、線幅を太く置き換えるしかありません。
プリンタで印刷されて、オフセット印刷で再現されない線はたいていが
1デバイスピクセル
で印刷される線です。プリンタの600 dpiの1ドットの線では再現できるのに、オフセット印刷用の2400 dpiの出力機でも1ドットなので視認できないのです。CTPでも、CTP版には出力されても、ブランケットから印刷用紙に転写されるときに失われてしまうことになります。
線が墨ベタの線の場合は、印刷工程ツールの[ヘアラインの修正]を使えば簡単に線幅を太くすることができます。しかし、問題はヘアラインがかけ合わせで指定されているときです。墨ベタの線は「0.3ポイント(約0.1 mm弱)」程度に太らせると、問題のない線幅になります。しかし、かけ合わせの線は網点で形成されています。できれば「1ポイント(約0.25 mm)」程度の線幅に置き換えたいものです。
もしPDF内に墨ベタのかけ合わせのヘアラインが混在しているとしましょう。その場合はどうすればいいのでしようか。墨ベタもかけ合わせも一緒くたにして「1ポイント」に変換すればいいのでしょうか。墨ベタの線は細いままに、かけ合わせの線のみを太い線にしたいものです。
Acrobatの印刷工程ツールの[ヘアラインの修正]では、墨ベタとかけ合わせの線を別々の線幅に置き換えることはできません。しかし、Acrobat 9 Proのフィックスアップを使えば、かけ合わせの線のみを太らせることが可能です。【ショット付きの続きはこちらから】
関連リンク |
Acrobat 9 Proフィックスアップの秘密[フィックスアップの秘密その2] (要サクサク出力のコツブログのパスワード) acrobat-saku2.seesaa.net |
WordからのPDF出力ワークフロー講座 incunabula.co.jp |
ラベル:Acrobat 9 Pro
2008年08月22日
Acrobat 9 ProでPDF内のかけ合わせを特色に変換する
Acrobat 9 Proのフィックスアップ機能には、★五つあげてもいいような機能が追加されました。それは、任意のかけ合わせカラーを、特色に変換する機能です。指定したカラーを選択して特色に置き換えることができます。特色に変換できれば、どんなかけ合わせにでも変換できます。
とりわけ、Wordからのドキュメントでカラーパレットで指定したカラーを特色で印刷しなければならないことがある場合は、この機能を使って特色に変換すると便利です。
Acrobat 9 Proのフィックスアップに追加されたものに、PDF内のカラーを特色に変換する機能があります。指定したカラーを選択して変換すると、そのカラーが特色になるのです。CMYKだけでなくRGBも特色に変換できます。
PDF内に特色として含まれるデータは、Acrobatの[色を置換]で別の特色に置き換えることができます。特色から特色に変換してCMYKに分解すれば、特色を思い通りのCMYKに変換することが可能です。
しかし問題はPDF内のかけ合わせです。かけ合わせカラーを、別のかけ合わせに変換することはできません。たとえば
C=50,M=50,Y=0,K=0 → C=10,M=80,Y=100,K=0
に変換することはできないのです。Acrobat 8 Proまではできなかったのです。
Acrobat 9 Proではそれが可能になりました。任意のかけ合わせカラーを指定してフィックスアップすると、そのカラーが特色になるのです。特色に変換できれば、その特色を別のかけ合わせカラーに変換することは簡単です。
それでは、指定したカラーを特色に変換するには、どうすればいいのでしょうか。フィックスアップをどのように設定すれば可能になるのでしょうか。【ショット付きの続きはこちらから】
とりわけ、Wordからのドキュメントでカラーパレットで指定したカラーを特色で印刷しなければならないことがある場合は、この機能を使って特色に変換すると便利です。
Acrobat 9 Proのフィックスアップに追加されたものに、PDF内のカラーを特色に変換する機能があります。指定したカラーを選択して変換すると、そのカラーが特色になるのです。CMYKだけでなくRGBも特色に変換できます。
PDF内に特色として含まれるデータは、Acrobatの[色を置換]で別の特色に置き換えることができます。特色から特色に変換してCMYKに分解すれば、特色を思い通りのCMYKに変換することが可能です。
しかし問題はPDF内のかけ合わせです。かけ合わせカラーを、別のかけ合わせに変換することはできません。たとえば
C=50,M=50,Y=0,K=0 → C=10,M=80,Y=100,K=0
に変換することはできないのです。Acrobat 8 Proまではできなかったのです。
Acrobat 9 Proではそれが可能になりました。任意のかけ合わせカラーを指定してフィックスアップすると、そのカラーが特色になるのです。特色に変換できれば、その特色を別のかけ合わせカラーに変換することは簡単です。
それでは、指定したカラーを特色に変換するには、どうすればいいのでしょうか。フィックスアップをどのように設定すれば可能になるのでしょうか。【ショット付きの続きはこちらから】
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Acrobat 9 Proフィックスアップの秘密[フィックスアップの秘密その1] (要サクサク出力のコツブログのパスワード) acrobat-saku2.seesaa.net |
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ラベル:Acrobat 9 Pro
2008年05月27日
Acrobat 8 Proでする透明テキスト分割の精度とは
DTP-Sの「あなたが知らないAcrobatでするPDF出力のツボ」に記事を追加しました。テキストを透明分割したとき、Illustratorのバージョンによって分割結果が変わってしまいます。
たとえば、Illustrator 9.0では、グラデーションと乗算とオーバープリントテキストを重ねて、透明を分割・統合すると、3つのオブジェクトが合成された画像に対して、アウトライン化されたテキストでテキスト部分をマスク処理します。
そのあたりの仕組みを調べたものが「Acrobat 8 Proでする透明テキスト分割の精度とは」です。テキストの処理とAPPEの関係を取り上げます。
テキストをアウトライン化せずに透明を分割統合するAPPE
Acrobat 8 Proからは、透明の分割・統合処理でAPPE(Adobe PDF Print Engine)が使われています。APPEは透明効果の処理方法については、現在のところもっとも完成されたものと考えていいでしょう。
PDFの出力は、PostScript 3からネイティブ出力になったといわれていました。PostScript 3はPDFをそのままイメージに変換して出力できるはずでした。しかし、実際には違いました。PostScript 3はPDFをそのまま受け取って出力することができましたが、内部でPDFをPostScriptに変換して出力していたのです。PDFをホットフォルダに放り込んで出力可能なのが、PostScript 3だったのです。
そして、完全にPDFネイティブで出力できるRIPが登場しました。それがAPPEです。APPEは、インプットされたPDFをPostScriptファイルに変換せずに出力することが可能です。
APPEのもっとも大きな特徴は、透明を処理するとき、テキストをアウトライン化しないまま分割・統合することができることです。テキストをアウトライン化すると、フォントのヒント情報が失われ、字形が太くなります。
通常、2400 dpi程度の高解像度であれば、ヒント情報が失われたり、文字が太ってもごくわずかなので実質的には問題ありません。すべてのテキストをアウトライン化していれば、同じように見えるからです。
ただし、透明部分のテキストのみがアウトライン化されてしまう場合は、どうでしょう。透明の影響を受けないテキストはアウトライン化されずに、透明の影響を受ける部分についてはアウトライン化されてしまうことになります。
■続きはこちらから
AcrobatでするPDF出力のツボ4
Acrobat 8 Proでする透明テキスト分割の精度とは
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/AcrobatDTP/PDF_tubo/
たとえば、Illustrator 9.0では、グラデーションと乗算とオーバープリントテキストを重ねて、透明を分割・統合すると、3つのオブジェクトが合成された画像に対して、アウトライン化されたテキストでテキスト部分をマスク処理します。
そのあたりの仕組みを調べたものが「Acrobat 8 Proでする透明テキスト分割の精度とは」です。テキストの処理とAPPEの関係を取り上げます。
テキストをアウトライン化せずに透明を分割統合するAPPE
Acrobat 8 Proからは、透明の分割・統合処理でAPPE(Adobe PDF Print Engine)が使われています。APPEは透明効果の処理方法については、現在のところもっとも完成されたものと考えていいでしょう。
PDFの出力は、PostScript 3からネイティブ出力になったといわれていました。PostScript 3はPDFをそのままイメージに変換して出力できるはずでした。しかし、実際には違いました。PostScript 3はPDFをそのまま受け取って出力することができましたが、内部でPDFをPostScriptに変換して出力していたのです。PDFをホットフォルダに放り込んで出力可能なのが、PostScript 3だったのです。
そして、完全にPDFネイティブで出力できるRIPが登場しました。それがAPPEです。APPEは、インプットされたPDFをPostScriptファイルに変換せずに出力することが可能です。
APPEのもっとも大きな特徴は、透明を処理するとき、テキストをアウトライン化しないまま分割・統合することができることです。テキストをアウトライン化すると、フォントのヒント情報が失われ、字形が太くなります。
通常、2400 dpi程度の高解像度であれば、ヒント情報が失われたり、文字が太ってもごくわずかなので実質的には問題ありません。すべてのテキストをアウトライン化していれば、同じように見えるからです。
ただし、透明部分のテキストのみがアウトライン化されてしまう場合は、どうでしょう。透明の影響を受けないテキストはアウトライン化されずに、透明の影響を受ける部分についてはアウトライン化されてしまうことになります。
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AcrobatでするPDF出力のツボ4
Acrobat 8 Proでする透明テキスト分割の精度とは
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/AcrobatDTP/PDF_tubo/
2008年05月16日
TouchUpでテキストを削除する『Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ』
TouchUpテキストツールでは、PDF内のテキストを編集したり削除することができる。PDF上でTouchUpテキストツールを利用して、フォントを差し替えたり、テキストの属性を変更することは可能だが、できればしない方がよい。
特にフォントを差し替える場合は注意したい。問題になるのは、まず、かながツメ文字になっている場合である。かなはフォントによってふところの大きさが違う。そのため、ツメ幅もフォント毎に異なるからである。ふところの小さいフォントから大きいフォントに変更すると、文字送りはそのままでグリフだけを変更するので、文字が詰まりすぎてしまう。場合によっては、くっついてしまうこともある。
もう1つ注意したい問題は、シフトJISで使われていない字形を変更する場合である。同じOpenTypeフォントで、Adobe Japanのバージョンが同じでも、同じ字形に変換できないことがあるからだ。
もしTouchUpテキストツールで文字を編集するのであれば、テキスト全体を変更するのではなく、フォントを変更せず、修正する部分のテキストのみを変更するほうが安全だろう。
続きは次をご覧下さい
特にフォントを差し替える場合は注意したい。問題になるのは、まず、かながツメ文字になっている場合である。かなはフォントによってふところの大きさが違う。そのため、ツメ幅もフォント毎に異なるからである。ふところの小さいフォントから大きいフォントに変更すると、文字送りはそのままでグリフだけを変更するので、文字が詰まりすぎてしまう。場合によっては、くっついてしまうこともある。
もう1つ注意したい問題は、シフトJISで使われていない字形を変更する場合である。同じOpenTypeフォントで、Adobe Japanのバージョンが同じでも、同じ字形に変換できないことがあるからだ。
もしTouchUpテキストツールで文字を編集するのであれば、テキスト全体を変更するのではなく、フォントを変更せず、修正する部分のテキストのみを変更するほうが安全だろう。
続きは次をご覧下さい
ラベル:Acrobat 8 Pro TouchUp
2008年04月21日
白オブジェクトのオーバープリント『Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ』
白のオーバープリントは、まあいえばIllustratorだけの問題である。Illustratorでは属性パレットでオーバープリントを指定する。白にオーバープリントすると、簡単に言うと「透明」になる。Illustratorでは白いオブジェクトにオーバープリントを指定できるが、InDesignではオーバープリントできないようになっている。
Illustratorで白いオブジェクトにオーバープリントすると、アラートが現れる。Illustrator 9.0以降では次のようなアラートウィンドウが表示される。
この選択範囲にはプロセスホワイトオブジェクトが含まれています。
このようなオブジェクトのオーバープリントは、
透明効果と組み合わせる場合のみ便利です。
という文言のアラートである。「透明効果と組み合わせる場合のみ便利」と書かれているが、正直いって意味不明である。白のオブジェクトをオーバープリントするのは、描画モードで「乗算」するのと同じなので、そういう意味ではないかと思うが、実はよくわからない。
白にオーバープリントを指定して、プリントするとどうなるのかというと、デフォルトでは、オーバープリントは反映されない。プリンタダイアログで[コンポジットプリントでのオーバープリントを無視]がチェックされているからである。
Illustrator CS以降、プリントダイアログが大きく変わった。複数のパネルでプリント設定を指定するようになって[コンポジットプリントでのオーバープリントを無視]というチェックはなくなった。それでは、どこでオーバープリントのプリント指示を行うのかというと、[詳細設定]にある[オーバープリントおよび透明の分割・統合オプション]で行なう。[オーバープリントおよび透明の分割・統合オプション]には
保持
破棄
シミュレート
の3つのオプションがある。デフォルトでは「保持」になっていて、「保持」もしくは「破棄」では、プリントアウトにオーバープリントは反映されない。「シミュレート」を指定したときにのみ、プリント出力でオーバープリントは反映されるのだ。
Illustrator 10のプリントウィンドウ
Illustrator CS3のプリントウィンドウの詳細設定パネル
PDF保存すると、オーバープリントはどうなるのだろうか。Illustratorの内部的にはオーバープリントは基本的に透明と同じ扱いになる。つまり、「Acrobat 5.0互換」で保存すると、そのままオーバープリントになる。もし「Acrobat 4.0互換」で保存すると、Illustrator CS以降は、オーバープリントを破棄して保存できるのだ。
Illustrator 9.0とIllustrator 10では、PDF保存時にオーバープリントの書き出しを設定することができないのだが、Illustrator CS以降は、オーバープリントを指定可能なのである。PDF保存時の詳細設定パネルの
オーバープリントおよび透明の分割・統合オプション
で「破棄」を選択して書き出せば、オーバープリント指定はすべて廃棄される。もちろんその場合、白オブジェクトのオーバープリントだけでなく、すべてのオーバープリントが削除される。しかし、特別な場合を除いて、Illustratorではオーバープリント指示をすることはない。墨ベタのオーバープリントであれば、Acrobat 8 Proのフィックスアップや、RIPの機能で行えばよい。したがって、通常は[オーバープリントおよび透明の分割・統合オプション]は「破棄」を選択しておく方が間違いなさそうである。
Illustrator CS3のPDF保存の詳細設定パネル
オーバープリントを保持したままPDFを書き出し、Acrobatで開くと、アドバンストメニューの[印刷工程]にある[オーバープリントプレビュー]のオンオフで、オーバープリントがモニタに表示されるかが決まる。
したがって、[オーバープリントプレビュー]がオンになっていると、Illustratorでのモニタ表示とAcrobatでのPDF表示が同じものにならない。Illustratorでは背面にオブジェクトがあっても白のオブジェクトのオーバープリントは、オーバープリントを反映せずに表示してしまうが、Acrobatでは[オーバープリントプレビュー]がオンでは、オーバープリントを反映して、白オブジェクトのオーバープリントは表示されずに透明になってしまうからである。
Acrobatのプリフライトでは、白オブジェクトのオーバープリントを調べて、フィックスアップでオーバープリントを解除することが可能だ。これはきわめて簡単に設定できる。ただし、適用した場合は、モニタもしくはプリンタでの再チェックをしたほうがいいだろう。
しかしとはいえ、InDesignでは指定できないにも関わらず、Illustratorでは白オブジェクトに対するオーバープリントの指定は、CS3になっても可能になっている。ということは、白いオブジェクトにオーバープリント指定することで可能になるレイアウトがあるのかも知れない。
できれば、PDF保存時に、白オブジェクトにオーバープリントがある場合は、アラート表示して欲しいものである。一応、PDF保存時に[互換性のある形式]で「Acrobat 4(PDF 1.3)」を選択していると、
透明部分が含まれる範囲のオーバープリントは保持されません
Illustrator CS3のPDF保存の設定内容パネル
という警告が表示される。不要なオーバープリントをチェックするには、PDF保存時に[互換性のある形式]で「Acrobat 4(PDF 1.3)」にしてみて確認するという方法もあるだろう。
Illustratorで白いオブジェクトにオーバープリントすると、アラートが現れる。Illustrator 9.0以降では次のようなアラートウィンドウが表示される。
この選択範囲にはプロセスホワイトオブジェクトが含まれています。
このようなオブジェクトのオーバープリントは、
透明効果と組み合わせる場合のみ便利です。
という文言のアラートである。「透明効果と組み合わせる場合のみ便利」と書かれているが、正直いって意味不明である。白のオブジェクトをオーバープリントするのは、描画モードで「乗算」するのと同じなので、そういう意味ではないかと思うが、実はよくわからない。
白にオーバープリントを指定して、プリントするとどうなるのかというと、デフォルトでは、オーバープリントは反映されない。プリンタダイアログで[コンポジットプリントでのオーバープリントを無視]がチェックされているからである。
Illustrator CS以降、プリントダイアログが大きく変わった。複数のパネルでプリント設定を指定するようになって[コンポジットプリントでのオーバープリントを無視]というチェックはなくなった。それでは、どこでオーバープリントのプリント指示を行うのかというと、[詳細設定]にある[オーバープリントおよび透明の分割・統合オプション]で行なう。[オーバープリントおよび透明の分割・統合オプション]には
保持
破棄
シミュレート
の3つのオプションがある。デフォルトでは「保持」になっていて、「保持」もしくは「破棄」では、プリントアウトにオーバープリントは反映されない。「シミュレート」を指定したときにのみ、プリント出力でオーバープリントは反映されるのだ。
Illustrator 10のプリントウィンドウ
Illustrator CS3のプリントウィンドウの詳細設定パネル
PDF保存すると、オーバープリントはどうなるのだろうか。Illustratorの内部的にはオーバープリントは基本的に透明と同じ扱いになる。つまり、「Acrobat 5.0互換」で保存すると、そのままオーバープリントになる。もし「Acrobat 4.0互換」で保存すると、Illustrator CS以降は、オーバープリントを破棄して保存できるのだ。
Illustrator 9.0とIllustrator 10では、PDF保存時にオーバープリントの書き出しを設定することができないのだが、Illustrator CS以降は、オーバープリントを指定可能なのである。PDF保存時の詳細設定パネルの
オーバープリントおよび透明の分割・統合オプション
で「破棄」を選択して書き出せば、オーバープリント指定はすべて廃棄される。もちろんその場合、白オブジェクトのオーバープリントだけでなく、すべてのオーバープリントが削除される。しかし、特別な場合を除いて、Illustratorではオーバープリント指示をすることはない。墨ベタのオーバープリントであれば、Acrobat 8 Proのフィックスアップや、RIPの機能で行えばよい。したがって、通常は[オーバープリントおよび透明の分割・統合オプション]は「破棄」を選択しておく方が間違いなさそうである。
Illustrator CS3のPDF保存の詳細設定パネル
オーバープリントを保持したままPDFを書き出し、Acrobatで開くと、アドバンストメニューの[印刷工程]にある[オーバープリントプレビュー]のオンオフで、オーバープリントがモニタに表示されるかが決まる。
したがって、[オーバープリントプレビュー]がオンになっていると、Illustratorでのモニタ表示とAcrobatでのPDF表示が同じものにならない。Illustratorでは背面にオブジェクトがあっても白のオブジェクトのオーバープリントは、オーバープリントを反映せずに表示してしまうが、Acrobatでは[オーバープリントプレビュー]がオンでは、オーバープリントを反映して、白オブジェクトのオーバープリントは表示されずに透明になってしまうからである。
Acrobatのプリフライトでは、白オブジェクトのオーバープリントを調べて、フィックスアップでオーバープリントを解除することが可能だ。これはきわめて簡単に設定できる。ただし、適用した場合は、モニタもしくはプリンタでの再チェックをしたほうがいいだろう。
しかしとはいえ、InDesignでは指定できないにも関わらず、Illustratorでは白オブジェクトに対するオーバープリントの指定は、CS3になっても可能になっている。ということは、白いオブジェクトにオーバープリント指定することで可能になるレイアウトがあるのかも知れない。
できれば、PDF保存時に、白オブジェクトにオーバープリントがある場合は、アラート表示して欲しいものである。一応、PDF保存時に[互換性のある形式]で「Acrobat 4(PDF 1.3)」を選択していると、
透明部分が含まれる範囲のオーバープリントは保持されません
Illustrator CS3のPDF保存の設定内容パネル
という警告が表示される。不要なオーバープリントをチェックするには、PDF保存時に[互換性のある形式]で「Acrobat 4(PDF 1.3)」にしてみて確認するという方法もあるだろう。
ラベル:Acrobat 8 Pro
2008年04月14日
フィックスアップでカラーを変換『Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ』
『Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ』のフィックスアップでカラー変換の仕組みを調べる。フィックスアップの[色を置換]は、印刷工程ツールと異なって、とても強力だ。印刷工程ツールでは文書内のカラーの違いしか選択できなかったが、フィックスアップでは、オブジェクト違いも選択できるのである。
フィックスアップでは、デバイスカラーとキャリブレーションカラー、そしてLabカラー、特色を別々に指定できる。デバイスとキャリブレーションは、RGB、CMYK、グレーも選択することができる。オブジェクトは
非可逆圧縮した画像
非可逆圧縮していない画像
ラインアート
テキスト
スムーズシェード
を使い分けることができるのである。まあ、カラー変換するといっても、デバイスCMYKやデバイスグレーではないカラーを、印刷用のCMYKに変換するのが目的なので、この機能を使いこなす機会はあまりないかもしれない。しかし、面白い使い方ができるかも知れない。
変換設定パネルでは、設定を追加して複数の変換を同時にできるようになっている。この場合は、普通に考えると、最初に設定したものを先に行うことになると考えられるが、本当にそうなのだろうか。
それでは実際に試してみよう。まずIllustratorで、RGBで「R255」のオブジェクトを2つ作成した。さらに、それをCMYKに変換したものを2つ作成した。RGBとCMYK(「Adobe RGB」から「Japan Color 2001 Coated」に変換したもの)のオブジェクトの片方に「sRGB IEC61966-2.1」と「Japan Color 2002 Newspaper」のプロファイルを埋め込んだPDFを用意したのである。PDF内にデバイスRGBとデバイスCMYK、キャリブレーションRGBとキャリブレーションCMYK両方のオブジェクトがあるわけだ。
変換設定を2つ作成する。いずれも[カラー]で「すべてのカラー(特色を除く)」を選択する。そして[変換]で
最初に、変換先に変換
次に、キャリブレーションを解除
するとどうなるだろうか。先に変換先に変換するので、キャリブレーションRGBは、想定RGBではなくキャリブレーションRGBかに変換先に変換される。埋め込まれたRGBと想定プロファイルのRGBが異なっていると、同じカラーでも変換したCMYK値は異なってしまうのだ。つまり、後に設定した「キャリブレーションを解除」は無視されている。
同じように、CMYKにもICCプロファイルを埋め込むと、想定CMYKと埋め込みCMYKプロファイルが異なっていると結果が変わってくる。デバイスカラー値は変換されないが、ICC埋め込みオブジェクトはカラーマネージメントされて、CMYK値が変換されるのだ。
「変換先に変換」して「キャリブレーションを解除」
↓
↓
さて、問題は変換設定の順序が逆の場合だ。
最初に、キャリブレーションを解除
次に、変換先に変換
したときである。もし最初の変換を行った後、その次の変換を適用するとしたら、PDF内に埋め込まれたICCプロファイルを先に解除し、その後、キャリブレーションを解除してデバイスカラーに変換した後、想定プロファイルで割り当てて変換先に変換するのだろうか。
残念ながら、この設定ではRGBはキャリブレーションの解除しかされない。キャリブレーションRGBは、デバイスRGBになり、RGBのままなのである。「変換先に変換」の設定は無視されるのだ。ということは、変換設定では複数の色を置換設定が作成できるのに、最初の1つめしか有効にならないのだろうか。おそらくそんなことはないだろう。複数の設定が可能なのは、複数の設定を行っても、それぞれでカラーの変換は可能なのである。なぜなら、デバイスRGBはCMYKにカラー変換されているからである。
キャリブレーションRGBは変換されない
↓
どうやら、このあたりに変換設定の仕組みの秘密が隠されているようである。その秘密を把握できれば、[色を置換]フィックスアップの[変換設定]を使いこなすことができるに違いない。[色を置換]フィックスアップは、なかなか置くが深いのであった。
フィックスアップでは、デバイスカラーとキャリブレーションカラー、そしてLabカラー、特色を別々に指定できる。デバイスとキャリブレーションは、RGB、CMYK、グレーも選択することができる。オブジェクトは
非可逆圧縮した画像
非可逆圧縮していない画像
ラインアート
テキスト
スムーズシェード
を使い分けることができるのである。まあ、カラー変換するといっても、デバイスCMYKやデバイスグレーではないカラーを、印刷用のCMYKに変換するのが目的なので、この機能を使いこなす機会はあまりないかもしれない。しかし、面白い使い方ができるかも知れない。
変換設定パネルでは、設定を追加して複数の変換を同時にできるようになっている。この場合は、普通に考えると、最初に設定したものを先に行うことになると考えられるが、本当にそうなのだろうか。
それでは実際に試してみよう。まずIllustratorで、RGBで「R255」のオブジェクトを2つ作成した。さらに、それをCMYKに変換したものを2つ作成した。RGBとCMYK(「Adobe RGB」から「Japan Color 2001 Coated」に変換したもの)のオブジェクトの片方に「sRGB IEC61966-2.1」と「Japan Color 2002 Newspaper」のプロファイルを埋め込んだPDFを用意したのである。PDF内にデバイスRGBとデバイスCMYK、キャリブレーションRGBとキャリブレーションCMYK両方のオブジェクトがあるわけだ。
変換設定を2つ作成する。いずれも[カラー]で「すべてのカラー(特色を除く)」を選択する。そして[変換]で
最初に、変換先に変換
次に、キャリブレーションを解除
するとどうなるだろうか。先に変換先に変換するので、キャリブレーションRGBは、想定RGBではなくキャリブレーションRGBかに変換先に変換される。埋め込まれたRGBと想定プロファイルのRGBが異なっていると、同じカラーでも変換したCMYK値は異なってしまうのだ。つまり、後に設定した「キャリブレーションを解除」は無視されている。
同じように、CMYKにもICCプロファイルを埋め込むと、想定CMYKと埋め込みCMYKプロファイルが異なっていると結果が変わってくる。デバイスカラー値は変換されないが、ICC埋め込みオブジェクトはカラーマネージメントされて、CMYK値が変換されるのだ。
「変換先に変換」して「キャリブレーションを解除」
↓
↓
さて、問題は変換設定の順序が逆の場合だ。
最初に、キャリブレーションを解除
次に、変換先に変換
したときである。もし最初の変換を行った後、その次の変換を適用するとしたら、PDF内に埋め込まれたICCプロファイルを先に解除し、その後、キャリブレーションを解除してデバイスカラーに変換した後、想定プロファイルで割り当てて変換先に変換するのだろうか。
残念ながら、この設定ではRGBはキャリブレーションの解除しかされない。キャリブレーションRGBは、デバイスRGBになり、RGBのままなのである。「変換先に変換」の設定は無視されるのだ。ということは、変換設定では複数の色を置換設定が作成できるのに、最初の1つめしか有効にならないのだろうか。おそらくそんなことはないだろう。複数の設定が可能なのは、複数の設定を行っても、それぞれでカラーの変換は可能なのである。なぜなら、デバイスRGBはCMYKにカラー変換されているからである。
キャリブレーションRGBは変換されない
↓
どうやら、このあたりに変換設定の仕組みの秘密が隠されているようである。その秘密を把握できれば、[色を置換]フィックスアップの[変換設定]を使いこなすことができるに違いない。[色を置換]フィックスアップは、なかなか置くが深いのであった。
2008年04月10日
フィックスアップで出力インテント『Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ』
『Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ』がだいぶ佳境になってきた。もうあと少し、あと少しと思いつつもなかなか進まない。前回と同じ構成にしてもよかったが、同じようなトピックタイトルを大塚商会さんのぱびっとの方に書いてしまったので、少し構成を変えることにした。
当初、Acrobat 8 Pro本の章の構成は
第一章 印刷工程ツールでPDFを編集・加工する
第二章 TouchUpでPDFを編集する
第三章 PostScript変換して再Distillerする
を予定していた。ただし、プリフライト、特にフィックスアップの解説をどうしようかと思っていて、思案にくれていたのである。フィックスアップだけでも、一冊になるくらい奥が深いからである。できれば、フィックスアップは別にしたい。
しかし、印刷工程ツールと同等の機能や、印刷工程ツールではできない機能もあるので、できれば紹介したいと思い、
第四章 フィックスアップで編集する
を追加することにした。フィックスアップの全てを取り上げることはできないが、重要で便利な機能はトピックに含めたい。今日は、「第四章 フィックスアップで編集する」を書き始めていたが、これがなかなか難物なのである。とくにフィックスアップの[色を置換]の解説がけっこう悩みどころなのである。
今回の書籍は、Acrobat 8 Proの機能を解説するのではなく、トピックで解決したい問題をテーマにしてあるのである。だから、[色を置換]を解説するのではなく、[色を置換]についての説明は印刷工程ツールでも
印刷工程ツール1:[色を置換]でキャリブレーション解除する
印刷工程ツール2:[色を置換]でRGBをCMYKに変換する
印刷工程ツール3:[色を置換]でカラーをグレースケールに変換する
印刷工程ツール4:[色を置換]で特色を別の特色にしてCMYKに変換する
といった具合に、具体的なテーマごとに分けて書いてあるのだ。だから、フィックスアップも同じような構成にしたいのだが、[色を置換]フィックスアップの基本的な使い方をどのように説明しようかと思っていると、時間ばかりが過ぎてしまうのである。そんなわけで、あまり前に進まない。
今日は[色を置換]フィックスアップを調べていた。[変換先]に「PDF/Xの出力インテントとして埋め込む」という設定があったので、少し疑問になった。というのは、プリフライト編集[PDF/XまたはPDF/Aに変換]パネルでも、PDF/Xに変換する際に出力インテントプロファイルを指定できるのである。
もし、「PDF/Xの出力インテントとして埋め込む」と[PDF/XまたはPDF/Aに変換]で異なるプロファイルが指定されていたらどうなるのであろうか。どうなるかは、そういうプリフライトプロファイルを作成してやってみるしかない。
で、どうなったのか? その答えは、「本を御覧下さい」ではなかった。そんなにもったい付けることではない。
「PDF/Xの出力インテントとして埋め込む」に「Japan Color 2001 Coated」
[PDF/XまたはPDF/Aに変換]に「Japan Color 2002 Newspaper」
を割り当てると、フィックスアップしたあとのPDFに追加された出力インテントは、「Japan Color 2002 Newspaper」だった。どうやら、[PDF/XまたはPDF/Aに変換]が優先するようですな。
ちなみに、現在のところ第三章までほぼできあがった。三章までで百五十ページ程度になった。予定では、昨年大塚商会さんしたAcrobat 8 ProセミナーのDVDをオマケしようと思っている。
当初、Acrobat 8 Pro本の章の構成は
第一章 印刷工程ツールでPDFを編集・加工する
第二章 TouchUpでPDFを編集する
第三章 PostScript変換して再Distillerする
を予定していた。ただし、プリフライト、特にフィックスアップの解説をどうしようかと思っていて、思案にくれていたのである。フィックスアップだけでも、一冊になるくらい奥が深いからである。できれば、フィックスアップは別にしたい。
しかし、印刷工程ツールと同等の機能や、印刷工程ツールではできない機能もあるので、できれば紹介したいと思い、
第四章 フィックスアップで編集する
を追加することにした。フィックスアップの全てを取り上げることはできないが、重要で便利な機能はトピックに含めたい。今日は、「第四章 フィックスアップで編集する」を書き始めていたが、これがなかなか難物なのである。とくにフィックスアップの[色を置換]の解説がけっこう悩みどころなのである。
今回の書籍は、Acrobat 8 Proの機能を解説するのではなく、トピックで解決したい問題をテーマにしてあるのである。だから、[色を置換]を解説するのではなく、[色を置換]についての説明は印刷工程ツールでも
印刷工程ツール1:[色を置換]でキャリブレーション解除する
印刷工程ツール2:[色を置換]でRGBをCMYKに変換する
印刷工程ツール3:[色を置換]でカラーをグレースケールに変換する
印刷工程ツール4:[色を置換]で特色を別の特色にしてCMYKに変換する
といった具合に、具体的なテーマごとに分けて書いてあるのだ。だから、フィックスアップも同じような構成にしたいのだが、[色を置換]フィックスアップの基本的な使い方をどのように説明しようかと思っていると、時間ばかりが過ぎてしまうのである。そんなわけで、あまり前に進まない。
今日は[色を置換]フィックスアップを調べていた。[変換先]に「PDF/Xの出力インテントとして埋め込む」という設定があったので、少し疑問になった。というのは、プリフライト編集[PDF/XまたはPDF/Aに変換]パネルでも、PDF/Xに変換する際に出力インテントプロファイルを指定できるのである。
もし、「PDF/Xの出力インテントとして埋め込む」と[PDF/XまたはPDF/Aに変換]で異なるプロファイルが指定されていたらどうなるのであろうか。どうなるかは、そういうプリフライトプロファイルを作成してやってみるしかない。
で、どうなったのか? その答えは、「本を御覧下さい」ではなかった。そんなにもったい付けることではない。
「PDF/Xの出力インテントとして埋め込む」に「Japan Color 2001 Coated」
[PDF/XまたはPDF/Aに変換]に「Japan Color 2002 Newspaper」
を割り当てると、フィックスアップしたあとのPDFに追加された出力インテントは、「Japan Color 2002 Newspaper」だった。どうやら、[PDF/XまたはPDF/Aに変換]が優先するようですな。
ちなみに、現在のところ第三章までほぼできあがった。三章までで百五十ページ程度になった。予定では、昨年大塚商会さんしたAcrobat 8 ProセミナーのDVDをオマケしようと思っている。
ラベル:Acrobat 8 Pro
2007年12月21日
透明分割の最適値はなぜベクトル100なのか
透明分割の「高解像度」は印刷用
ドキュメント内の透明を分割するときに設定するもので、基本的な設定が3つあります。この設定で透明の品質が決まります。3つの設定とは
ベクトルとラスタライズのバランス
ラスタライズ(ラインアートとテキストもしくは統合)の解像度
グラデーションとメッシュの解像度
です。この3つの設定の中で、印刷用として透明を分割・統合するときにもっとも重要なのは「ベクトルとラスタライズのバランス」です。印刷用の出力やPDF保存では、「ベクトルとラスタライズのバランス」を必ずベクトル側、つまり「100」に指定しておく必要があります。
Illustratorでは9.0の書類設定にある「ベクトルとラスタライズのバランス(9.0では[プリント・データ書き出し]の[画質/速度]になります)」のデフォルトがスライダーのセンターに設定されています。デフォルトは印刷用ではない設定になっているので、そのままでは使えません。
10.0では、ベクトル「100」に設定され、デフォルトのまま透明を分割・統合しても、印刷用としては十分な品質になっています。
Illustrator CS以降やInDesignでは、透明の分割・統合はプリセットとして設定し、その中から選択して指定するようになっています。
低解像度
中解像度
高解像度
の3つで、「低解像度」はWeb用、「中解像度」はプリンタ用、「高解像度」は印刷用と考えればいいでしょう。バージョンによって多少設定する数値が異なりますが、実質的には大きな違いはありません。印刷用の設定では、「ベクトルとラスタライズのバランス」が「100」になっていれば、まず問題ありません。
Illustratorから印刷としてEPSを書き出したり、IllustratorやInDesignからPDF保存する場合は、透明の分割統合設定では「高解像度」を選択します。
ドキュメント内の透明を分割するときに設定するもので、基本的な設定が3つあります。この設定で透明の品質が決まります。3つの設定とは
ベクトルとラスタライズのバランス
ラスタライズ(ラインアートとテキストもしくは統合)の解像度
グラデーションとメッシュの解像度
です。この3つの設定の中で、印刷用として透明を分割・統合するときにもっとも重要なのは「ベクトルとラスタライズのバランス」です。印刷用の出力やPDF保存では、「ベクトルとラスタライズのバランス」を必ずベクトル側、つまり「100」に指定しておく必要があります。
Illustratorでは9.0の書類設定にある「ベクトルとラスタライズのバランス(9.0では[プリント・データ書き出し]の[画質/速度]になります)」のデフォルトがスライダーのセンターに設定されています。デフォルトは印刷用ではない設定になっているので、そのままでは使えません。
10.0では、ベクトル「100」に設定され、デフォルトのまま透明を分割・統合しても、印刷用としては十分な品質になっています。
Illustrator CS以降やInDesignでは、透明の分割・統合はプリセットとして設定し、その中から選択して指定するようになっています。
低解像度
中解像度
高解像度
の3つで、「低解像度」はWeb用、「中解像度」はプリンタ用、「高解像度」は印刷用と考えればいいでしょう。バージョンによって多少設定する数値が異なりますが、実質的には大きな違いはありません。印刷用の設定では、「ベクトルとラスタライズのバランス」が「100」になっていれば、まず問題ありません。
Illustratorから印刷としてEPSを書き出したり、IllustratorやInDesignからPDF保存する場合は、透明の分割統合設定では「高解像度」を選択します。
2007年11月28日
ヘアラインの置き換えはどのようにして使い分ける?:Acrobat 8 Pro印刷工程ツールの謎
ヘアラインというのは、「印刷可能な最も細い線のこと」を言うそうです。この場合の印刷可能な線とは、プリンタで印刷したとき、最小デバイスピクセルで出力される線のことでしょう。日本語で言うと「極細線」ということですね。もっとも印刷業界では、データ上は線として表示されても、オフセット印刷すると再現できない線を、ヘアラインということがあります。
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