InDesignの貼り込み画像のカラーマネージメントは、バージョンによって扱いが異なることはご存じだろう。大きく分けると、InDesign CSまでと、InDesign CS2以降、貼り込み画像のカラーマネージメントは全く異なったものになっている。
基本的な違いは『InDesign使いこなしの鉄則』にある「鉄則05:貼り込み画像に含まれたICCプロファイルの扱い」で解説した。つまり、デフォルトの設定では、InDesign CSまでは貼り込み画像内のICCプロファイルを読み込み、InDesign CS2以降は読み込まないのである。
それでは、EPS画像内に含まれたICCプロファイルはどうなるのだろうか。[画像のカラー設定]では埋め込みの可否を変更できないEPS画像も、バージョンによって振るまいが異なるのだろうか。
InDesignのEPS画像のカラーマネージメントはバージョンで異なるのか
EPS画像内に埋め込まれたICCプロファイルは、InDesignでどのように処理されるのだろうか。確認すべきことに、次のようなものがある。
高解像度でのモニタの表示
プリフライトでの認識
PDF書き出しでのカラー変換
まず、ICCプロファイルを埋め込んだとき、モニタの表示は変わるのだろうか。EPS画像内のICCプロファイルは、InDesignは原則的に無視する。つまり、ICCプロファイルを含んでいても、デバイスカラー画像として認識して、InDesignのCMYKスペースでモニタ表示するのである。
プリフライトでは[リンクと画像]で画像内に埋め込まれたICCプロファイルを表示するようになっている。EPS画像内のICCプロファイルを無視するのであれば、プリフライトでもICCプロファイルの埋め込みは「なし」になるはずだが、実際はどうだろうか。
また、PDFにカラー変換せずに書き出したとき、埋め込みプロファイルは認識されるのだろか。認識されてカラー変換されてしまうのであれば、モニタの表示とPDF化したときのカラーの統一性が保てないことになってしまう。
さらに、これに追加して、バージョンでの違いやEPS画像だけでなく、ポストスクリプトカラーマネージメントをオンにしたときの画像でも、埋め込みプロファイルがどのように処理されるのかを知っておきたい。
ここで4つの画像を用意する。同じイメージの画像で、プロファイルを埋め込み処理を変えたものである。
デバイスCMYKの画像
Japan Color 2002 Newspaperのプロファイル埋め込み画像
ポストスクリプトカラーマネージメントをオンで保存した画像(PostScript CSA)
Japan Color 2002 Newspaperを埋め込みポストスクリプトカラーマネージメントをオンにした画像
これらの4つの画像をInDesignに貼り込み、モニタの表示、プリフライト、PDF書き出しを検証してみる。[DTP-S倶楽部コンテンツに続く]
ラベル:InDesign