もちろんその後、Appleは業績は落ち込み、Macintoshは一般コンシューママーケットに食い込めなかった。低いときには、PCの販売シェアではよくても3%程度しかなったはずである。iMacの登場で少しはコンシューママーケットに食い込んだが、それでも全体からみれば、Macintoshはわずかなシェアだった。
ところが最近は、iPodだけでなく、Macintoshがよく売れているらしい。
Appleの市場シェアについてGartnerは6.6%、IDCは6%としている。
(「米国でのMac出荷は、市場を上回るペース」--第1四半期調査[CNET])
だそうである。PC全体の出荷台数は減少しつつあるにもかかわらず、Macintoshは出荷台数が増加しているという。今年度の第2四半期決算では、前年比で51%の増加で、なんと230万台も売れているらしい。このままいくと、シェア10%もあるかもしれない。
iPodに牽引されて売れているのかと思わなくもないが、iTunesはWindowsでも同じように使えるわけで、iPodを使うためにMacintoshを購入する必要はない。
CNETのある「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店マネージャに聞く」という記事を読んであると、いままでのMacintoshユーザーが買っているのに加えて、既存Windowsユーザーが、Windowsをインストールして使っているケースが少なくないことがわかる。BootCampでWindowsをインストールするのは難しくないし、Windows XPならヤフオクにいくと、バルク品とおぼしきものが数千円で売っているので、Windows OSの費用もそれほどではない。
そうすると、このままMacintoshは、独自Mac OS XというOSを前面に掲げながら、Windowsマシンとしての「ウリ」を追加していくことになりそうである。Windowsマシンとして使っても、他のWindowsメーカーよりメリットがあるような提案をすれば、売り上げはさらに伸びるに違いない。
そうなると、BootCampのようにシングルブートしかできないのではなく、「Parallels Desktop for Mac」のように同時に複数のOSが起動できるようにするかもしれない。OSが共有できるようになると、WindowsからMac OS Xに移行させやすくなるからである。
シェアがアップして、もう一つ気になることは、「Psystar」というクローン、互換機の存在である。Macintosh以外にMac OS Xをインストールすることは「Appleの使用許諾に違反」するらしいが、Macintoshのシェアが高くなると、こういう互換機は使用許諾に違反しても増えるのではないか。
Apple方針としては、自社のハードウエアに自社のOSをセットにして売ってきたわけだが、Windowsマシンとして使用するユーザーが増えると、「Appleの使用許諾に違反」ということが意味を持たなくなってきそうだ。Mac OS Xがインストールできるマシンを、Apple以外が販売することを禁止するという行為が独禁法違反だという意見も現れて、それについて訴訟を起こすメーカーが登場するかも知れないのである。
「Appleの使用許諾に違反」という考えは、Macintoshのシェアが小さいからこそ言えたことであって、シェアが高くなると風当たりは強くなるだろう。Appleとしては、条件を厳しくして、クローンメーカーを認めざるを得ないようになりそうだ。と思うが、いかがだろう。
いずれにしても、Windowsのすねをかじる戦略は、Appleにとっては当分有効であるにちがいない。iPodのビッグヒットもiTunesのWindows版が牽引したことは間違いなく、Windows OSを取り込んだ次は何を狙うのだろうか。

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