2007年11月15日

ナプスのセミナーでナプスについて考える

 今年の秋のはじめに、名古屋でセミナーをさせて頂きました。鶴舞にある名古屋市中小企業振興会館(吹上ホール)という会場で、Creative Suite3の新機能とPDFワークフローをテーマに2時間ばかり話しをしました。
 ディーラー主催の無料セミナーです。モリサワの山崎課長のVista問題のJIS文字コードのセッションがあり、その後で私が登壇しました。セミナーには、七十〜八十名くらいの方が参加されました。参加頂いた方、お忙しい中、ありがとうございました。遅ればせながら、御礼申し上げます。
  セミナーを主催していたのは、名古屋にあるナプスという印刷機器関連のディーラーです。名古屋にある印刷会社では知らない人はいないと思いますが、営業展開は名古屋と長野県の飯田市を中心としていて、地元に根を張っています。
 実は三年ほどまえにも声をかけて頂き、同じようにセミナーをさせて頂いたことがあります。もともと、ナプス技術部の竹島さんが私のセミナーに何度か参加されたことがあり、その経緯でセミナーを依頼されたのです。
 大手のディーラーが顧客を集めて無料セミナーをするのはわかりますが、地方の、しかも名古屋周辺を営業エリアにしているナプスという中小(失礼)のディーラーが、私に講師料を払って無料セミナーを開催するというのは、ちょっと解せません。
 なおかつ、無料セミナーでも百名近い参加者を集めることができます。翌日に飯田市でも同じセミナーをしたのですが、そこでも五十名以上の参加者がありました。
 バブルの頃ならいざ知らず、冷え切った印刷業界を相手に印刷機材を販売するわけです。しかも現在の大口の販売商品はCTPのみと言っていいでしょう。イメージセッタはもう買うユーザーはいません。DDCPも頭打ちです。

 最近のプリンタは、ICCプロファイルでカラーマネージメントしなくても、プリンタ側のカーブを調整して、Japan Color 2001 Coatedにあわせてプリントできるそうです。キャリブレーションは必要なんですが、プロファイルを作成したりする必要はありません。プリンタにチャートを読み込ませるだけでキャリブレーションできるそうです。
 おそらく、大昔にプリンタのユーティリティでCMYKのカーブを変更して印刷機のカラーに合わせてプリントアウトしていた方法を、プリンタ側ですることが可能になっただけだと思いますが、そういうプリンタがよく売れているそうです(とナプスさんに聞きました)。
 基本的にCMYK同士というのは、Labをかまさなくても、カーブ情報だけでも、カラーマッチングさせることはそれほど難しくありませんからね。まあ、キャリブレーションは頻繁に行う必要があるようですけどね。

 写植と製版で扱っていた機械と材料は、パソコンと「CTP」に一本化されてしまいました。ですから、印刷関係のディーラーもメインの商品として販売できるものは、CTPだけといってもいいくらいになっています。
 印刷会社の数は減ることはあっても増えることはありません。イメージセッタを導入していた印刷会社や製版会社がすべてCTPを導入するわけではないようです。社内設備にコストかけず、新たな設備を導入しない印刷会社も少なくありません。
 しかも、CTPですら一巡して、導入するべき印刷会社にはほとんど入っています。いまから新規で導入する会社はほとんどなく、現在CTPを導入しようとしている印刷会社は、

増設

のみだそうです。印刷受注を増やしていて設備を増やす会社のみが、CTPを導入しているわけです。これからますます、製造業の印刷会社サービス業の印刷会社の解離が大きくなるでしょう。もっとも儲かるのは、製造しながらサービスで差別化できる印刷会社でしょうけどね。
 
 CTPは増設のみですから、バンバン売れているわけではないんですね。ディーラーも厳しい状況にあります。にも関わらず、私を呼んでセミナーをするというのは、ちょっと驚きでした。無料セミナーといえども、けっこう費用はかかります。顧客がセミナーに参加したからといっても、すぐに商談が進むというわけではありません。
 だから私が思ったのは、CTPが飛ぶように売れているわけではないのに、無料セミナーをする余力というのはどこにあるのだろう、ということでした。やはり、それなりに利益を生む商売が付随していなければ、こういうサポートはできないだろうと思うのです。
 それで、ダイレクトにナプスの津田社長に「CTPの販売以外でウエイトの高いものは」と聞いてみました。答えは「なるほど」と思うようなものでした。



がその答えでした。つまり、CTPを導入すると、板も必要になります。その売り上げが結構大きく安定しているわけです。板は印刷するたびに必要になります。フィルムと刷版の板がなくなって、印刷材料は実質的にCTP板しかありません。板にプリプレス資材が集約されているわけです。
 販売で板のウエイトが高いのは、ナプスが中小で小回りがきくからでしょう。営業の河合さんの社用車には、菊全の板がいつでも積めるようになっていて、注文があるとすぐに持って行くそうです。さすが百枚積むとスピードはでませんが、サスペンションは取り替えてあるそうです。
 おそらく、ナプスのサポートや対応の素早さが、顧客との絆を強くし、セミナーでの集客にも反映してるのでしょう。
 ところで、ナプスのページには、津田社長が書いている「社長のコラム」というコーナーがあります。津田社長の篤実な性格がにじみ出ていますね。発注先の印刷会社の経営者も、ディーラーの経営者が何を考えてるいるのか、ということを知る上で一読の価値があります。



posted by 上高地 仁 at 20:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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