フォント年間ライセンスのシェア:Mac Fanで見るDTP環境の変化



 Mac Fanのアンケートには、フォント年間ライセンスについてのアンケートもあります。フォントワークスジャパンが2002年の7月にLETSをはじめてから、もう5年、のちにモリサワも2005年の8月からMORISAWA PASSPORTで参戦し、認知度も高くなってきました。

  フォント年間ライセンスというアイディアを私が思いついたのは、もうかれこれ6年前です。いまはなき、工学社のProfessional DTP誌に「目指せ!印刷営業の達人」として掲載した「フォントはレンタルサービスに戻ればよいのだ」という記事に書きました。

 もっとも、言うは易く行なうは難しで、最初に始めたフォントワークスジャパンの勇気には脱帽します。正直言うと、本当にそういうサービスを始めるとは予想外でした。フォントベンダーとして採算がとれるかどうかは、わかりませんからね。

 たぶん、こういうことを言い出したのは、私が最初でしょう。当時はフォントは買うものであり、「貸す」という考えはありませんでした。もっともDTP以前の写植時代は、フォント(書体)は借りるものでしたけどね。

 フォントをパッケージで買っていくと、新しいフォントフォーマットが登場するたびに、ユーザーの困惑度は高まり、フォントベンダーはリスクを抱えて新しいフォントフォーマットに対応しなければなりません。DTP環境をよりリッチなものにするためには、OCFからCID、そしてOpenTypeへと変わっていくことは頭では理解できても、

新しいフォーマットの新機能の役に立つのか
バージョンアップするコストに見合うのか


と考えると、頭を抱えざるを得ないのが現実でしょう。利用できるグリフ数が増えたり、フォント内部にメトリクス情報を持たせたしても、それがバージョンアップフィーに見合うものなのかは、見えにくいのです。

 数年おきに繰り返されるフォントフォーマットに進化に付き合っていくと、設備投資コストが冗漫になります。規模の大きい印刷会社や制作会社ではインストールされているフォントは半端ではありませんから、コスト負担は小さくありません。新しいフォントフォーマットにその都度対応していくと、原価を切り下げて、価格競争に打ち勝つことが難しくなっていきます。

 そういうわけで、フォントは「買う」より、年間固定した費用を払って「借り」た方が、コストが読みやすくなり、同時に新しいフォーマットにも対応可能になります。モリサワが参入してもう2年ですから、フォント年間ライセンスが定着してきてもよさそうです。

 Mac Fanのアンケートによると、導入済みは約30%で「前年のアンケートの数値と変わらない」と結論づけていますが、この「約30%」にはけっこう大きな違いがあります。

2006年 → 26.6%
2007年 → 34.2%


となっており、対前年比を比率にすると、なんと

128%

も伸びていることがわかります。たしかに、四捨五入すると、「約30%」なんですけどね。モリサワが参入してたった2年で、30%以上も普及したということは、多くのユーザーが求めていたサービスだったということでしょう。

 要するに、イノベータからアーリー・マジョリティあたりまで層が拡大しつつあるということでしょう。ロジャース理論では、普及率のラインを16%としていますから、これから急激に普及していく可能性は否定できません。

 来年あたりから、レイト・マジョリティ(後期多数採用者)が導入を始めると、フォントのライセンス無しでは、DTPはできなくなるといわれるようになるかもしれませんね。


 →LETS、MORISAWA PASSPORTのお申込はこちらから
  (MORISAWA PASSPORTについてはお問い合せ下さい)


 → 詳しくはMac Fanの11月号を御覧下さい。


◆Mac FanのWebサイト
http://macfan.jp/
 















posted by 上高地 仁 at 11:59 | Comment(0) | TrackBack(1) | ニュース&トピック
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

ライセンス認証という新しい食物連鎖を巻き起こす集客基地!【PDFライセンスパブリッシャー】
Excerpt: "PDFライセンスパブリッシャー!経験起業研究会"ライセンス認証という新しい食物連鎖のトップに常駐出来るとしたら・・・ライセンス販売の仕掛け人となり新しい角度からヴァイラルマーケテ..
Weblog: 情報商材ならinfo4649.com
Tracked: 2009-02-13 04:30





Illustrator使いこなしの鉄則

  鉄則01:異なるバージョンでは開かない
  鉄則02:最新版にアップデートしよう 8.0〜9.0
  鉄則03:最新版にアップデートしよう 10.0〜CS2
  鉄則04:カラーマネージメント機能を使おう
  鉄則05:貼り込まれた画像のカラーはどうなる?
  鉄則06:透明効果の分割・統合をベクトル側で変換する
  鉄則07:透明分割とスポットカラーの怪しい関係
  鉄則08:ラスタライズ効果設定は「200 ppi」に設定する
  鉄則09:Illustrator CS以降で使うOpenType機能
  鉄則10:フォントはアウトライン化してPDF保存する
  鉄則11:PDF保存ではフチククリ文字はアウトライン化しない
  鉄則12:用紙サイズを大きくしてトリムマークを付けて保存する
  鉄則13:PDFのバージョンはAcrobat 4.0互換で保存する
  鉄則14:PDF保存ではIllustrator編集機能はオフにする
  鉄則15:RGBのEPS画像はそのままCMYKに変換される
  鉄則16:PDF保存ではICCプロファイルは埋め込まない
  鉄則17:Illustrator 10までは画像はダウンサンプルしない
  番外編1:可能な場合オーバープリントを保持とは
  番外編2:インテリジェンスなカラー変換
  番外編3:書き出されるPDFサイズ
  『Illustrator&InDesign使いこなしの鉄則』を発行します
 
Illustrator使いこなしの鉄則が改訂してiPhoneアプリになりました。

カラーマネージメント出力

  カラーマネージメント出力の不思議1〜InDesign編〜
  カラーマネージメント出力の不思議2〜Illustrator編〜
  カラーマネージメント出力の不思議3〜解答編〜

Vistaフォント、混乱の真犯人は誰だ

  その1:包摂はどこまで本当か
  その2:解き放たれた文字数の制限
  その3:JISの包摂に明確な基準はあるか
  その4:使われている文字は字形であっても拒否するのは非現実的だ
  その5:ユニコードは字形を追加するためにあるのだ

×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。