こんなでかいモニタがいるのか、と考えると、「うーん」と考えてしまう人もすくないでしょうが、大型化していくのは間違いなさそうです。ただ、グラフィックカードも含めて、もう少し手頃な価格にならないと、普及は難しいかも知れません。
「SX3031W-H」は結構値も張り、30インチのApple Cinema HD DisplayがApple Storeで229,800円なのに対して、さらに高く、ナナオのサイトの予約購入のページでは、298,000円となっています。
このモニタは「FlexScan」シリーズなので、カラーマネージメントモニターの「ColorEdge」ではありません。カラーマネージメント機能は含まれていません。しかし、モニタのカラー再現は
AdobeRGB比97%の広色域をカバー
だそうで、自前でモニタプロファイルを作成すれば、DTP用途でも十分使える代物のようです。私の23インチのApple Cinema HD Displayの発色は申し分ありませんが、モニタプロファイルは、sRGB程度のカラースペースしか持ち合わせていません。AdobeRGBの表示にこだわるのであれば、Apple Cinema HD DisplayよりもSX3031W-Hに歩があるといえるでしょう。

また、画面が大きくなることで発生しやすい輝度ムラや色度ムラに対しては、
デジタルユニフォミティ補正回路
という機能でムラを押さえる仕組みを搭載しています。程度のほどはわかりませんが、ムラが小さければ、モニタプロファイルを割り当てることで、モニタ表示のコントロール可能になるでしょう。
Apple Cinema HD Displayとの違いは、画面の縦回転が可能なことでしょうか。縦に長くモニタ表示したい場合は、ありがたい機能です。私もAcrobatのプリフライト機能を使っているときに、縦長にしたいと思うことがあります。スクロールが効かなくてウィンドウを縦長にできればなあ、という場合があるのです。
さらに、縦長にしたついでに、画面をUXGA(1600×1200 pixel)で2画面表示することも可能です(もっとも縦置きでできるとは書いていません。まさか横置きのみということはないでしょう)。DVI-D24ピンのデジタル2系統入力に対応していますが、WUGXA(デュアルリンク対応)なのは、1系統のみのようです。CNET Japanには、
WindowsとMacintoshの縦UXGA画面を並べて表示することもできる
と書かれているので、Macintoshにも対応していると考えられますが、ナナオのページにあるグラフィックスカード互換性情報では、Macintosh版のグラフィックカードについての記載はありませんでした。おそらく、30インチのApple Cinema HD Displayに準じると考えていいでしょう。
また、SX3031W-Hはテキストやムービーなどの表示の切り替えを前面ボタンで行うことができるようになっています。この機能を特定のアプリケーションと組み合わせて自動的に切り換える「Auto FineContrast 機能」が用意されていますが、この機能はMacintosh版では使えません。Windowsのみの機能です。
30インチのApple Cinema HD Displayとの大きな違いは、いくつかありますが、私が気になるところは
AppleRGBの再現
WUGXAでの縦置き
の2つですね。そこに価値を認めれば、SX3031W-Hは高くないかも知れません。レイアウトソフトで使うだけだったら、Apple Cinema Displayでも十分かもしれませんが、カメラマンなどがRGBカラーをシビアに要求するのであれば、SX3031W-Hがいいでしょう。SX3031W-Hがけっこう売れれば、29.8インチ版のColorEdgeの登場は早くなるでしょうね。
それにしても、いつかは欲しい30インチですね。30インチあれば、ツインモニタにしなくて済むかも(うそ、たぶんそうなったら、30インチ2台にしたいかもね)。
◆ナナオ、「FlexScan」最新モデルは29.8型の大画面でWQXGA表示が可能[CNET]
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20358968,00.htm
◆ナナオ「FlexScan SX3031W-H」
http://direct.eizo.co.jp/cgi-bin/omc?req=monitor/digest3031/index.html
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