インテリジェンスなカラー変換:使いこなし20の鉄則2



あなた:あと、IllustratorもInDesignも、カラーマネージメント関係がややこしいですね。バージョンアップするごとに、高機能になっていることがよくわかったのですが、これだけの機能を使いこなすのは、なまなかではむりですね。

マスターヨーダ:そうか、そう思うか。たしかに、Adobe Color Engineの機能は豊富じゃ。そうじゃのう、まあ、Creative Suite2で、完成されたと考えてよいじゃろう。基本的な部分についてはな。

あなた:えっ、基本的な部分だけですか。けっこうすごい機能が搭載されていると思うんですが。マスターヨーダ:カラー変換するという意味ではな。つまり、IllustratorやInDesignの内部に、Photoshopと同等のカラー変換機能をそのまま詰め込んだわけじゃからな。もっとも、Photoshopにある「カスタムCMYK」にある色分解設定などは使えんがの。

あなた:しかし、ICCプロファイルを埋め込んだ画像を貼り込んでおけば、出力時に別のCMYKを指定して、CMYK to CMYK変換して書き出すことができるわけでしょう。

少し前までは、同じ画像を枚葉印刷とオフセット印刷の両方で使うとき、オリジナルのRGB画像から、枚葉のCMYKに変換した画像と、オフセット輪転用にCMYK変換した画像を使い分ける必要があったわけですから、それを考えると、よくできていますよね、Adobe Color Engineは。

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CS2以降のカラーマネージメントポリシーを使いこなすことで、柔軟にICCプロファイルを利用したプロファイル変換が可能になります。CS2のCMYK作業用スペースには、「カラー値を保持(リンクされたプロファイルを無視)」というオプションが、追加されています。

マスターヨーダ:まあそうじゃ。しかしな、完璧というわけではないんじゃ。いずれは、それらは出力機のRIPですべてカバーされるものじゃ。出力データにプロファイルを保持させてあれば、RIP内でターゲットのCMYKを指定すれば、カラーマネージメントして出力することは、技術的には難しくないじゃろう。

あなた:そうですね。IllustratorやInDesignでできるわけですから、もっと高価な出力機のRIPだと、それ以上のことができてもおかしくないですね。なぜ、できないんでしょう?

マスターヨーダ:できないというより、そういう使い方の需要がないんじゃろ。そんな機能を追加しても、印刷会社がそれを理由にRIPを買うわけではないからのう。

あなた:そうなんですか。RIPにあって当然の機能だと思いますけどね。それで、「基本的」でない機能ってどういう機能なんですか。

マスターヨーダ:Creative Suite2のIllustratorやInDesignのカラーマネージメント機能を使ったとき、どのようなデータでも出力できるわけではあるまい。たとえば、InDesignにWindows環境のWordのデータを貼り込むときはどうするんじゃ。

あなた:RGBで作成されたPDFを貼り込んでも、フォントを埋め込んであれば、そのまま貼り込めますし、InDesignから出力するときにRGBのデータをCMYKに変換することが可能ですよね

マスターヨーダ:「基本的」にはその通りじゃ。しかしな、RGBブラックを墨ベタにしたい場合はどうするんじゃ。Acrobatには「黒のオブジェクトを維持」という機能があるが、InDesignにはないじゃろう。

あなた:しかし、それは、Windows側でグレーグラフィックスをPostScriptグレーに変換してPDFを作成するか、Acrobat ProでCMYKに変換したものを貼り込めばいいわけじゃないですか。

マスターヨーダ:現実的にはそのとおりじゃ。しかしな、機能がインテリジェンスになるということは、そういうすこしイレギュラーなデータでも解析して、適切に変換する機能が必要ではないかな。

たとえば、スキャナのAI機能でも、画像にあわせてスキャンの方法が異なっておるじゃろう。肌色が主体の画像と、メタリックな質感を際だたせたい画像ではスキャンするときの設定は、変えるのが普通で、それを自動的に判断するのが

Artificial Intelligence(人工知能)

というわけじゃからな。カラー変換においても、そういったインテリジェンスな機能が必要だとは思わんか。

むかし、ハーレクインという互換RIPがRIPのマーケットを席巻したのは、ハーレクインのRIPには、Illustrator EPS内の墨ベタを自動的にオーバープリントに変換して出力する機能があったからじゃ。そのころ、AdobeのRIPには、そのような実用的な機能は搭載されておらなんだ。

あなた:なるほど、むかしは、RIPで墨文字のオーバープリントはできなかったんですね。

マスターヨーダ:最終的には、いい加減なPDFをRIPのホットフォルダに放り込めば、必要な部分を自動修正してそのまま出力できるようにならねばならん。賢くなればなるほど、自動的に修正して出力できるPDFが多くなるわけじゃ。どうしても出力できないPDFのみ、プリフライトしエラーレポートを付けて、差し戻すのは当然の機能じゃ。

IllustratorやInDesignでもな、そういう実用的な機能を搭載しなければならん。IllustratorやInDesignのカラーマネージメント機能でも、する気になればそれと同等の機能を搭載することは可能じゃろう。そうでなければ、わしは「完璧」とはよう言わんのじゃ。


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posted by 上高地 仁 at 17:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | Illustrator使いこなしの鉄則
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Illustrator使いこなしの鉄則

  鉄則01:異なるバージョンでは開かない
  鉄則02:最新版にアップデートしよう 8.0〜9.0
  鉄則03:最新版にアップデートしよう 10.0〜CS2
  鉄則04:カラーマネージメント機能を使おう
  鉄則05:貼り込まれた画像のカラーはどうなる?
  鉄則06:透明効果の分割・統合をベクトル側で変換する
  鉄則07:透明分割とスポットカラーの怪しい関係
  鉄則08:ラスタライズ効果設定は「200 ppi」に設定する
  鉄則09:Illustrator CS以降で使うOpenType機能
  鉄則10:フォントはアウトライン化してPDF保存する
  鉄則11:PDF保存ではフチククリ文字はアウトライン化しない
  鉄則12:用紙サイズを大きくしてトリムマークを付けて保存する
  鉄則13:PDFのバージョンはAcrobat 4.0互換で保存する
  鉄則14:PDF保存ではIllustrator編集機能はオフにする
  鉄則15:RGBのEPS画像はそのままCMYKに変換される
  鉄則16:PDF保存ではICCプロファイルは埋め込まない
  鉄則17:Illustrator 10までは画像はダウンサンプルしない
  番外編1:可能な場合オーバープリントを保持とは
  番外編2:インテリジェンスなカラー変換
  番外編3:書き出されるPDFサイズ
  『Illustrator&InDesign使いこなしの鉄則』を発行します
 
Illustrator使いこなしの鉄則が改訂してiPhoneアプリになりました。

カラーマネージメント出力

  カラーマネージメント出力の不思議1〜InDesign編〜
  カラーマネージメント出力の不思議2〜Illustrator編〜
  カラーマネージメント出力の不思議3〜解答編〜

Vistaフォント、混乱の真犯人は誰だ

  その1:包摂はどこまで本当か
  その2:解き放たれた文字数の制限
  その3:JISの包摂に明確な基準はあるか
  その4:使われている文字は字形であっても拒否するのは非現実的だ
  その5:ユニコードは字形を追加するためにあるのだ

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