マスターヨーダ:そうか、そう思うか。たしかに、Adobe Color Engineの機能は豊富じゃ。そうじゃのう、まあ、Creative Suite2で、完成されたと考えてよいじゃろう。基本的な部分についてはな。
あなた:えっ、基本的な部分だけですか。けっこうすごい機能が搭載されていると思うんですが。
マスターヨーダ:カラー変換するという意味ではな。つまり、IllustratorやInDesignの内部に、Photoshopと同等のカラー変換機能をそのまま詰め込んだわけじゃからな。もっとも、Photoshopにある「カスタムCMYK」にある色分解設定などは使えんがの。
あなた:しかし、ICCプロファイルを埋め込んだ画像を貼り込んでおけば、出力時に別のCMYKを指定して、CMYK to CMYK変換して書き出すことができるわけでしょう。
少し前までは、同じ画像を枚葉印刷とオフセット印刷の両方で使うとき、オリジナルのRGB画像から、枚葉のCMYKに変換した画像と、オフセット輪転用にCMYK変換した画像を使い分ける必要があったわけですから、それを考えると、よくできていますよね、Adobe Color Engineは。

CS2以降のカラーマネージメントポリシーを使いこなすことで、柔軟にICCプロファイルを利用したプロファイル変換が可能になります。CS2のCMYK作業用スペースには、「カラー値を保持(リンクされたプロファイルを無視)」というオプションが、追加されています。
マスターヨーダ:まあそうじゃ。しかしな、完璧というわけではないんじゃ。いずれは、それらは出力機のRIPですべてカバーされるものじゃ。出力データにプロファイルを保持させてあれば、RIP内でターゲットのCMYKを指定すれば、カラーマネージメントして出力することは、技術的には難しくないじゃろう。
あなた:そうですね。IllustratorやInDesignでできるわけですから、もっと高価な出力機のRIPだと、それ以上のことができてもおかしくないですね。なぜ、できないんでしょう?
マスターヨーダ:できないというより、そういう使い方の需要がないんじゃろ。そんな機能を追加しても、印刷会社がそれを理由にRIPを買うわけではないからのう。
あなた:そうなんですか。RIPにあって当然の機能だと思いますけどね。それで、「基本的」でない機能ってどういう機能なんですか。
マスターヨーダ:Creative Suite2のIllustratorやInDesignのカラーマネージメント機能を使ったとき、どのようなデータでも出力できるわけではあるまい。たとえば、InDesignにWindows環境のWordのデータを貼り込むときはどうするんじゃ。
あなた:RGBで作成されたPDFを貼り込んでも、フォントを埋め込んであれば、そのまま貼り込めますし、InDesignから出力するときにRGBのデータをCMYKに変換することが可能ですよね。
マスターヨーダ:「基本的」にはその通りじゃ。しかしな、RGBブラックを墨ベタにしたい場合はどうするんじゃ。Acrobatには「黒のオブジェクトを維持」という機能があるが、InDesignにはないじゃろう。
あなた:しかし、それは、Windows側でグレーグラフィックスをPostScriptグレーに変換してPDFを作成するか、Acrobat ProでCMYKに変換したものを貼り込めばいいわけじゃないですか。
マスターヨーダ:現実的にはそのとおりじゃ。しかしな、機能がインテリジェンスになるということは、そういうすこしイレギュラーなデータでも解析して、適切に変換する機能が必要ではないかな。
たとえば、スキャナのAI機能でも、画像にあわせてスキャンの方法が異なっておるじゃろう。肌色が主体の画像と、メタリックな質感を際だたせたい画像ではスキャンするときの設定は、変えるのが普通で、それを自動的に判断するのが
Artificial Intelligence(人工知能)
というわけじゃからな。カラー変換においても、そういったインテリジェンスな機能が必要だとは思わんか。
むかし、ハーレクインという互換RIPがRIPのマーケットを席巻したのは、ハーレクインのRIPには、Illustrator EPS内の墨ベタを自動的にオーバープリントに変換して出力する機能があったからじゃ。そのころ、AdobeのRIPには、そのような実用的な機能は搭載されておらなんだ。
あなた:なるほど、むかしは、RIPで墨文字のオーバープリントはできなかったんですね。
マスターヨーダ:最終的には、いい加減なPDFをRIPのホットフォルダに放り込めば、必要な部分を自動修正してそのまま出力できるようにならねばならん。賢くなればなるほど、自動的に修正して出力できるPDFが多くなるわけじゃ。どうしても出力できないPDFのみ、プリフライトしエラーレポートを付けて、差し戻すのは当然の機能じゃ。
IllustratorやInDesignでもな、そういう実用的な機能を搭載しなければならん。IllustratorやInDesignのカラーマネージメント機能でも、する気になればそれと同等の機能を搭載することは可能じゃろう。そうでなければ、わしは「完璧」とはよう言わんのじゃ。
→もっと詳しく
→Illustrator CS3
DTP-Sのメルマガ




