■Illustratorの鉄則17:Illustrator 10までは画像はダウンサンプルしない



あなた:IllustratorでPDF保存したとき、マスク処理した画像のマスクがなくなってしまうのですが、どうしてでしょうか。

マスターヨーダ:PDF保存時に画像をダウンサンプルしたであろう。ダウンサンプルすると、画像のクリッピングパスが消失するのじゃ。

あなた:どうしてダウンサンプルすると、クリッピングパスが失われてしまうのですか。


マスターヨーダ:理由はわからん。PDFファイルとして保存するときに、画像を埋め込む必要があるからの。おそらく、そのときに正しい処理ができんのじゃろう。Illustrator 9.0と10.0では、画像をダウンサンプルしてPDF保存すると

クリッピングパスが含まれた画像
Illustratorで角度を振った画像


の背面がノックアウトされて、白くなってしまう。Illustrator上やプリントアウトしたときは正しくレイアウトされているのに、PDF保存すると背面のオブジェクトが隠されてしまうじゃ。

●Illustrator 9.0のPDF保存でする[ダウンサンプル]
17-01.gif

Illustrator 9.0と10.0では、PDF保存時に画像を[ダウンサンプル]すると、画像の背面がダウンサンプルされてしまうことがあります。Illustrator 9.0と10.0では画像をダウンサンプルしないようにします。


あなた:なにか、確実な解決方法はありませんか。

マスターヨーダ:簡単じゃろ。画像をダウンサンプルしなければよいんじゃ。最初から印刷用に最適な解像度で貼り込んでおけば、PDF保存時にダウンサンプルする必要はないぞ。Illustratorであれば、画像をダウンサンプルしても、保存されるPDFのファイルサイズに大きな影響はあるまい。もし、大きく影響するのであれば、貼り込む画像を先にダウンサンプルして貼り込めばよいのじゃ。

DistillerやInDesignでPDFを作成するときは、サンプリングしきい値が設定できる。設定できないバージョンの場合も、デフォルトでサンプリング解像度の1.5倍が設定されておる。

しかし、Illustrator 10まではサンプリングしきい値を設定することはできん。指定した解像度以上であれば、すべて指定値でダウンサンプルするようになっておる。だからじゃ、Illustratorではダウンサンプルする必要はないのじゃ。

あなた:このトラブルは画像をダウンサンプルしたときのに必ず発生するのですか。


マスターヨーダ:それがじゃな、不思議なことにバージョンによって異なるんじゃな。

Illustrator 9.0   → EPSリンク画像
Illustrator 10.0 → PSDリンク画像


をダウンサンプルしたときに発生するんじゃな。

●リンクしたEPS画像がノックアウトされる9.0と10.0のPDF
EPSリンクがノックアウトされるIllustrator 9.0でのPDF
17-02.gif

EPSリンクがノックアウトされるIllustrator 10.0でのPDF
17-03.gif

PDF保存時にダウンサンプルすると、9.0ではクリッピングパスを含んだり、Illustrator上で画像を回転したEPSリンク画像のみが正しく処理されません。また、10.0ではEPSではなくPSDのリンク画像が、ダウンサンプルすると背面がノックアウトされます。



あなた:画像を先に埋め込んでおけば、大丈夫でしょうか。


マスターヨーダ:確かにその方法もある。埋め込めば、Photoshopで保存したクリッピングパスはIllustratorの線として埋め込まれるからの。Illustratorのパスで画像をマスクすればよい。

ただし、Illustrator 9.0ではクリッピングパス画像を埋め込むと不要な線が生成されるので削除しておくことじゃ。Illustrator 10では複数の画像を選択して埋め込み処理すると、画像の位置が変わってしまうことがある。そう考えると、ダウンサンプルせずPDF化するのが、もっとも簡単じゃな。

●Illustrator CSのPDF保存でする[ダウンサンプル]
17-04.gif

Illustrator CS以降は、サンプリングしきい値が指定されます。デフォルトでは「450 ppi」を超えた画像を「300 ppi」にダウンサンプルします。9.0や10.0のように、画像の背面がノックアウトされることもありません。また、JPEGで保存しても、正しく処理できます。



Illustrator使いこなしの21の鉄則Illustrator使いこなしの鉄則が改訂してiPhoneアプリに!
詳しくは下記をご覧ください。


◆Illustrator使いこなしの21の鉄則[インクナブラ]
http://bit.ly/nJNEDU
*App Storeでは「Illustrator」「鉄則」で検索してください。








posted by 上高地 仁 at 20:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | Illustrator使いこなしの鉄則
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/57901595

この記事へのトラックバック





Illustrator使いこなしの鉄則

  鉄則01:異なるバージョンでは開かない
  鉄則02:最新版にアップデートしよう 8.0〜9.0
  鉄則03:最新版にアップデートしよう 10.0〜CS2
  鉄則04:カラーマネージメント機能を使おう
  鉄則05:貼り込まれた画像のカラーはどうなる?
  鉄則06:透明効果の分割・統合をベクトル側で変換する
  鉄則07:透明分割とスポットカラーの怪しい関係
  鉄則08:ラスタライズ効果設定は「200 ppi」に設定する
  鉄則09:Illustrator CS以降で使うOpenType機能
  鉄則10:フォントはアウトライン化してPDF保存する
  鉄則11:PDF保存ではフチククリ文字はアウトライン化しない
  鉄則12:用紙サイズを大きくしてトリムマークを付けて保存する
  鉄則13:PDFのバージョンはAcrobat 4.0互換で保存する
  鉄則14:PDF保存ではIllustrator編集機能はオフにする
  鉄則15:RGBのEPS画像はそのままCMYKに変換される
  鉄則16:PDF保存ではICCプロファイルは埋め込まない
  鉄則17:Illustrator 10までは画像はダウンサンプルしない
  番外編1:可能な場合オーバープリントを保持とは
  番外編2:インテリジェンスなカラー変換
  番外編3:書き出されるPDFサイズ
  『Illustrator&InDesign使いこなしの鉄則』を発行します
 
Illustrator使いこなしの鉄則が改訂してiPhoneアプリになりました。

カラーマネージメント出力

  カラーマネージメント出力の不思議1〜InDesign編〜
  カラーマネージメント出力の不思議2〜Illustrator編〜
  カラーマネージメント出力の不思議3〜解答編〜

Vistaフォント、混乱の真犯人は誰だ

  その1:包摂はどこまで本当か
  その2:解き放たれた文字数の制限
  その3:JISの包摂に明確な基準はあるか
  その4:使われている文字は字形であっても拒否するのは非現実的だ
  その5:ユニコードは字形を追加するためにあるのだ

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。