カラーマネージメント出力の不思議2〜Illustrator編〜



 InDesignで行ったカラーマネージメント出力のテストを、Illustrator CS3でも行ってみました。Illustrator CS3に同じように、「グレー40%」濃度の画像やPDFを貼り込んで、プリンタから出力してみました。

 IllustratorとInDesignは、CSのバージョンが同じです。Adobe Color Engineのバージョンも同じです。ということは、同じようにカラー変換されるということでしようか。実際にプリントして試してみましょう。

 Illustrator CS3からカラーマネージメント出力するには、プリントウィンドウにある[カラーマネージメント]を設定してプリントアウトします。[カラーマネージメント]の[カラーの処理]で「Illustratorのカラー設定」を割り当てます。[プロファイル]にはプリンタプロファイルを適用します。

 Illustratorのカラー設定は「プリプレス - 日本2」を割り当てていますので、カラーは「Japan Color 2001 Coated」からプリンタプロファイルに変換されます。IllustratorではCMYKからCMYKにカラー変換するためには、

CMYKカラー値を保持


のチェックボックスをオフにします。ここをオンにしてプリントすると、「グレー40%」はそのままグレースケールの40%のまま出力されます。

●Illustrator CS3のプリントウィンドウでカラーを変換して書き出す
090725-01.gif

[プリンタ]で「PostScriptファイル」を選択し、[PPD]で「その他(AdobePDF 8.0J)」を選択しています。カラー処理をIllustratorで行い、プリンタのプロファイルを割り当てています。Illustratorでは[CMYKカラー値を保持]をチェックすると、CMYK to CMYK変換できません。




 それで出力した結果ですが、なんということか、InDesignの出力とは全く異なる結果でした。まず、EPSは変換されませんでした。

PhotoshopでEPS保存
Illustratorの塗り設定をEPS保存


の両方ともです。Photoshopであれ、Illustratorであれ、EPSはカラーマネージメント出力に未対応でした。InDesignがIllustrator EPSのみなのに、Illustratorでは、どうやらすべてのEPSに未対応のようです。

 それでは、Illustrator CSの塗り設定と同じカラーはどの貼り込みファイルだったでしようか。それは

Illustratorの塗り設定をPDF保存
Illustratorの塗り保存をDistillerでPDF変換


です。つまりIllustratorのPDFファイルだけが、ドキュメントのカラー変換と同じなのです。

Illustrator CSの塗り設定と異なるファイルは、EPSを除くPhotoshopで作成した画像ファイルです。

PhotoshopでPDF保存
PhotoshopでPSD保存
PhotoshopでTIFF保存
PhotoshopでJPEG保存


がIllustrator CS3の塗り設定と少しカラーが異なっているのです。いろいろと設定を変更してプリントアウトしてみましたが、いずれも同じでした。



 そこで、プリンタから出力せずに、PostScriptファイルを書き出してDistillerでPDFを作成してみることにしました。本来同じ結果になるはずですが、どうでしょうか?

 Distillerで変換した結果は、2つのEPSが「グレー40%」になるだけで、それ以外はすべて同じカラーでした。プリンタではカラーの違いがあるのに、PostScriptファイルでは同じカラーなのです。

 考えられることは、プリンタからの出力すると際に、プリンタ側でベクターデータとラスターデータで網点生成の処理方法が異なっているのかもしれません。プリンタによっては、用紙を縦置きにしたときと、横置きにしたときでインクの量を調整するものもあります。ベクターデータとラスターデータで処理方法が異なるプリンタもあるかもしれないからです。

 EPS以外の変換されたカラー濃度は

シアン26%,マゼンタ20%,イエロー17%,ブラック0%

でした。InDesign CS3では、貼り込まれたファイルのフォーマットによってカラーが異なっていましたが、Illustratorでは、そういうことはないようです。すべて同じようにカラー変換されています。

 InDesign CS3では、InDesignの塗り設定と同じカラーで変換されています。しかし、網点濃度としては、InDesignに貼り込んだPDFファイルのカラーマネージメント出力と、Illustrator CSのカラーマネージメント出力は、マッチングできないことになります。

●Illustrator CS3からカラー変換したPDF
090725-02.gif
赤く囲んだ部分がInDesignの塗り設定と同じカラーで変換されたもの。「シアン26%,マゼンタ20%,イエロー17%,ブラック0%」の濃度。2つのEPSファイルのみが、グレースケールのままでPDF化されています。


 どうすれば、IllustratorもInDesignも、カラーマネージメント出力した結果が同じようになるのでしょうか。同じにならない理由はどこにあるのでしょうか。



■カラーマネージメント出力の不思議についての解決策を募集します

InDesign CS3とIllustrator CSのカラーマネージメント出力の結果が異なってしまう理由の解決策を募集します。その不思議な原因を解明できる方は、私宛にメールをください。

もし、これこそが正解という解決策をお寄せいただいた方には、現在作成中の

Illustrator使いこなしの鉄則
InDesign使いこなしの鉄則


のいずれかを差し上げます(いずれもA5/96ページを予定)。あなたの解決策をお待ちしています(正解もしくは、面白い解答で、先着5名様まで、いただいた解決策は、メールやこのブログなどに掲載させていただきますので、ご了解ください。)。メール宛先は

jin-k@@incunabula.co.jp

「@」を1つ削除して、解決策をお送りください。














posted by 上高地 仁 at 10:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | カラーマネージメント出力
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Illustrator使いこなしの鉄則

  鉄則01:異なるバージョンでは開かない
  鉄則02:最新版にアップデートしよう 8.0〜9.0
  鉄則03:最新版にアップデートしよう 10.0〜CS2
  鉄則04:カラーマネージメント機能を使おう
  鉄則05:貼り込まれた画像のカラーはどうなる?
  鉄則06:透明効果の分割・統合をベクトル側で変換する
  鉄則07:透明分割とスポットカラーの怪しい関係
  鉄則08:ラスタライズ効果設定は「200 ppi」に設定する
  鉄則09:Illustrator CS以降で使うOpenType機能
  鉄則10:フォントはアウトライン化してPDF保存する
  鉄則11:PDF保存ではフチククリ文字はアウトライン化しない
  鉄則12:用紙サイズを大きくしてトリムマークを付けて保存する
  鉄則13:PDFのバージョンはAcrobat 4.0互換で保存する
  鉄則14:PDF保存ではIllustrator編集機能はオフにする
  鉄則15:RGBのEPS画像はそのままCMYKに変換される
  鉄則16:PDF保存ではICCプロファイルは埋め込まない
  鉄則17:Illustrator 10までは画像はダウンサンプルしない
  番外編1:可能な場合オーバープリントを保持とは
  番外編2:インテリジェンスなカラー変換
  番外編3:書き出されるPDFサイズ
  『Illustrator&InDesign使いこなしの鉄則』を発行します
 
Illustrator使いこなしの鉄則が改訂してiPhoneアプリになりました。

カラーマネージメント出力

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