2007年09月06日

iPhoneはやっぱりiPodファミリーだったぜ

 iPodのニューバージョンがリリースされました。日本人は関係ありませんが、iPhoneの大幅な値下げを行いました。落胆したアメリカ人も、けっこういるでしょう。数ヶ月でMacintoshの新しい機種が安値で発売され、歯ぎしりをした昔が思い出されますね。 おニューになったiPodシリーズの今回の目玉は、なんといっても、iPhoneから携帯電話の機能を省いた

iPod touch

ですね。これを見たとき、Appleの本命はiPhoneではなく、iPod touchではないかと、一瞬思いましたね。あるいは、iPhoneへのつなぎかもしれませんが。

802.11b/g Wi-Fiに接続が可能で、
ウェブブラウザ「Safari」を搭載


というのがいいですね。まあでも、そこまでするのなら、携帯の機能も欲しいよなあ、と思ってしまいますけどね。

 iPhoneは面白そうですね。もっとも日本でいつ、どういうかたちで発売されるのかわかりません。発売されない可能性も否定できません。できれば、日本のさび付いた携帯電話のマーケットにグサリと杭を打ち込んで欲しいものです。



 この間、本屋で『iPhone 衝撃のビジネスモデル』という本があったので読んでみました。アメリカでiPhoneが発売されたのは6月29日なんですが、この本の発行日は5月20日なんですね。詳しいことがわからないまま、本を出しちゃったわけですな。

 本の内容は、詳しい機能がよくわからないまま書かれているので、

iPhoneの可能性


をいろいろと考えるというところでしょうか。使ってもいないのに、思いこみが強すぎるのではないか、と思いつつ読んでいました。「衝撃のビジネスモデル」と言うほどのものではないと思いました。

 読み物としては、けっこう面白かったです。インターネットを取り巻く環境と携帯マーケットを取り巻く状況が解説されていて、そのあたりを整理する上では、価値ある本でした。アラン・ケイとかダグラス・エンゲルハートとかの名前が登場すると、けっこう懐かしい気分です。

 Web2.0の解説あたりは、

ふん

という感じで読んでいました。Web2.0なんて、詰まるところ、Googleとアマゾンだけの話で、あとは、ブームに乗っかっろうとした駆け込み乗車組ですから。私に言わせれば、「Web2.0の90%はクズである」ですね。

 同じ著者で以前読んだ『暗証番号はなぜ4桁なのか?』という本は、けっこう面白かったのですが、『iPhone 衝撃のビジネスモデル』の方は力みすぎですね。iPhoneが携帯ビジネスの収益構造を変えることができるかどうかは、はっきり言って未知数です。Appleがそこまで考えているかもわかりませんしね。Appleの基本姿勢は、デバイスを売りたいということですから。



 私はこの本を読んで感じたのは、やはり、iPhoneは新しいビジネスモデルではなく、iPodビジネスの延長にあるものだということです。当面はiPhoneはiPodのユーザーが使うわけでしょう。iPodと携帯の両方を持っていて、それを一つにするのであれば、多少高くてもいいから、iPhoneを買いたいと思うわけです。まずは、無料のiTunesで飼い慣らされたユーザーに提供するバリエーションの一つがiPhoneではないでしょうか。

 もちろん、iPhoneの可能性や将来性は、いろいろあるでしょう。ジョブズが言うように、今年の9月末までに100万台というのは、どういう根拠なのかわかりませんが、もし、iPhoneがそんなにたくさん売れれば、今度はiPodの方が売れなくなるのは目に見えています。いままで、iPodを使っていなかった人が、すぐさま、iPhoneを買うというのは、かなり難しいと思いますね。けっこういるんでしょうが、劇的に多いと思えませんね。

 Appleは新しい製品を数々世に問いましたが、Macintosh以後、新しいマーケットを開拓できたのは、iPodのみです。それ以前の

レーザープリンタ(LaserWriter)
デジカメ(QuickTake)
PDA(Newton)


は全部、キャッチアップに失敗して、Appleを支える事業にはなりませんでした。なんかこれって、新製品を開発しても、売れそうになったら大手の電機メーカーにマーケットを奪われてきた日本の中小の電気メーカーと同じですよね。



 Appleは、iTunesを梃子にして、iPodで独り勝ちになりました。それをベースにして、iPodマーケットをさらに進めていくのが順当なやり方でしょう。本当にiPhoneが普及して、多大なシェアを獲得できたら、そこではじめて、iPhoneの「衝撃のビジネスモデル」を考えることになるのではないでしょうか。いまは、単に、iPodファミリーの一つでしかありません。

 マーケットが成熟すると、コピー機とレーザープリンタとFAXとスキャナの複合機のようにセット商品になるのが、ランチェスターのという特性です。携帯プレーヤーと成熟期を迎えつつある携帯電話が複合されるのは、当然の帰結ですけどね。

 でも、Appleにとっての基本は、iPodユーザーです。iPodユーザーが「コア・コンピタンス」であり、それこそがAppleの強みです。iPodユーザーの懐に、どこまで入り込めるのでしょうか。これからも面白くなりそうです。だから当分は、iPhoneはそれ以上のものではないと思いますね。

 といいつつも、iPhoneは面白そうです。なんか、これからもいろいろと予想外のサプライズがありそうです。サプライズを期待してワクワクできるものこそが、これからは必要なんでしょうね。


◆アップル、「iPod」シリーズを刷新--「iPod touch」や価格改定を発表[CNET]
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20355848-2,00.htm

◆アップル新iPodシリーズ、日本国内でも販売開始へ[CNET]
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20355860,00.htm

◆フォトレポート:アップル、タッチスクリーン型iPod touchなど発表[CNET]
http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000056025,20355844,00.htm








posted by 上高地 仁 at 20:50 | Comment(0) | TrackBack(1) | ニュース&トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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