2007年07月24日

■Illustratorの鉄則12:用紙サイズを大きくしてトリムマークを付けて保存する

あなた:A4サイズのドキュメントをPDF保存すると、ちゃんとしたA4サイズにならないんですが、どうしてでしょうか。

マスターヨーダ:A4で作成したとき、PDFのサイズが「210×297mm」ではなく

209.9×297.04mm

になるのであろう。それは簡単じゃ。Illustratorのドキュメントサイズが、もともと「210×297mm」になっていないからじゃな。

あなた:しかし、書類設定のアートボードサイズは、ちゃんと「A4」を選択しています。マスターヨーダ:[幅]と[高さ]はどうなっておる。ポイントで表示されておらんか。あるいは、すでに「209.9×297.04mm」になっておらんか。

あなた:たしかに、書類設定では「209.9×297.04mm」になっています。

マスターヨーダ:Illustrator10までは、用紙設定でプリンタを指定すると、アートボートサイズがプリンタの用紙サイズになるんじゃ。プリンタのPPD(プリンタ記述ファイル)の数値を参照するわけじゃな。ところが、プリンタの用紙サイズは、すべてポイント整数値で記載されておる。だから、プリンタを指定すると、用紙サイズはポイント整数値に変換されるんじゃな。

Illustrator 10までは、用紙設定は個別に行うようになっておる。また、書類設定の[アートボード]に[用紙設定を使用]というチェックボックスがあるじゃろう。あれをチェックすると、指定したプリンタのサイズがアートボードサイズとして適用されるようになっておる。「209.9×297.04 mm」というのは、ポイントでいうと「595×842 point」じゃよ。

Illustrator CS以降は、ファイルメニューに[用紙設定]というメニューはないのじゃ。用紙設定はプリント時に指定するようになっておる。だから、「A4」で作成すると「210×297mm」でアートボードが生成されPDF保存するときは、「210×297mm」で保存される。プリントするときに、プリンタのPPDのサイズに変換されるようになっておる。

あなた:なるほど、Illustrator 10までは、用紙設定を使用しなければいいわけですね。


マスターヨーダ:その通りじゃな。ドキュメントを作成するときに、書類設定の[アートボード]をチェックすることが重要じゃ。

IllustratorでPDF保存するときには、用紙サイズに関しては、もう1つ重要なことがある。印刷用のPDFを作成する上では、避けては通れん問題じゃ。何のことか、わかるか。

あなた:印刷用として重要なものだとすると、トンボですね。A4のドキュメントをA4のまま保存すると、トンボのないPDFになりますからね。

マスターヨーダ:さすがじゃな。トンボを含んだPDFを作成するには、アートボードサイズを大きくする必要があるんじゃ。A4であれば、B4という具合にな。そうすると、Illustratorで作成されたトリムマークをアートボード内に反映させることができる。


●Illustrator 9.0で書類設定のアートボードサイズを大きくする
12-01.gif


   ↓

12-02.gif

Illustrator CSまでは、仕上がりサイズよりひとまわり大きいアートボードサイズを指定します。大きくしたアートボード内にトリムマークを収めます。そうすることで、印刷用のトンボと塗り足しをPDFに反映することが可能です



Illustratorから作成したPDFでは、アートボード外のオブジェクトは無視されるんじゃ。したがって、ドキュメントサイズを大きくした上で、トリムマークをアートボード内に収める必要がある。それでPDF保存すれば、塗り足しを反映したPDFになるぞ。

それとな、A4サイズのPDFでは複数のドキュメントを割り付けして出力することがある。その場合は、トリムマークの外にオブジェクトはすべて削除しておく方がよい。画像がはみ出している場合は、トリムマークの内側に収まるように、マスク処理しておくことじゃ。

あなた:Illustrator CSでは、PDF作成時にトンボを追加する機能がありますね。あの機能でトンボを追加してもいいんでしょうか。


マスターヨーダ:Illustrator CSから、PDF作成のウィンドウが一新されておる。[Adobe PDFオプション]の[トンボ・裁ち落とし]を設定すれば、ドキュメントサイズにトンボが追加されてPDFが作成されるようになった。必要なトンボを追加して、裁ち落としを設定すればよい。


●Illustrator CSの[トンボ・裁ち落とし]
12-03.gif

Illustrator CSからはPDF保存時に、トンボと裁ち落としを追加することができるようになりました。ただし、Illustrator CSではアートボード内にあるすべてのオブジェクトを認識してPDFを作成してしまいます。ですから、Illustrator CSでは10.0までと同じように、アートボードサイズを拡張して作成するほうがいいでしょう。また、Illustrator CS2以降は、PDF保存時に[トンボ・裁ち落とし]を指定すると、アートボードサイズを仕上がりサイズにしてPDFを作成し、トンボの外にあるオブジェクトは削除するようになっています。



[トンボ]は、[トンボ]と[レジストレーションマーク]をチェックし、[種類]では「日本式」の二重トンボ、[太さ]で「0.25 pt」以下を選択しておけばよい。また、[裁ち落とし]を設定しないと、アートボードの外にある塗り足しはPDFに反映されん。

ただしな、Illustrator CSの[トンボ・裁ち落とし]機能には問題があるんじゃ。

あなた:問題ですか..。使えないような問題でしょうか。

マスターヨーダ:ふむ。問題というのはじゃな...





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posted by 上高地 仁 at 13:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | Illustrator使いこなしの鉄則 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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