私の家にもバードディスクレコーダがあります。ほとんど子供の裏録用の機械と化しています。まあ、たまに、NHK特集のドキュメントとかを録画することがありますが、コピーワンス1回の制限があると、DVD-Rにコピーする気にはなりません。やっぱり、DVDを買いたいとか思いますね。
「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」という団体が、
コピーを10回するのであれば、保証金をよこせ
と主張している(最初にハードディスクにコピーするのが1回と、1世代コピー9回での合計で10回)ので、論議を呼んであるようですね。正確には「私的録音録画補償金制度」という制度が今でもあって、それを維持しろ、といっているだけなんですが、デジタルになって、見直しが必要なのかもしれません。 ただ、コピープロテクトは、いつかは破られます。いつかではなく、すぐに破られるでしょう。ネットワークのファイル共有ソフトがあれば、そうした複製は簡単に手に入ります。ですから、そういうノウハウを持った人は、どんなプロテクトを施しても、やっぱりデジタルデータをコピーしてしまうでしょうね。
そうなると、そういうリテラシーを持たないユーザーだけが、損をする仕組みになっていくのだろうと思いますね。
「デジタル私的録画問題に関する権利者会議」の主張は、フリーコピーは許せないというものですが、フリーコピーするに値しないコンテンツは、はっきりいってクズではないのか、と思いますね。スタージョン曰く
あらゆるものの90%はクズである
ですから、音楽や映像、実演などのコンテンツも、まあいえば、90%はクズかもしれませんね。
私なんかが思うのは、最初からハードディスクにコピーするときに、ダウンサイズ、ダウンクオリティの動画にしておき、そこからコピーする分には無制限にする方が賢いとおもいますね。まあ1回目はフルスペックでもいいかもしれませんけどね。もし、コンテンツがいいものであれば、DVDのパッケージが売れたり、その他の関連商品を販売することができるからです。
「コンテンツに対する尊敬の念を持って頂きたい」と日本音楽作家団体協議会の服部克久会長は言っているわけですが、コピーを制限するのと、コンテンツに対する尊敬の念とは違うものです。ただで観たって、コンテンツに対して尊敬の念はいだけるはずですから。
デジタルコンテンツについては、ある部分では、フリーコピーして普及させる仕組みが必要ですね。金を払わなければ、一切見せない、一切聞かさないというのであれば、支払う額は、ユーザーが決めればいいわけです。もし、映画を観て中身がクズだったから、
オレの2時間分のカネを返せ
と言われたら、のし付けてお金を返すくらいの腹が欲しいもんです。だって、一般の商品では、クーリングオフのような消費者を守るような仕組みがあるわけです。なぜ、価値のないコンテンツには、返品の自由がないのか、私には理解できません。
コピー制限の議論はまだ当分続くでしょうが、いずれにしても、これからのコンテンツは中身が勝負になりますね。これは今までより、熾烈な闘いになります。既成の枠組みの中で安穏と従来を踏襲したコンテンツは生き残れなくなりそうです。まだまだ、面白くなりそうですね。
◆「1世代コピー9th」では誰も幸せになれない[ITmedia]
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0707/23/news009.html
◆「コピー10回だからこそ、補償金制度が不可欠」――権利者団体が主張[ITmedia]
http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0707/17/news065.html
■著作権についてはこちらも御覧下さい
デファクト・スタンダードの真実
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/defect_standard/index.html
ラベル:コピー制限,デジタル・コンテンツ