■Illustratorの鉄則08:ラスタライズ効果設定は「200 ppi」に設定する



あなた:Illustrator 8.0からIllustrator CSやCS2に移行とするとしたら、カラーマネージメントや透明効果以外に、押さえておきたいものは他にはあるでしょうか?

マスターヨーダ:ホォ、Creative Suite環境に移行したいのかぇ。新しいバージョンは便利じゃが、それなりの環境が必要じゃ。特にメモリはな、多い方がよいぞ。Mac OS XでPhotoshop、Illustrator、InDesignを使うのであれば、最低でも2GBは必要じゃろうな。Illustrator CS2だけでも推奨メモリは256MBあるからのう。

あなた:・・・2GBが標準ですか。

マスターヨーダ:いや、標準ではないぞ。最低必要条件じゃ。いまどきのメモリなんぞ、安いもんじゃからな。惜しまず増設するべきじゃな。

あなた:ハハハ、そうそう、そうですね。それで、次に押さえておきたいポイントはあるんでしょうか。

マスターヨーダ:あるとも、それはな、ドロップシャドウよ。ドロップシャドウはな、透明と同じくらい難解じゃ。ドロップシャドウが出力されるまでの仕組みは知っておるか。あなた:オブジェクトに影を付ける機能でしょ。むかしはPhotoshopで作成した影と重ね合わせるしかできなかったのに、便利になりましたね。

マスターヨーダ:その通りじゃな、ドロップシャドウは画像データとして作成するしかなかったんじゃ。ややこしいのはそこよ。ドロップシャドウを作成できることで、Illustratorはベジェで線を作成するだけでなく、画像を作成する機能を持ったことなんじゃ。もっといえば、IllustratorのなかにPhotoshopの機能が組み込まれておるわけじゃ。

あなた:そうか、ドロップシャドウはIllustratorでも画像データなんですね。


マスターヨーダ:それが少し違うんじゃな。出力するときは画像データにせねばならん。しかしじゃ、Illustratorのファイル内では、ドロップシャドウは画像される前の状態なんじゃ。

あなた:画像なのに、画像ではないわけですか。複雑ですね。


マスターヨーダ:ドロップシャドウはIllustrator 9.0から追加された機能じゃが、どのメニューに含まれておる?

あなた:新しく追加された「効果メニュー」ですね。効果メニューの[スタイライズ]に含まれています。

マスターヨーダ:ドロップシャドウでも、フィルタメニューから作成すれば、ドロップシャドウ部分は画像に変換されて作成される。しかし、効果メニューから作成するほうが便利じゃろ。

ドロップシャドウを効果メニューから作成すれば、アピアランスパレットを開いて、ドロップシャドウの設定を再編集することが可能じゃからな。再編集するために、画像化しない状態で保存する機能が「効果メニュー」というわけじゃ。


●アピアランスで開く「ドロップシャドウ」ウィンドウ
08-03.gif

   ↓


08-04.gif




ドロップシャドウオブジェクトを選択して、アピアランスパレットから[ドロップシャドウ]をダブルクリックするとウィンドウが開きます。このウィンドウで再編集できます。



あなた:なるほど、そうでしたね。再編集するためのライブ効果というわけですね。そうすると、画像に変換されるのは、どういうときですか。

マスターヨーダ:出力するときは当然じゃな。EPS保存すると、出力用で利用されるデータ部分は画像化されておる。また、PDF保存するときもじゃ。「Acrobat 5.0互換」で保存しても、ドロップシャドウなどのラスター効果は画像に変換されるのじゃ。

それと、オブジェクトメニューで[アピアランスを分割]したときも、ラスター効果は画像になる。アピアランスを分割してしまえば、フィルタメニューで作成するのと同じことじゃからな。

あなた:わかりました。出力したり、PDF保存するとアピアランスが分割されるわけですね。そうすると、ラスター効果の解像度はどこで決まるんですか? どこかに解像度を指定する設定がありますよね。

マスターヨーダ:その通りじゃ。効果メニューを開くと、最初に[書類のラスター効果設定]というメニューがあるじゃろう。そのウィンドウで設定するのじゃ。Illustrator 9.0ではすこしわかりにくいがな。[ラスタライズ]のサブメニューにある[ラスター効果設定]が、それと同じものじゃ。

[書類のラスター効果設定]で指定すべき重要なものは、もちろん

解像度

じゃよ。カラーモードは「CMYK」のままでよいし、あとの設定は[背景]が「透明」になっておれば、デフォルトのままでよい。ここで指定する解像度で、ドロップシャドウが画像化されるときの解像度が決まるんじゃ。

問題はじゃな。この[解像度]のデフォルト値が印刷用ではないことなんじゃ。新規書類を作成すると、[書類のラスター効果設定]の解像度は

72 ppi

になってしまうんじゃ。つまり、画像化されたときの解像度が「72 ppi」じゃ。グラデーションでも印刷用では「150 ppi」は必要じゃから、ドロップシャドウなどのラスター効果を使う場合は、[書類のラスター効果設定]ウィンドウで[解像度]を変更しておく必要があるんじゃ。

●Illustrator 9.0の[ラスター効果設定]ウィンドウ
08-02.gif

Illustrator 9.0では[ラスター効果設定]、Illustrator 10とCS2までは[書類のラスタライズ効果設定]もIllustrator CS3では[ドキュメントのラスタライズ効果設定]となっています。なお、Illustrator CS2の新規書類では「150 ppi」がデフォルトで、CS3では[プリントドキュメント]を選択すると、「300 ppi」が設定されます。



あなた:「72 ppi」だと、かなり粗い階調ですね。

マスターヨーダ:まあ、使えんことはないがな。プロとしては「72 ppi」での画像化は勘弁して欲しいものじゃな。

あなた:プロとしては、その通りですね。ところで、[書類のラスター効果設定]は、Illustratorのバージョンが違っても異なる部分はないんですか。

マスターヨーダ:ほぼ、同じじゃな。ただ、Illustrator CS2からは特色に対応しておる

可能な場合特色を保持

というオプションが追加されておるのじゃ。このオプションをチェックしておくと、ドロップシャドウ部分に特色を指定したとき、特色のまま画像化されるのじゃ。プロセス4色に特色を追加し、その特色にドロップシャドウを指定しても、特色のまま出力することが可能じゃ。

いままでは、特色を指定したオブジェクトに特色のドロップシャドウを追加しても、アピアランスを分割すると、特色はCMYKに変換されてしまったんじゃ。CS2からは、「可能な場合特色を保持」することが可能なんじゃ。ドロップシャドウが正しく特色になっているかどうかは、PDFにしてAcrobat 6.0 Pro以降の分版プレビュー(出力プレビュー)で確認すればよい。

あなた:[書類のラスター効果設定]ウィンドウの下にコメントがありますね。

これらの設定を変更すると、現在適用されている

ラスター効果のアピアランスに影響する場合があります。


と書かれていますが、これはどういう意味ですか。[解像度]を変更すると、「アピアランスに影響」ということは、レイアウトが変わるということでしょうか。

マスターヨーダ:困ったもののよう。小さな字で重要なことを、さりげなく書いてあるわい。





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Illustrator使いこなしの鉄則

  鉄則01:異なるバージョンでは開かない
  鉄則02:最新版にアップデートしよう 8.0〜9.0
  鉄則03:最新版にアップデートしよう 10.0〜CS2
  鉄則04:カラーマネージメント機能を使おう
  鉄則05:貼り込まれた画像のカラーはどうなる?
  鉄則06:透明効果の分割・統合をベクトル側で変換する
  鉄則07:透明分割とスポットカラーの怪しい関係
  鉄則08:ラスタライズ効果設定は「200 ppi」に設定する
  鉄則09:Illustrator CS以降で使うOpenType機能
  鉄則10:フォントはアウトライン化してPDF保存する
  鉄則11:PDF保存ではフチククリ文字はアウトライン化しない
  鉄則12:用紙サイズを大きくしてトリムマークを付けて保存する
  鉄則13:PDFのバージョンはAcrobat 4.0互換で保存する
  鉄則14:PDF保存ではIllustrator編集機能はオフにする
  鉄則15:RGBのEPS画像はそのままCMYKに変換される
  鉄則16:PDF保存ではICCプロファイルは埋め込まない
  鉄則17:Illustrator 10までは画像はダウンサンプルしない
  番外編1:可能な場合オーバープリントを保持とは
  番外編2:インテリジェンスなカラー変換
  番外編3:書き出されるPDFサイズ
  『Illustrator&InDesign使いこなしの鉄則』を発行します
 
Illustrator使いこなしの鉄則が改訂してiPhoneアプリになりました。

カラーマネージメント出力

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Vistaフォント、混乱の真犯人は誰だ

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