2007年07月12日

■Illustratorの鉄則07:透明分割とスポットカラーの怪しい関係

あなた:透明効果を分割すると、オブジェクトが分割・統合処理されるわけですね。それって、具体的にどういうことですか?

マスターヨーダ:「分割・統合」という言葉もわかりにくいかもしれんのう。言葉通りのことなんじゃがな。

まず、「分割」というのはじゃ、Illustratorデータのうち、透明部分と、透明でない部分を切り分けることじゃ。服を作るときに生地の上に型紙を乗せて、生地を切り取るじゃろ。あれと同じ要領じゃ。生地の部分が透明部分というわけじゃな。Illustratorのベクターデータ(線画)も、埋め込み画像のラスターデータも全部分割するのじゃ。そして、分割した部分で透明の影響を受けない部分は、そのままにするわけじゃ。影響をうける部分は「統合」するんじゃ。「統合」という言葉を使うより、

合成する

といった方がわかりやすいかもしれん。複数のオブジェクトを合成して1つのオブジェクトにするんじゃ。

あなた:そうすると、画像とテキストが重なっているときはどうなるんですか? テキストと画像を合成すると、テキストも画像になるんですか。


マスターヨーダ:その通りじゃ。テキストアウトライン化されて、合成されることになる。墨ベタのテキストはそのままじゃが、それ以外のカラーをテキストに指定しているときは、テキストと画像を合成した画像を作成するんじゃ。画像化することで、透明部分が反映される。アピアランス(見た目)が保持されるわけじゃ。

あなた:テキストもそのまま画像化されるんですか?

マスターヨーダ:いや、そうではないぞ。合成した画像をテキストのパスで切り抜くんじゃよ。つまり、テキストのアウトラインパスをクリッピングパスにするんじゃ。

●Illustrator 9.0で透明のテキストと画像を分割する

07-01.gif

   ↓

07-02.gif

墨でない透明のテキストを分割すると、背面とテキストを取り囲む矩形ボックスで合成された画像が作成されます。そしてアウトライン化されたテキストで合成画像をマスクしてアピアランスを維持します。




あなた:なるほど、それでテキストに透明が重なっても、テキスト部分に透明の画像データが反映されるんですね。いやいや、複雑な処理をしているんですね。

マスターヨーダ:テキストの上に透明の画像がある場合は、もとの画像はそのままで分割・統合された画像がマスクされて重ねられるんじゃ。

あなた:うーん、アピアランスを維持するって、大変なんですね。Illustratorって偉いですね。そうすると、透明に特色を指定しているときは、どうなるんでしょうか?

マスターヨーダ:特色か? 分割・統合では特色は御法度じゃよ、基本的にはな。というのは、統合するときのカラーモードはCMYK(ドキュメントのカラーモード)になるからじゃ。CMYKになってしまえば、特色ではなくなるからの。透明を指定し、それを分割・統合するいうことは、別の色に変わるということじゃろ。特色では表現できん。

あなた:だとすると、特色を使うときは、透明効果は使えないんですね。

マスターヨーダ:そうではない、すべての透明効果が使えんわけではないんじゃ。特色のオーバープリントは可能なんじゃ。

あなた:特色のオーバープリントと透明効果と関係があるんですか?

マスターヨーダ:オーバープリントとのう、描画モードの[乗算]は同じものじゃよ。印刷するときはな。違うかな。

あなた:同じもの? あっ、[乗算]しても、印刷したときの結果はオーバープリントと同じですね。モニタで確認できるかどうかの違いですか。

マスターヨーダ:必ずしもそうではないがな。オーバープリントしてプレビューしたものと、[乗算]としたものアピアランスは同じじゃからのう。じゃから、透明効果のなかで、オーバープリントに置き換えることができるものは、場合によっては、オーバープリント化することも可能なんじゃ。

あなた:どうすれば、特色の[乗算]をオーバープリントに変換できるんですか?

マスターヨーダ:無理して特色に[乗算]を使う必要はあるまいて。特色を属性パレットでオーバープリント化して、画面メニューから[オーバープリントプレビュー]を選択して確認すればよいではないか。そう思わんか。

あなた:まあそうですが、[乗算]を使う方が簡単で、わかりやすいでしょう。一応、[乗算]を使ってオーバープリントに変換する方法も教えてくださいよ。

マスターヨーダ:仕方がないのう。「Acrobat 5.0互換」でPDFを保存すればいいんじゃよ。「Acrobat 5.0互換」だと、透明が分割されることないからじゃ。Illustrator CSの場合は、PDF保存するとき「Acrobat 4.0互換」でも[不透明度]や[乗算]はオーバープリントに変換されるんじゃ。


あなた:なるほど。あの、ドロップシャドウに特色を指定することはできるんですか? ドロップシャドウの画像は、分割・統合するとやはりCMYKモードになってしまうんですね。


マスターヨーダ:Illustratorで特色を使い、特色が反映されるPDFを作成する方法はな...。






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posted by 上高地 仁 at 11:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | Illustrator使いこなしの鉄則 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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