2014年05月26日

Kindleブックはスパム化が決め手だ〜13ヶ月でKindle本7冊、月間ロイヤリティが三万円になるまで〜

 日本の電子書籍はKindleが本命になりそうである。アップルはApp Storeのプックカテゴリーでほぼ絶対的な地位を得ていたが、ブックアプリをリリースしていた出版サイドの多くはiBookstoreには移行しなかった。結果としてKindleが日本での電子書籍の主導権を握った。電子書籍を発行する側も、電子書籍を買う側もKindleを選択したわけである。

 Kindleで電子書籍を売る場合−−Kindleでは無制限で無料配信することはできないので売るしかない−−は、できるだけ価格を下げてトップチャートのランクインを目指すことが多い。この方法はApp Storeでブックアプリを販売していたときと同じ手法で、チャートの上位にあがることで露出を増やしてダウンロードを増やす。チャートの上位にあれば、注目度は高くダウンロードされ易くなる。

 さてこの方法では短期的にダウンロードされても、ロングランという訳にはいかない。出端のダウンロードを増やしてチャートインしても、売れ続けるかどうかは別だからである。本を出す以上、たとえ最初に売れても誰でも「一発屋」で終わりたくない。できれば長く売れてほしいと思うが、そればかりは誰にもコントロールできない。露出を増やしてより多くの人に知ってもらわなければ、売れるのは難しい。売れるかどうかは本の中身も重要だが、運にも左右される。

 Kindleでコンスタントに電子書籍を売るには、ランキングチャートではない方法を考えた方がいいのではないか。ランキングは随時変わっていくから、チャートに依存してもロングランは難しい。チャートにランクインするには、時流に合わせた内容の本を書くのがもっとも手っ取り早いだろう。

 Kindleでロングランを目指すには、どうすればいいのだろうか。それは、電子書籍をスパム化することである。スパムというのはもともとはランチョンミートの缶詰のことだったが、いまではメッセージを繰り返して何かを溢れさせるような迷惑行為のことをいう。つまり同じメッセージを必要以上に繰り返すことで迷惑であっても、確実にメッセージを伝えることができる。

 App Storeでは同じ見た目のアプリを複数申請すると「スパム」としてリジェクトされる。たとえばゲームとかは、一つヒットしたからといって似たようなものをたくさん出すことが可能だ。名前を変えキャラクターを変えていくと、いくつでも同じ仕様のアプリをリリースできる。アップルはそれを嫌っているのだ。そのため同じ開発者が似たような仕様のアプリを申請することを拒絶するのだ。

 しかし逆に言うと、スパム化すると目立つ。そしてランキングや検索結果を占有することができる。ランキングの占有は難しいが、検索結果の占有は可能だろう。そのためには、同様のカテゴリーでより多くのKindle本をリリースすることではないだろうか。

 私の場合だと、たとえば「Acrobat」というテーマで本を10冊Kindleに申請する。誰かがアマゾンで「Adobe Acrobat」で検索すると、その大半は私の電子書籍になる。同じ著者で検索結果を占有すると、それだけでブランディングになる。短期的に電子書籍を売ることよりも、長く売り続けるには、それがもっとも近道ではないだろうか。

 e色彩学校の長谷井康子さんが約1年で7冊(現在は8冊)のKindle本を発行して、コンスタントに本が売れているのは、同様のカテゴリーで長谷井さんの本が並んでいるためではないか。Kindleストアで「色彩検定」と検索すると、長谷井さんの本がずらっと並ぶ。検索結果を見た人は、何冊も本を出している著者と一冊しか配信していない著者とではどちらに安心感を抱くだろうか。

 Kindleは一昨年の末に日本でローンチした。始まったばかりだ。Googleの検索結果を占有するのはもう手遅れだが、Kindleの検索結果を占有するのはいまからでも遅くはない。Kindleはまだ未開拓の曠野なのである。



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◆13ヶ月でKindle本7冊、月間ロイヤリティが三万円になるまで


posted by 上高地 仁 at 19:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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