2007年04月17日

Flash vs Silverlightで過熱するMicrosoftの対Adobe戦略

 MicrosoftがAdobeのマーケットに照準をあわせてきていますね。OfficeやVistaにPDF作成機能を追加したのにつづき、対Flashアプリケーション、Silverlightも正式発表となりました。ますます、ヒートアップするMicrosoft vs Adobeの戦いは目が離せませんね。

 むかし、Adobeは、Microsoftに煮え湯を飲まされています。安価で高品位なアウトラインフォントを欲しがったMicrosoftのゲイツと、高価なPostScriptフォントのライセンスフィーに嫌気の差したAppleのガゼーとが結託してできたのが、TrueTypeフォントでした。あのとき、ワーノックは、TrueTypeフォントを指して

蝦蟇の膏だ

と言ったとか(『アップル(上)/ジム・カールトン著』182ページ参照)。

 大企業になると、成長しているマーケットを資金と人員を物量で投入し、弱小企業のマーケットを簒奪するのが基本的な戦略です。Microsoftでなくても、どこでも同じです。それが一番近道だからです。Microsoftは、過去にもワープロ、表計算ソフトなと、かつてはパートナーだった企業のマーケットを簒奪して成長しています。

 ですから、Microsoftがソフトウェア業界第二位の売上を持つAdobeのマーケットに参入するのは当たり前のことですね。かつてのソ連が不凍港を求めて南に侵略していったように、これは当然の理です。

 今のところ、MicrosoftがAdobeをキャッチアップできる可能性は小さいでしょう。しかし、ライバルのいないAdobeには、Microsoftの進出はいい刺激になると思いますね。話題性も高まるし、ユーザーにとってもメリットがありそうです。

 Microsoftも驚くような力業を披露するかもしれません。Adobeが

柔よく剛を制す

とうまくかわして逃げ切れるのでしょうか。Adobeも「Philo」というAdobe Media Playerを発表して、Flashの脇を固めつつあります。

 過熱する向こうには、YouTubeでいっきにふくらんだ動画マーケットがあるんでしょうね。まだまだ、Microsoftにとっておいしいマーケットとは思えませんけどね。

 TrueTypeフォントが発表されたときは、Adobeの株価は半値になったそうです。もうそんなことはないでしょうね。Microsoftが狙っているのは、Adobeのマーケットを奪うことではなく、大きな膨らんだマーケットのお裾分けかもしれません。Microsoftの顧客だけが使っても、ビジネスとしては成り立つでしょうから。あわよくば、とは思っていると思いますけどね。


◆MS、「Flash Player」に対抗する「Silverlight」を発表[CNET]
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20347201,00.htm

◆アドビ、オフラインでFlash動画を再生可能なプレーヤーを発表へ[CNET]
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20347182,00.htm

posted by 上高地 仁 at 12:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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