2013年10月18日

「鉄則番外編05:Illustrator CCの画像の埋め込み解除はどこまで使える」をIn-Appしました。

 Illustrator CCがリリースされて、AdobeはCreative Cloudへの誘導に余念がないようです。今回はCreative CloudとCreative Cloudのみの新しい機能「画像の埋め込み解除」について書いてみました。埋め込み解除ではなく、画像書き出しと再リンクする機能です。Photoshopでもできないことはない機能。Creative Cloudのみにする必要はあるのかしらん。詳細は「Illustrator使いこなしの21の鉄則」でご覧ください。

 鉄則番外編05:Illustrator CCの画像の埋め込み解除はどこまで使える

あなた:Illustrator、とうとう新しいバージョンはパッケージ販売に対応しなくなりましたね。Creative Cloud版ですね。これからはIllustrator CCを使うしかないんでしょうか。

マスターヨーダ:そうじゃな。この流れは戻ることはあるまいぞ。Creative Cloudはサブスクリブション(定期購入)じゃから、契約が切れたらインストールしたアプリはもう使えん。当分はパッケージ版のIllustrator CS4〜CS6でしのいでいく方が安くあがるじゃろう。

あなた:Illustrator CS4でも大丈夫なんですか。

マスターヨーダ:作成するだけであればな。実際はそうはいかんじゃろ。データは流通するであろうが。クライアントがIllustrator CCを持っていれば、データ制作側もIllustrator CCを使うしかあるまい

あなた:そうですね。Illustrator形式でも入稿が必要な場合もありますものね。Illustrator CCで作成しなければならない場合もありますね。

マスターヨーダ:2013年第3四半期(6〜8月)でCreative Cloudの契約数が100万本を越えたそうじゃ。その前の第2四半期から33.1万件の増加となっておる。今年に入ってCreative Cloudの契約が急激に増えているわけじゃ。プレスリリースによると企業向けのCreative Cloudが増えておるらしい。

あなた:Creative Cloudの契約数が100万本ですか。うーん、それって多いんですか、少ないんですか。どうなんだろ。

マスターヨーダ:ま、微妙なところじゃな。Adobe Creative Cloudは個人ユーザーの場合、日本での月額は5,000円じゃ。年間にすると6万円の売り上げというわけじゃ。1ドル100円で計算すると、年間では600ドル、つまり6億ドル程度の売り上げと言うことになる。

法人は個人より高いが、数の多い法人ではボリュームライセンスで契約すれば値引きされる。ただしかなりの契約数が必要じゃ。最低でも50ライセンスは必要じゃ。Creative Suiteのボリュームライセンス、アドビエンタープライズ契約では100ライセンスだったからのう。少しは入り口を緩めたようじゃわい。平均すると法人販売でも1本あたりは個人向けと同じような売り上げになるじゃろう。

あなた:100万本って大半はアメリカで売れているんじゃないんですか。Adobe Creative Cloudはアメリカでは月額いくらなんですか。

マスターヨーダ:そうじゃ。100万本の多くはアメリカでの販売じゃろう。アメリカでは個人向けは月額49.99ドルじゃ。年間にすると600ドルとしてカウントすることができるぞ。

あなた:アメリカでもほとんど同じ価格なんですか。普通、日本ではアメリカより高い値段で売るんじゃありませんか。急激に円安になったから、同じような価格になってしまったのでしょうか。

マスターヨーダ:おそらくそうじゃろう。普及していないときに価格を上げるのは難しいからのう。そのままになっておるのかもしれん。このまま今の為替レートが定着すると値上げしてくる可能性はあるじゃろうな。そのあたりは普及具合を睨みつつということになるが、可能性は決して低くはないじゃろう。

IllustratorやPhotoshopはライバルが存在せん。もともとこの業界にはいくつもの企業があったが、AldusもMacromediaもAdobeと合併した。たまたまAdobeの名前が残っただけであって、グラフィックソフトメーカーの集合体じゃ。AdobeはMacromediaを買収したが、買収後はMacromedia出身の社員の方が肩をいからせていたものじゃ。合併せず生き残っているのはQuarkくらいのものじゃろう。

ということで競合製品がないわけじゃから、ユーザーはAdobe以外の選択肢がほとんどない。普及しきってしまえば、別途課金する追加オプションを用意したり実質的な値上げを考える可能性はあるわな。ただしまだ年間で6億ドルじゃからな。また当分は値上げせずに普及を最優先するじゃろうて。

あなた:100万本程度ではAdobeが想定した普及数には達していないということですか。年間6億ドルか、Adobeの年商っていくらでしたっけ。

マスターヨーダ:2012年では四半期三ヶ月で約10億ドルくらいじゃな。Adobe製品はクリスマスシーズンには関係ないからの。そのまま4倍すればよい。年間で40億ドル程度の売り上げじゃ。日本円にすると4兆円規模の企業じゃな。日本では伊藤忠商事、NTTドコモ、新日鐵住金といったところじゃ。

あなた:なるほど、でも、100万本6億ドルくらいだったらAdobeの規模から言うと全然じゃないですか。Creative Cloudの契約が増えればパッケージ販売は減るわけでしょう。

マスターヨーダ:パッケージは売らなくなるからのう。ただし四半期で30万本の契約があったということは、来年の末には200〜300万本程度の契約はあり得る。300万本あれば年間で18億ドルじゃ。Adobeの売り上げの多くは最近買収した企業からのものが増えておる。古いグラフィック、マルチメディア関係のアプリでそれだけ売れれば御の字じゃろうて。しかもCreative Cloudは在庫も不要で、利益率もきわめて高い。経営も安定する。そこで儲けた金でこれからも成長性の高い企業の買収を積極的に行うようになりそうじゃ。

あなた:でも、300万本も売れますかねぇ。グラフィックソフトのマーケットは広がっていませんものね。はっきり縮小均衡ですよね。

マスターヨーダ:その通りじゃ。売れる数はわからん。100万本でも天井かもしれん。しかしDTPやWebの制作するのであれば、Creative Cloudの他に道はないじゃろうて。印刷会社やデザイナーだけでなく、クライアントもCreative Cloudを導入していくことになるじゃろう。残念ながらCreative Cloudを持っていなければ、仕事にならない状況になっていくと思っておいた方が良いかもしれん。

ところで、Creative CloudではCS6とCCの両方をインストールできるが、普通は最新版を使うことが多いじゃろう。クライアントがCreative Cloudを契約している場合は、CS6もCCも使える環境を用意しておくほかはあるまい。CCで作成したIllustratorファイルをCS6で開くと、「データの一部が失われる場合があります」というアラートが出るからのう。

あなた:そういえばIllustrator CCから埋め込み画像の解除という機能が追加されましたが、古いバージョンのIllustratorファイルを開いても行えるのでしょうか。下位バージョンとのファイルの互換性が気になりますが…。

マスターヨーダ:「埋め込み画像の解除」じゃな。Illustrator CCのみに追加された機能じゃが、実はCS6でも使えるんじゃ。正しくはCreative CloudのCS6であればじゃな。

あなた:「埋め込み画像の解除」はパッケージ版のCS6でも使えず、Creative Cloud版では使えるわけですか。ニューバージョンの新機能を古いバージョンに落とすのは今までにない取り込みですね。もっともCreative Cloud版への誘導策でしょうけど。





続きはiOSアプリ「Illustrator使いこなしの21の鉄則」のアプリ内コンテンツでご覧ください。


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posted by 上高地 仁 at 21:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | Illustrator使いこなしの鉄則 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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