2013年07月28日

「Unlock-PDF」はセキュリティの削除ではなくセキュリティ内容を変更する

 PDFに設定されたセキュリティ内容を変更するツールが登場した。「Unlock-PDF」というウェブサービスでである。PDFを配信したい立場からすると、あまり歓迎できない側面もあるが、プリントやテキストのコピーに制限が行われていると扱いにくいことがある。ユーザーの立場からというと便利なツールだろう。

  分かりにくいのではっきりさせておこう。「Unlock-PDF」はAcrobatのセキュテリィを解除するツールではない。これを使ってもセキュテリィのロックアイコンはそのままである。つまりセキュリティはかけられてたままなのだ。セキュテリィをそのままにして制限内容をそのままにする変更する制限内容は

印刷を許可しない
変更を許可しない
テキスト、画像、およびその他の内容のコピーを有効にする


である。それ以外は分からないが、実質的にはパスワードはかかっていないのと同じことだ。ただし一度解除してしまうと、再度セキュリティを適用することはできない。セキュリティ内容の変更はパスワードを入力しなければならない。

 それでは今後PDFにはセキュリティはかけられないのだろうか。どうしても印刷や変更を許可したくない場合はどうすればいいのだろうか。印刷や変更されるのであれば、配布したくない場合もあるだろう。それは[互換性のある方式]で

Acrobat X およびそれ以降

でセキュリティをかけることである。「Acrobat X およびそれ以降」でセキュテリィを適用したPDF(権限のパスワードのみ)を「Unlock-PDF」すると

The file you have tried to unlock, document_X.pdf, is locked for reading.

Our free service enables you to unlock PDF files locked for printing or Copy & Paste operations.
Such PDF files are said to have an “Owner Password”. For such files, our free service perfectly fits the bill.

However, other PDF files are locked for reading. These PDF files are said to have a “User Password”.
Unfortunately, because unlocking such files is more complicated and requires more processing, our free service would not suffice.

For PDF files locked for reading, we recommend that you use PDF Password Recovery, which costs only $14.95 and enables you to unlock an unlimited number of PDF files.


というアラートが表示された。ただし「PDF Password Recovery」という有料のサービスを使うと、それにも対応するらしい。14.95ドルだそうだ。もっとも「256-bit AES」に対応しているかどうかはやってみないと分からない。「PDF Password Recovery」では権限のパスワードだけでなく「開くときのパスワード」には対応するらしい。

 どうやらコピーされないPDFをインターネットで配信することができない時代になったようである。



◆[ウェブサービスレビュー]PDFファイルの印刷およびコピー制限を解除できる「Unlock-PDF」
http://japan.cnet.com/news/society/35035143/

◆unlock-pdf.com
http://www.unlock-pdf.com/

◆PDF Password Recovery
http://www.pdfpasswordrecovery.com/password/

 


posted by 上高地 仁 at 20:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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