iOS用の「Adobe Reader」PDFリンクやページリンクにやっと対応



 「Adobe Reader」が2012年4月10日にアップデートした。10.2.0(58582)というバージョンである。メインの機能追加は「電子署名機能Adobe EchoSignでのサインが、タッチスクリーン上を指でなぞることで手書きでできる」ことだが、このバージョンアップでiOS版のAdobe ReaderはPDFビューワーとしてやっと一人前になった。

  電子署名については、iPhoneやiPadでは画面をなぞると指がタッチペンとなって手書き入力が可能になったことがウリだ。タッチスクリーンデバイスであれば、手書き署名は簡単にできる。PDFは署名してもしなくても、Adobe EchoSignのサイトにアップすることができる。Adobe EchoSignにアップするとクラウドでPDFを利用可能のようだ。Adobe EchoSignはAcrobat.comの後釜ということだろうか(Acrobat Xの環境設定にはAcrobat.comはない)。

 手書きした署名はPDF内であれば、何カ所でも追加できる。作成した署名を選択すると削除できるが、署名データそのものは内部に持っており、確実に削除するためには、編集画面で削除する必要がある。署名は均一の線画であり、線幅やカラー、不透明度を変更できる

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*電子署名の編集画面。ここで消去しないと完全に消去できない。

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*電子署名の編集メニュー。周囲のグレーは、マージンである。

 一度した署名データはiPhoneやiPadから別のデバイスにコピーすると、署名はそのまま反映される。アップデート前のAcrobat X Proで開いたが、iPhoneで入力した署名は表示された。Acrobatで選択すると削除可能。署名は注釈データとして認識されているのでそのまま削除できるのである。

 手書きの電子署名を取り消しできないようにするには、Adobe EchoSignのサイトで行う必要がありそうだ(まだ試していないので)。電子署名をした契約書などのビジネス文書が実際に使われるようになるのかはよくわからない。ついでながら、iPadには[署名用に送信]というメニューがあるが、iPhoneには見当たらなかった。iPhoneからの署名送信は想定外なのかもしれない。

 さて、iOSでPDFを閲覧する場合だが、実は本家のAdobe Readerはいままでほとんど使い物にならなかった。というのは、PDF内のWebリンクさえ動作しないのである。もちろんページリンクさえ使えない。フリーの互換PDFビューワーでもそのくらいは対応している。それがこのバージョンになってやっと対応した。ただし、リンク部分は薄いブルーでハイライトされる。

 あと欲しいのはAcrobatにあるページ効果の再現である。Acrobatにはページめくり時に複数の効果を指定する機能がある。しかしページ効果はフルスクリーンでしか再現できない。iOSで使う場合は、ウィンドウ表示ではなく実質的にフルスクリーン表示と同じなので、iOS版Adobe Readerでは是非、このページめくりに対応して欲しい。それができれば、他のPDFビューワーとの差別化にもなるし、Acrobatの製品版との連携にも効果があるだろう。表示方法に単一ページのフルスクリーン表示を追加して欲しいのである。

 追加された機能は基本的に注釈の機能である。電子署名の機能も注釈のメニューにある。

ノート注釈
テキストのハイライト
取り消し線
アンダーライン
フリーハンドラインの追加

が用意されている。注釈機能としては必要十分というところだろう。

IMG_0503.gif
*ノート注釈を選択。メニューの右にあるペンのアイコンが電子署名のアイコン。
  ↓

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*ノート注釈を選択して画面をタップすると注釈の入力ウィンドウが表示される。

 それ以外に興味深い機能には、[開く]という機能がある。これを選択するとAcrobat Readerで開いたPDFを別のPDFビューワーにコピーすることができる。メールやWebからのPDFを保存するときの機能である。[開く]でiBooksなどに移動すると、iBooksが開いてPDFがiBooksで表示される。

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*メールを送信する矢印のアイコンをタップすると表示されるメニュー。iPhoneには[署名用に送信]のメニューは表示されない。

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*[開く]を選択すると、デバイス内のPDF対応と思われるビューワーが表示される。選択すると、そのビューワーにPDFがコピーされて表示される。

 もちろん別のPDFビューワーに移動させると、署名は反映されない(注釈に対応しているGoodReaderではどうだろうか。お手元にあれば試して欲しい)。しかしこの機能があれば、PDFはとりあえずAcrobat Readerに入れておき、そこから別のビューワーに移動させるというように、Acrobat ReaderをPDFの母艦することもできそうだ。ただしその場合は、文書の管理機能がもっと充実させなければいけないだろう。

 Acrobat Readerでは前バージョンまではPDFを表示すると、iBooksの同じようにステータスバーが表示されたように記憶しているが、今回のバージョンではステータスバーは表示されなくなった。iPhone用やiPad用ではデバイスサイズで作成すればよい。

 ただし、天地左右数ピクセルのグレーのマージンが入る。これはiPhoneでもiPadでも同じだ。また、PDFの拡大率は200%程度まであり、それ以上はピンチアウトで大きくならない。PDFのキャッシュサイズを制限して、描画速度が低下しないようにしているのかもしれない。ページめくりは快適に行われる。なおページめくりはタップではなくスワイプのみのようである。


◆「Adobe Reader」が手書き電子署名に対応 iOSとAndroidでも可能に[ITmedia]
http://bit.ly/Hru8tx


PS.タイトルに「PDFリンク」と書きましたが、正しくはURLリンクです。別のPDFへのリンクしてPDFを開くことはできないと思います。できれば面白いんですが。また、ページめくりでのタップは可能でした。ただし、iPhoneでは端から指一本分くらいがタップエリアでした。

 




posted by 上高地 仁 at 20:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュースリリース
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