2011年12月07日

儲かっている印刷会社はもう印刷会社ではない

 先日とある業界団体の方とお話ししました。久しぶりだったのでいろいろと面白い話をお聞きしました。話を聞きつつ、今一度、印刷業界の行方を考えてみました。

  印刷業界はバブル崩壊の後、事業者数が激減しました。少し前に底をついて事業者数は少し増える方向にありましたが、リーマンショックで印刷需要がさらに見直され、印刷売上げはさらに低迷、業界の年間売上げは6兆円を切るまでになりました。

 バブル直前の印刷業界の総売上は約8兆円ありました。それが、6兆円になったわけですが、実際にはバブル期の8兆は大半が印刷物だったと考えられますか、現在の6兆円のうち純粋に印刷物が半分以上あるかどうかは怪しいところです。純粋な印刷需要ではひょっとすると、半分くらいになっているかもしれません。

 印刷通販も増えてきてはいますが、それでも売上げ規模は、数百億円程度で業界を破壊するほどではないでしょう。ただしシェアはそれほどではなくても、価格競争にターボを効かせます。印刷の販売価格は確実に低下します。業界にとっては強いボディブローを打ち込まれたようなものです。

 いままでは印刷価格の低下などで、印刷業界の規模は縮小傾向でしたが、紙やインキの使用量には大きな変化はありませんでした。ところが、リーマン以降、紙やインキも供給が落ちているのです。こうなると需要そのものも縮小していると考えるしかありません。

 印刷会社が印刷物だけで喰っていける時代は終わろうとしています。どうやらほとんどの印刷会社は印刷以外のマーケットを創出しなければ生きていけない時代になりつつあります。

 印刷だけをしていると、確実に資産を食いつぶしていいくしかありません。リストラを何度も行い、いままで抱え込んださまざまな有形無形の資産で食いつなぐしか道はありません。そののち当てがなければ、廃業するしか選択肢はないかもしれません。

 それでは生き残りたいのであればどうすればいいのでしょうか。印刷会社が生き残る道はあるのでしょうか。


 印刷業界が下り坂にあると行っても、すべての印刷会社の業績がダウンしているわけではありません。中には儲かっている印刷会社もあるそうです。経常で5%以上も利益が上げている印刷会社もあるとのこと。儲かっている印刷会社は何をしているのだろう、と気になりませんか。

 僕が聞いたところでは

儲かっているのは印刷以外

だそうです。印刷では儲かりません。印刷以外のビジネスを展開しそこで利
益を上げているのです。儲かっている印刷会社は新しいビジネスを見つけて
そこにシフトしているのです。

 ただし儲かっている会社の真似をすればいいというわけではなく、それぞれの解答はまったく別です。儲け方は同じではありませんから、真似もできないのです。そしてその印刷以外のビジネスが大きくなって利益を生んでいるのです。

 もちろん、印刷と全く関わりのないビジネスではないでしょう。新しいビジネスを展開しつつ、印刷物も派生するようなビジネスに展開するのがベターです。つまり、マーケットインで川上から展開したビジネスモデルの構築が不可欠なのです。

 こうしたことはバブル崩壊でわかっていたことでした。僕は印刷会社は印刷では喰っていけなくなると予想していました。わからないのはそれが何時なのかということでした。そして現実になりました。リーマン以後ほとんどの中小・中堅印刷会社が避けては通れないことになったのです。印刷会社は印刷物を生み出しつつ、新しいビジネスだけで利益を生む方法を見つけるしかありません。

 何が正解なのかは誰にもわかりません。やってみるしかありません。試行錯誤を重ねてノウハウを積み上げていくしかありません。もっとも罪なことは、

日和見

を決め込んで様子を窺うことです。評論家のようになって行動しないことです。人の話を聞いて儲かることはありません。実際に試しもせずに考えだけを重ねても現実は変わりません。考えることは重要です。しかし考え抜いたら、すぐに行動しなければ、考えた時間は無駄に終わります。新しいビジネスの手かがりは行動しなければ得られません。

 何が売れるのか、どんなビジネスが成功するのかは、マーケットに聞くしかありません。ですから、いろいろと試してみるしかありません。本気になって不退転の決意で取り組むしか道は開けません。

 僕が電子書籍をやっているのは、印刷に関連した中で新しいことに取り組んでいかなければ先がないと思っているからです。あとは実際に展開しながら考えていくしかありません。誰かが答えを教えてくれるわけではありません。自分で見つけていくしかないのです。

 印刷会社の多くは二代目三代目の経営者が多いでしょう。おそらく年代的には僕と同じくらいの人は多いと思います。バブル崩壊前はゴルフ三昧の日々でも儲かりましたが、もういままでのビジネススタイルは通用しません。先代先々代が築いた資産を使いつつ大きく脱皮する道を探るしかありません。

 おそらく脱皮した後は印刷会社ではなくなっているでしょう。印刷は会社の中の一部門に過ぎなくなるはずです。そうならなければ、飛躍することはできないのでしないでしょうか。飛躍できなれば、緩慢な縮小スパイラルの中でリストラを続けることになります。


 あなたは儲かる印刷会社になりたいでしょうか。そうであれば、いままでとは違った取り組みを行うべきです。売るものを変えたり、売り方を変えるのも1つの手です。いまある商品やサービスに付加価値を追加して売ることも必要でしょう。それはやってみるしかありません。もっというなら、やり続けるしかありません。少し試してやめてしまえば、途中で手入れをしなくなった田んぼと同じです。

 試行錯誤しながら、マーケットが望んでいることを探るのです。マーケットが求めていることはマーケットに聞くしかありません。高いシステムを導入すれば利益が生まれるという時代はもう完全に過去のものです。システムを構築するのであれば、社内でくみ上げるべきです。できあいの高価なシステムは役に立ちません。


 もし会社として新しいことに取り組みたいと思われるのであれば、ご相談に乗ります。ご興味があれば下記の問い合わせフォームよりお問い合わせください。



◆お問い合わせWebフォーム:
http://www.incunabula.co.jp/toiawase/

 


posted by 上高地 仁 at 09:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 印刷ビジネス閻魔帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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