2011年10月18日

どうするサムソン電子、実は八方ふさがりか

 韓国のサムソンがiPhone 4GSとiPad2が特許を侵害しているということで、販売差し止めの仮処分を東京地裁に申請した。AppleとのGalaxy Tabの販売差し止め訴訟で負け続けているので、負けじとカウンターパンチを繰り出した。

  日本で問題となっている特許は

フライトモードの通知
ホームスクリーンのカスタマイズ
アプリストアにおけるツリー構造でのアプリ分類
以上三つのUIに関するもの


だそうである。よくわからないが、この内容であれば、iPhone 4GSとiPad2だけでなく以前の機種にも適用されるべきものだろう。サムソンが開発したプログラムをそのまま流用したのであれば、特許侵害の恐れはあるかもしれないが、まったく異なるプログラムで処理していれば、特許侵害になるとは考えにくい。

 サムソンが訴訟で反撃に転じたのは、Appleとの間で公平なテーブルにつきたいと考えているからだろう。GalaxyがiPhoneとiPadの模倣として、ある程度の譲歩をAppleから引き出すには、訴訟で対応するしかないという判断に至ったからではないかと思う。手のうちにカードがなければ、交渉は成立しない。訴訟でいくつかの有効なカードを手に入れたいと考えているに違いない。

 10月の初めにサムソンは、タブレット端末についてAppleに特許侵害訴訟和解のための取引を申し出ている。しかしオーストラリアでのGalaxy Tabの販売訴訟でサムソンは敗訴した。ヨーロッパに引き続き、オーストラリアでも敗訴したので、和解ではなく、裁判での闘争を選択したようだ。Galaxy Tabの最新版については、今後も勝てそうにないと腹をくくったのだろう。

 考えてみれば、日本の電気メーカーがサムソンの立場であればどうするのだろうか。幸か不幸か、日本メーカーはAndroidデバイスの製造にほとんど関与することなく、部品を供給する程度のビジネスしかできていない。サムソンのように、Googleの尻馬に乗ってでも世界一のデバイスメーカーのなろうという野心のある経営者はまだ見えてこない。

 もし世界を制覇したいのであれば、Appleが普及させたスマートフォンの真似では無理ではないだろうか。日本のメーカーは、スマートフォンでの敗北はそのまま受け止め、次の時代のデバイスを模索するべきではないか。iPhoneの真似をすれば、たくさん売れれば確実に訴訟されるだろう。訴訟される側ではなく、訴訟する側にたつしか世界征服はできないのである。

 サムソンの戦いは厳しい。勝訴できる見込みはほとんどないだろう。よく言えば、三方ヶ原の戦いで引くことなく武田信玄を追撃した徳川家康のようなものかもしれない。それでも、最後まであきらめない姿勢は必要だろう。その姿勢こそがサムソンを次のステージに導くもののような気がするからである。


◆サムスン、日本でも提訴 iPhone4S 販売禁止を申請
http://bit.ly/prOGIQ


◆サムスン電子、豪州でアップルに敗訴…ギャラクシータブの販売禁止
http://bit.ly/qzUq3L

 


posted by 上高地 仁 at 18:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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