iOSシミュレータでは
iPhone(3GSまで)
iPhone 4
iPad
を選択してシミュレーションできるが、あくまでシミュレータであって解像度までは対応しない。モニタの解像度は72から96くらいなので、その解像度に合わせると、iPhoneでは倍くらいの実寸法になってしまう。iPhone 4ではさらに倍になる。あくまでデバイスで表示したときのチェック用である。
アプリを作成するときは、iOSシミュレータでの確認は不可欠で、ここで表示できないと話にならない。Xcodeはプログラムなので、改行一つ間違えても動作しないことがある。たとえば、SakuttoBookもCSVファイル内のテキストの最終行に改行を2つ以上追加すると、シミュレータで開かない。それでシミュレータで起動しない場合は、CSVファイルを開いてチェックする。不要な改行を削除すると、ほとんど解決する。
SakuttoBookの用にテンプレートがあって、PDFファイルや画像ファイルを取り込んで、CSVのテキストを入力するだけなら、対処方法は簡単かもしれない。しかし、最初からプログラミングする場合は、シミュレータですら開かないときはけっこう大変だろうと他人毎ながら心配になってしまう。
シミュレータで開いても実機にインストールできない場合もある。たいていは指定したプロファイルが間違っていたりすることが多いが、設定ミス以外が原因の場合は、はっきりいってお手上げである。また、アイコン用ファイルがなかったり解像度が違っていると、実機にインストールできても、申請用のファイルをアップロードできないこともある。
さて、iOSシミュレータだが、iTunesに搭載してはどうだろうか、と最近思うようになってきた。以前、iBooksのファイルもMacintosh上で読みたいという意見を読んだことがある。iPhoneやiPadのデータをPCでも読みたいということだろう。
個人的には電子書籍をPCで読みたいと思ったことはない。僕が思うのは、よほどのものでなければPCにダウンロードしてものにお金は払わないということだ。iPhoneやiPadのアプリにお金を払うのは、それがデバイス専用のアプリだからである。アプリなら、PC上で操作しても抵抗はない。
iTunesにiOSシミュレータを搭載するメリットは、すばり
iPadの拡販
である。というのは、iPhoneユーザーをiPadに買ってもらうには、iPadの体験してもらうのがてっとり早い。実機はショップの店頭などでしか触れないが、iTunesにシミュレータを搭載すると、iPhoneユーザーでもiPad対応アプリをMacintoshやWindows上で触ることができる。ゲームも可能なる。iPadオンリーのアプリもiTunesからだとインストールできるようにするのである。
こうすると、iPadを持っていないiPhoneユーザーがiPadアプリをダウンロードすることになり、将来iPadを購入するリードになる。iTunesでシミュレータを触っているうちに、実機が欲しくなるということはあるに違いない。iPhoneユーザーがすんなりとiPadを購入するためには、iTunesにシミュレータを搭載するという方法論はけっこう有効な気がするのである。
iPhoneの販売数は今年の6月の時点で2億台を超え、iPadは2500万台だという。日本でもiPhoneは一千万台近くは売れているだろうし、iPadは200万台という噂もある。iPhoneと比較すると、すでにかなりの高い確率でiPadは売れているが、実際にはiPadのみ持っているユーザーも少なくない。そうすると、iPhoneユーザーの中には潜在的なiPadユーザーがまだまだいるはずである。
いまのところ販売促進しなくても、iPadは高い値段で売れている。だから、さらに売るために手間をかける必要はないだろう。だから、もしiTunesにシミュレータが搭載されるとしたら、iPadの販売にかげりが見えてきたときかもしれない。Amazonだったら(コンテンツを売るのが目的だから)、iTunesにシミュレータを搭載するようなことはあっという間に実行してしまいそうだが、はてさてAppleはどうするだろうか。
◆iOS端末は2億台、iPadは2500万台を販売−−Appleが実績を発表
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1106/07/news021.html
ラベル:iPhone iPad
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