iPhoneアプリを作成するには、まずアプリの作成が必要である。アプリの作成にはAppleから提供されているXcodeを使う。Xcodeは無償のプログラミングツールなので、誰でもが簡単にアプリを作成できるわけではないが、さらに厄介なのは、作成したアプリをApp Storeに登録するまでの複雑な手順にもある。
大きく分けるとアプリ作成以外に面倒なのものがいくつかある。誰の手も借りずに行うと、厳しい断崖絶壁のように感じるものは
iOS Developer Programの申し込み
Contracts, Tax, and Bankingの登録
実機へのアプリのインストール
アプリの申請
という具合である。いずれもググればある程度調べることはできるが、これらの手順は頻繁に変更されていて、古い記事にあたるとあまり役に立たないこともある。
iOS Developer Programの申し込みは、現在は法人は登記簿、個人は住民票を用意すればよい。以前のようにアメリカの税務番号は不要だ。申し込みページが英語なのが不案内なくらいで、最近は申請して確認がとれてからカード決済するようになっている。
Contracts, Tax, and Bankingの登録もけっこう面倒である。それぞれの担当者を5名登録したり、振込先の銀行の登録は全部英語表記なのでややこしい。規約が変わると、Contracts, Tax, and Bankingで再度の「同意」を行わないと次ぎに進めないこともある。
実機へのアプリのインストールは開発者向けのプロファイルの作成をする必要がある。そのさいに使用する実機のIDをプロファイルに登録しておく必要があるのである。慣れればどうということもないが、実機を増やしたりするのは少し面倒である。ビジネスで使う場合は、Xcodeのインストールされていないマシンからのインストールも必要になる。
そして最後に行うのがApp Storeに並べるためのアプリの作成である。実機にインストールしなくても、シミュレータで確認するだけであれば、必ずしも実機にインストールしなくてもよい。しかし実際には販売する場合は対応機種での確認ははずせない。iPad対応にする場合は、実際にiPadへのインストールはしたいし、iPhoneでもiPhone 3GSとiPhone 4では動作や表示が違っていることがある。個人的なアプリであれば、実機へのインストールは外せないこともない。
有償であれ無償であれ、欠かすことのできないのがApp Storeへのアプリの申請である。これもまた複雑である。最初は誰でも面食らうのではないか。慣れればそれほどではないが、アプリ以外に必要なファイル(たとえばアイコン画像、iPadに対応するとサイズ違いが3つは必要になる)やテキストを用意しておかなければならない。概要を記したメタデータはユーザーの目に触れるので、テキストは十分に練らないといけないが、申請を急ぐと手抜きになって売りそびれることもあるだろう。
アプリ申請の手順は次の4つのステップに分けて考えるとわかりやすい。
ステップ1 iOS Provisioning Portal で販売用プロファイルの作成
ステップ2 Xcode で販売用プロファイルを指定してビルド
ステップ3 iTunes Connect でアプリ情報を登録
ステップ4 販売用にビルドしたアプリをアップロード
最初の2つはブログで解説したが、そのあとにiTunes Connect の Manage Your Applicationsのでアプリのメタデータを登録したり、画像ファイルをアップロードする必要がある。レイトもここで指定する。最後に販売用にビルドしたアプリをApplication Loaderでアップする。
それぞれのポイント理解すれば、それほど難しくはない。慣れれば30分もかからないだろう。ということで、App Storeの申請手順を解説した申請マニュアルをSakuttoBookユーザーのために作成した。A4サイズでステップをさらに分割して1つの工程を整理したものである。
このiPhoneアプリApp Store申請マニュアルを無償で公開することにした。下記のページからお申し込みいただくと、A4サイズ16ページのマニュアルのダウンロードページをお送りする。いまアプリの申請を行っていなくても、こういう手順でアプリが申請されているということを知っていただければ幸いである。
◆iPhoneアプリApp Store申請マニュアルの申し込みはこちら
www.incunabula.co.jp/ebook/apply/AppAdd02.html
ラベル:iPhoneアプリ
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