コンテンツをiPhoneアプリで販売するメリットは簡単にいうと
アプリで売るのが楽しい
ということに尽きる。数が売れればランキングに登場するし、世界中で買ってもらうことも可能だ。iTunesのiTunes Storeにあるブックカテゴリ(App Storeではなく)では200位まで表示するが、いままで2回はランキング入りした。ランキングしなくても、iTunesプレビューやAppinfoで動きがあるとワクワクする。
また最近は発行数が目一杯の9アプリになったので、ほぼ毎日のように何かが売れるようになった。アップデートを重ね、アプリ内コンテンツを増やしていき、特定のカテゴリーでトップを目指せば、売り上げはまだまだあがると確信している。特定のキーワードで検索したとき、自社のアプリがリストされるようにすることは可能そうだ。競争相手が少ないので、いまから着実にコンテンツを揃えていけば、検索結果を占有できそうである。
iPhoneアプリだけで売る方がリスクは少ない。iPhone、iPod touch、iPadを含めると日本だけでも今年中の一千万台普及は確実なので、iOSだけで展開してもよい。しかし、iOS以外のプラットフォームも無視できないとすれば、別の形式で販売してもよいはずだろう。
アプリにPDFを貼り込んで閲覧するとき、まだ未対応なのが、iPadでの見開き表示である。いつかはSakuttoBookでiPadの見開き表示に対応したいが、現在は未対応。また、Androidにも対応するために、Android版SakuttoBookも作成したいが、スケジュールは見えていない。
日本の電子書籍はiPhoneを始めとしてiOSが先導してきた。ブックアプリもリジェクト問題があるにしても、書籍をデータで売り買いするという振る舞いを定着させたのは、明らかにApp Storeなのである。App Storeで売れ筋のブックアプリをリリースすると、数千、数万のオーダーで売れるようになったのである。
App Storeの登場で
電子書籍をカード決済して買う
という行為が日常になりつつある。いままで書店を書籍を買うのは、書籍という物質の対価であった。中味にだけに価値あるとはあまり意識されていなかった。中味に価値がある場合は、物理的側面を過剰にして販売価格を上げることができた。また、新書や文庫のようにを本の形態をダウンサイジングして価格を下げて販売数を競うようになった。
いずれにしてもコンテンツそのものは価値は隠れていた。書籍という物質と抱き合わせだったのだ。それがアメリカでのKindleの爆発、日本でのApp Storeの成長によって、中味だけにお金を払うという意識が消費者に生まれた。いままでもデータやソフトウエアにお金は支払われてきたが、いままでと大きな違いは
一般消費者が気軽にお金を払う
ようになったことだろう。この動きは決して後退することはない。
そこでアプリにお金を払って買うようになると、PDFにお金を払ってもよいと思う消費者は確実に増えてくる。自炊派はPDFでコンテンツを溜め込んでいるが、いいものであれば、多少のお金を払ってもコンテンツをラインナップに加えたくなるに違いない。
PDFで売る場合、レイアウトがデバイスに最適化されていればそれでよいのではないかということだ。iPhoneサイズで作成しておけば、たいていのスマートフォンでは同じように閲覧できる。Androidでなくても、たいていのスマートフォンも電子書籍端末はPDFに対応している。だからSakuttoBookにあるPDFをそのまま販売してみる価値はあるのである。
iPadの場合は、Bookman(Bookman Lite)でご覧いただくと、縦組み見開きで表示できる。iPhoneサイズのレイアウトであっても、見開き表示するとそれなりに読みやすくなる。いまのところ、縦組みを見開きにして見開き単位でページ送りするビューワーはBookmanの右に出るものはない。
*縦組み見開きでの設定。
*PDFはそのまま使わずに、ページの右にグラデを追加した。ノドを見せるため。
PDFにはセキュリティをかけるが、開くときのパスワードは設定しない。そうすると、コピーされ放題になる可能性があるが、バンバンとコピーされるようなコンテンツができれば、そのときDRMを考えればよい。パブーも有料版はオリジナルPDFにメルアドを埋め込んで販売してくれるそうなので、それを使ってもよい。
というわけで、『印刷営業、明日はどっちだ』のPDF版をPaypal決済で販売することにした。決済して「マーチャントに戻る」をクリックするとダウンロードページが表示される。なお、ご覧いただけるのはダウンロードされた方が所有し使用してるデバイスのみである。デバイスの数や種類は関係しない。iPhoneアプリでもお読みいただく場合は、是非ダウンロードしていただきたい。
◆インクナブラ電子書籍、印刷営業、明日はどっちだ
http://www.incunabula.co.jp/ebook/innsatsueigyou.html
なお、『印刷営業、明日はどっちだ』のiPhoneアプリ版の第一巻については、PDF版ダウンロードページへのリンクを追加する予定である。まだ申請していないので時間はかかるが、第一巻は『印刷営業、明日はどっちだ』アプリをお持ちであれば、無料でお手元にお届けする予定になっている。審査が通らなかった場合は、「ゴメン」ということでご了承願いたい。
ラベル:iPhoneアプリ
【関連する記事】
- 手のひらタブレットiPad miniで世界征服を狙うアップルのiOSワールド
- Xcode4本をiBooks Authorの読み上げ機能で文字校正してみる
- Xcodeのアイコン用のアクションファイルを作成する
- Mac OS X Lion、Ethernetカスケード接続の怪
- Mac OS X狙いのマルウェア「Flashback」はフェーズ6
- iPadでペーパーレス化が進み、生まれるマーケット
- スティーブ・ジョブズ伝記はジョブズの遺言か
- ジョブス亡きアップルの展望はいかに〜死せるジョブズ、生ける我々をまだまだ驚かせる..
- iPad3を予感させるソフトバンクiPad2キャンペーン
- iTunesに欲しいiOSシミュレータ
- EPUB2とEPUB3でするインラインルビ作成講座、組み込みアプリにする
- 『印刷営業、明日はどっちだ』メタデータリジェクトされる
- 「InDesignの鉄則」アプリ、既存アプリからリプレース
- 組み込み型アプリ内課金、Best RegardsとRegardsの違い #den..
- 『InDesignからEPUB』iPhoneサイズ版を追加しました。
- App Storeプロモーション、2つの方法を売り込まれる
- Illustrator使いこなしの鉄則、iPhoneアプリ化できました。
- SakuttoBookでする情報の非表示と解像度のカスタマイズ
- 『Illustrator使いこなしの鉄則』をiPhoneアプリにする
- アプリ内課金、トップアドオンの秘密