情報アイコン「i」はトップバーのブックマークの横に小さくおかれている。書名や関連リンク先を表示するとともに、SakuttoBookのURLのリンクがあり、シリアル番号が表示されている。もともと著作権違反コンテンツ防止のためにシリアル番号を表示することにしたが、最近はApp Storeでの不法コンテンツは減少しており、ツール提供者側でそこまで配慮しなくてもいいのではないか思うようになったからである。
以前も問い合わせをいただいた方に、
情報アイコンがあると買えない
といわれたことがある。自社のツールであるように使うためには、SakuttoBookで作成していることやシリアルナンバーなどを強制表示すると使いにくいからであろう。App Storeにアプリを上げたいユーザーにとっては、作成ツールで何であるかは関係ないからだろう。
というわけでSakuttoBookの設定ファイル内に
//Hide Infomation button on Menu bar.
#define HIDE_INFOMATION_BUTTON 1 /* 0:show, 1:hide */
という設定を用意することにした。ここの数値を「1」にすると、情報が非表示なるわけである。ツール提供側からすると、作成ツールがわかる方が宣伝になっていいのだが、ユーザー視点で考えると、表示したくないこともあるだろう。そこで、表示非表示の選択をユーザーに委ねることにしたのである。
*強制的に表示されていた「i」アイコン。
*非表示になった「i」アイコン。
もう1つの画像の解像度である。SakuttoBookはPDFを貼り込んでいるが、一般的なiOSのPDFビューワーとは異なり、最初に指定した解像度でPDFを画像化する。画像をキャッシュとして持ち、画像を表示するようになっている。iPadに対応したとき、キャッシュする画像の解像度をiPhone 4の解像度に上げたのである。
PDFを貼り込んでビルドするのはサクッとできるのだが、iPhone 4の解像度にすると、ページめくりがサクッといかないことがあった。というのはiPhone 4やiPadと3GS以前の機種ではCPUの処理速度に違いがあり、3GS以前では640×960ピクセルで画像化すると、画像キャッシュの作成に時間がかかってしまうのである。
iPadがメインであれば、640×960ピクセルで画像化するしかないが、iPhone用にレイアウトしているのであれば、640×960ピクセルは過剰品質ではないか。文字を読むだけであれば、3GSの320×640ピクセルで十分だし、画像などを表示したいときは、別画像を実画像で表示させればいいからである。
したがってPDFをiPhoneサイズで作成しているときは、320×640ピクセルで画像キャッシュを作成することができるようになった。320×640ピクセルであれば、iPhone 3GSでもかなり早くページめくりができるようになる。
// for cache image.
#define CACHE_IMAGE_WIDTH_MIN 320.0f
#define CACHE_IMAGE_WIDTH_MAX 1536.0f
画像キャッシュを320×640ピクセルで作成すれば、iPadで表示する場合も320×640ピクセルになる。ページめくりの速度か、表示画像の品質はトレードオフの関係にある。いずれかを選択していただきたい。
また同時に最大のピクセル値も指定できるようにした。iPad用であれば、ページめくりが遅くなっても、大きな画像を表示したい場合は、解像度を大きくしておけばよい。そうすると、ピンチアウトで拡大してもディテールもそのまま表示可能になる。
まだ現時点では実装できていないが、iPhoneサイズのPDFはiPadでは見開き表示すれば、解像度が低くてもそれほど問題なく表示できるはずだ。まだまだ続く、SakuttoBookのカスタマイズの道なのであった。
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ラベル:iPhoneアプリ
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