2011年06月07日

iOS Developer Program Licenseのアップデート

 AppleのWWDCも終わり、目新しいものは「iCloud」ぐらいだったようで、Appleのコンテンツ配信も将来的にクラウド環境に移ることになるだろう。ただし、完全に移行するにはまだまだ時間がかかるだろうし、たとえば高校生ぐらいがiPodを使うように「iCloud」を使えるのようになるのか、と考えるとハードルは高そうである。

  WWDCで気になるApp Store関係の数字を拾ってみると

最初の14カ月で2500万台のiPad
42万5000以上のアプリケーションが提供
9万がiPad専用
App Storeで140億以上のダウンロード
App Storeを通じて開発者に25億ドル以上を支払う
2億2500万のアカウントがクレジットカードと1クリック購入を登録

などが、興味深い。アプリについてはこの3年間の話。「開発者に25億ドル」というのは、Appleの売り上げでは90億ドルくらいになる。年商で700〜800億ドルくらいのAppleからすると、利益率の高いおいしいビジネスだろう。iPadは昨年1500〜1600万台程度販売しているので、今年に入ってからも1000万台近いiPadが売れていることになる。

 WWDCの開催に合わせて、iOS Developer Program Licenseがアップデートされた。もちろん、「iCloud」対応の踏まえたもので、PDFで41ページの文書が公開された。チェックボックスをチェックして、[I Agree]するしか選択肢はない。

 さすがに41ページを読むのは大変なので、気になるところを拾ってみた。英語はそのままでは読めないので、エキサイト翻訳して原文で確認する程度である。単語がわかるので、だいたいの文意つかめる(はず)。

 アプリ内課金(In App Purchase)についてテキストを拾っていたが、その中の26ページにある「Additional Terms for Use of the In App Purchase API」に

1.1 You may use the In App Purchase API only to enable end-users to purchase content,functionality, or services that You make available for use within Your Application (e.g. digital books, additional game levels, access to a turn-by-turn map service). You may not use the In App Purchase API to offer goods or services to be used outside of Your Application.

という文章があった。アプリ内課金を使うものの例として「digital books」という文言があり、電子書籍についてはアプリ内課金を使うことを明示している。アプリ内にあれば、まったく問題はないようだ。

 この文章には最後には「アプリの外で使うサービスやモノは駄目」とわざわざ書かれている。アプリ内課金はもともとアプリ内で決済以外のすべてが完結するものなので、わざわざこの文字をここに挿入するのは、アプリ外での使用をAppleが懸念しているためではないか。

 電子書籍はビューワーアプリやブックアプリを配信した後、自社の決済システムに誘導し、そこから別の電子書籍を買うような仕組みが当初は多かった。アプリ内課金で配信すれば、外部の決済システムを使うことはない。開発者を無理矢理でもアプリ内課金に誘導すれば、電子書籍はアプリ課金で販売されることになる。

 開発者がアプリ内課金を受け入れれば、コンテンツ販売でAppleにはマージンが落ちる。マージンが落ちない自社サーバでの独自課金を排除するためのアプリ内課金ということだ。ということはシンプルに考えればよい。独自課金しませんというメッセージがアプリ内課金なのである。

 アプリ内課金にはサーバ型と組み込み型がある。実は組み込み型のアプリ内課金の将来は大丈夫かという不安が少しあったが、ライセンスを見る限り、組み込み型であっても、アプリ内課金であれば、電子書籍はリジェクトされる心配はなさそうである。

 すでに独自課金で配布されているKindleがどうなるのかは気になるところだ。KindleはSafari経由でアクセスのでOKという話もあるが、Appleにとっては内部ビューワーを使おうとSafariを経由しようとAppleにはメリットのない独自課金であることには違いない

 Appleはすでに認可したアプリを却下することはないようだが、Kindleについてはアプリを削除しなくても、アップデートには対応しない方向になるかもしれない。AmazonはKindleでEPUBに正式対応を謳ったが、iPhoneやiPad版のKindleが今後アップデートされるどうかには注目したい。この1年くらいアップデートされてないので、このままアップデートされなさそうではあるけどね。


◆WWDC 2011開幕--ジョブズ氏基調講演を時間軸にそってお届け[CNET]
http://japan.cnet.com/news/service/35003618/2/

 


posted by 上高地 仁 at 10:54 | Comment(1) | TrackBack(0) | Apple/Macintosh/iPhone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すんません。計算間違いでした。「開発者に25億ドル」だとすると、Appleの売り上げは36億ドルくらい。3年間で12億ドルだとすると、たいしたことないか。
Posted by jin-k at 2011年06月08日 18:43
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