2011年06月06日

リジェクトされないブックアプリはアプリ内課金を使え! #denshi

 iPhoneやiPadでブックアプリを出し続けるには、アプリ内課金(In App Purchases)を使うしかない。Appleは同じような特徴を持つアプリはスパムとしてリジェクトするので、単純なブックアプリも同じ開発者から複数申請するとリジェクトされてしまう。リジェクトの解決方法がアプリ内課金なのである。

  アプリ内課金には2種類ある。サーバ型と組み込み型である。一般的な書店アプリはサーバ型を利用していて、サーバにアプリ内課金するアプリが用意され、Appleは課金するだけとなる。ダウンロードは自前のサーバから提供する。

 サーバ型のメリットはAppleは課金だけをすればいいので、データのトラィックには関与しない。課金されたアプリがうまくダウンロードできなくてもそれはAppleの関知することではない。サーバ型を使うと、AppleはApp Storeサーバの負荷を減らすことができる。ただし配信する方にサーバ運営コストが必要となる。

 iPhoneアプリの数はうなぎ上りに増えていく。これからもますます増えていくに違いない。Appleにとってはアプリの審査には手間がかかるし、アプリが増えればサーバ増強コストも高くつく。サーバのディスク容量が大きくなれば、運用コストもアップする。ブックアプリのようなアプリとして新鮮味のないアプリは、自社のサーバから排除したいと思っても不思議ではない。

 ただこれからはiOSもAndroidも斬新なアプリの配信だけでなく、斬新なコンテンツの配信も不可欠になるだろう。なぜならアプリ自体がコンテンツであり、中身を差し換えたものだけであっても、ユーザーを強く惹起するものは必ずダウンロードされるからである。アプリの価値はアプリの機能だけにあるわけではない。

 そういう意味では、同じ特徴を持つというだけで却下するのではなく、ガンガンと受け入れる方がiOSの普及には役立つ。が、ブックアプリは制限なく認めてしまうと、日本だけでも年間数千、あるいは数万のブックアプリが申請されるのは確実になる。そうなるとデメリットの方が大きいに違いない。

 アプリ内課金の組み込み型は、最初から別に課金するアプリをアプリ内に内蔵し、課金した後で閲覧制限を解除する。配信側にサーバは不要だ。そのためこの方法ではAppleのサーバ負荷が減るわけではない。もともとゲーム内アイテムのようなデータ量の小さいアプリのための機能だろうが、ブックアプリもこの機能を利用して配信するとリジェクトの対象にはならない。

 サーバ型に移行するための中間ステップとして、組み込み型があると考えた方がよい。将来的にブックアプリだからいう理由で、組み込み型アプリ内課金が却下されるということは考えにくいが、制限が厳しくなる可能性はないわけではない。しかし、実際には組み込み型アプリ内課金が使われているブックアプリは今はそれほど多くはないので、規約が変更されるまでは組み込み型で走ればよい。変更されなければ、ずっとそのまま走ることもできる。

 というわけでSakuttoBookも組み込み型アプリ内課金に対応する。現在実装中である。複数のアプリを組み込んだアプリを作成し、組み込みアプリにプロダクト名を割り当てる。割り当てたプロダクト名を「Manage In-App Purchases」で指定するだけである。通常のアプリと同じように価格は期間指定して変更できる。

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*ブロダクト名を指定した後の画面。表示するタイトルと組み込みアプリ内のプロダクト名を指定するだけ。


 アプリの検証は実機で行う。アプリをiPhoneにインストールして、組み込みアプリを開くと金額を取得して制限解除することができる。テストユーザーを作成したりして多少は面倒だが、慣れればそれほどではなさそうだ。

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*サーバからアプリ内課金のデータを、iPhoneのサンプルアプリに取り込んだところ。ブロダクト1はTier3なので、350円が表示されている。インターフェースの作り込みはこれから。なお、アプリ内課金のサーバへの接続は場所や時間帯によっては、表示に時間がかかることがある。


 組み込み型を使う場合、複数のアプリを組み込むことになる。ブックアプリだと複数を組み込むとかなりのファイルサイズになる。一般的にリフロー形式のブックアプリは10MB程度はある。2つ組み込むと3G回線でダウンロードできなくなってしまう。

 SakuttoBookのメリットは、PDFなので、ファイルサイズを小さくすることができることか。たとえば「印刷営業、明日はどっちだ1」のアプリサイズは1.3MBである。文字量は400字詰め原稿用紙換算で120枚くらいだろう。したがって、400枚くらいであれば、4〜5MB程度で収まりそうである。原稿用紙換算だと2000枚くらいまでは3G回線でダウンロードでき、さらに分冊も可能になる。

 組み込み型といっても、必ずしも複数のアプリにしなければならないわけではない。1冊の本を分けて、一部をアプリ内課金で購入することもできる。デメリットはユーザーが二回三回に分けて購入ボタンをタップしなければならないことだ。販売する側にとっては、二度タップしてもらうのは、あまり好ましくないが、販売方法を工夫することで購入しやすくことはできるだろう。

 あとは実装したあと、組み込み型での販売方法をいろいろと実験したいと考えている。単体アプリでの販売ノウハウと、アプリ内課金での販売ノウハウは異なるので、アプリ内課金でも売れる方法は試行錯誤が必要だろう。なお、組み込み型でのブックアプリ配信ではすでにMCBookで展開している。したがって、すぐに組み込み型を使いたい場合は、MCBookを使うのがよい。


◆これだけでできるiPhone電子書籍アプリをローコストで作る方法
 SakuttoBook(サクッとブック)
  ↓  ↓
http://www.incunabula.co.jp/book/Sakutto/

 


posted by 上高地 仁 at 11:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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