2011年05月16日

iPhoneアプリが電子書籍配信でソーシャルツールになる

 iPhoneアプリは必ずしも販売を目的とするものではない。話題作りのツールとしてこれほど効果のあるものは、他にはないのではないか。iPhoneだけでなくAndroidでも、アプリとして配信すること自体が情報発信ツール、コミュニケーションツールになるはずだ。つまりiPhoneアプリ自体が、話題性を持ったソーシャルツールなのである。

  先日、SakuttoBookでiPhoneアプリを作成させていただいた。京阪奈情報教育出版の住田社長からの依頼だった。京阪奈情報教育出版は、奈良に本社のある出版社で奈良をテーマにした小説を出版しているという。京阪奈情報教育出版には書店流通している「あをによし文庫」とフリーペーパーの「大和路ろまん文庫」があり、今回iPhoneアプリ化したのは「大和路ろまん文庫」の中の1冊である。

 大和路ろまん文庫はサブタイトルに「奈良の恋物語シリーズ」とあり、現在24冊まで発行されている。ただし大和路ろまん文庫は販売している出版物ではなく、地元の旅館、飲食店などに無料で配布している出版物。観光客向けに奈良をもっとよく知ってもらおうと配布しているものだ。

 配布先の旅館、飲食店で無償配布しているので、販売物ではない。そのため再販は難しい。印刷するとコストがかかるし、ページ数もそれほど多くないので、販売価格を設定するのも難しい。文庫本サイズで1冊が20〜30ページ程度だからである。

 といってもただで読んだ短編小説に前編や続編があっても、手に入る訳ではない。配布したときのタイミングで配布先の旅館、飲食店に再訪問しなければ手に入らないからである。また在庫がなくなってしまった巻は事実上絶版となってしまう。そこで大和路ろまん文庫を誰でもが手に入れやすくするために、iPhoneアプリ化のプランが持ち上がった

 今回はテキストデータだけをいただき、レイアウトから申請までをすべてさせていただいた。大和路ろまん文庫の第一巻「時計」という短編小説だ。

 InDesignでテキストを組んでPDFで校正する。トラブルはほとんどなかったが、たまにInDesign上のルビがおかしくなることがあった。グループルビを指定したあと、いつの間にか、モノルビに変わってしまうことがあった。再現できなかったが、以前も同様な事象に遭遇したことがあったので、原則モノルビで指定した。

 リンクでは地図を挿入した。地図はグーグルマッブを使う。奈良の地名が小説中にあるとき、そのまま地名をタップすると地図が開くようにするためである。そうすると、読者は位置関係をつかみやすくなる。リンクした地名は

東大寺二月堂
奈良ホテル
興福寺の五重塔
秋篠寺

の4つ。大阪に住んでいるので、東大寺とか興福寺は地図を見なくてもある程度は位置はわかる。しかし秋篠寺の場所は知らないので、地図を開くと「こんなに離れているんだ」と納得した。本文中には西大寺の近くだと書かれているが、冒頭で奈良公園周辺を舞台としているので、西大寺が登場しても位置をつかみにくいが、地図があれば秋篠寺が西大寺の北にあることがすぐわかる。

 地図はPDF内に普通にハイパーリンクでURLを指定するだけ。URLはグーグルマップで地名で検索、ウィンドウ右にある[リンク]を開いて

このリンクをメールに貼り付けて地図を共有できます

のURLをコピーして使うだけである。そうすると、iPhoneからグーグルマップが表示される。もちろんiPhoneサイズに最適化される表示される。SakuttoBookはPDF内のWebリンクはそのまま拾うので、内部のビューワーで地図を開くことができる。内部ビューワーで開いたときは、アプリは終了しないので、ウィンドウを閉じればそのまま続きを読むことができる。


グーグルマップのリンク
110516-01.gif


iPhoneでの地図リンクをタップ
110516-02.PNG

  ↓
「二月堂」をタップすると
  ↓

110516-03.PNG

 印刷業では地元密着型の取り組みが増えているという。地元のイベントに参加したり、イベントを仕切ったり、あるいは自らイベントを開催する。コミュニティの中でリレーションを強めていくのである。それは印刷業だけではない。地場産業の多くはソーシャルなつながりの中で活路を見いだしているケースは少なくない。

 地域からの情報発信の1つとしてiPhoneアプリは、有効なツールではないだろうか。ブックアプリでなくてもかまわないが、ブックアプリの方が作成は簡単だろう。アプリにするメリットはいつでも情報をアプリとしてダウンロードできることにある。アプリとしてパッケージ化することで、より価値の高い情報を手軽に提供できる。それが顧客をソーシャル化する有効な方法ではないだろうか。


◆京阪奈情報教育出版
http://narahon.com/


◆大和路ろまん文庫「時計」[iTunesプレビュー]
http://itunes.apple.com/jp/app/id433351355?mt=8


◆「奈良を感じて」 奈良から発信[朝日新聞]
http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000001105110001

 


ラベル:iPhoneアプリ
posted by 上高地 仁 at 18:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | Apple/Macintosh/iPhone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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