書籍を電子化してiPhoneアプリにすれば売れるかというとそんな訳はない。売れないものは売れない。アプリにして審査を通過しても、App Storeで検索されるだけであって、アプリがダウンロードされることはない。
iPhoneブックアプリでは昨年十万部を超えたものが2つある。「もしドラ」と「適当論」の2つ。もしドラは紙の書籍5%ルールに基づいている。紙の書籍が二百万部となり、約5%にあたる部数がダウンロードされた。紙でベストセラーとなったものは、アプリ化するとほぼ同じ比率で売れる。
もう一つの適当論は、紙はほとんど売れずに、十万部を超えた。電子書籍だからこそ売れたということになる。電子書籍を売りたいのであれば、紙の部数に関係なくダウンロードされるブックアプリにこそ目を向けなければならないだろう。
電子書籍であれ、紙の書籍であれ、売れための方法は基本的に同じである。
見込み客を見つける
製品を知ってもらう
セールスする
というステップが必要になる。紙の書籍ではたいていがこれらを書店の店頭まかせになる。読者は書店の店頭で書籍を見つけ、立ち読みして欲しくなればその本を買うのだ。出版社は書店に並べたとき売れる本を作ることのみを考える。
見込み客を集める方法は書店の店頭だけではない。パブリシティを活用できる場合は可能な限り告知するし、逆にパブリシティ効果のある著者に執筆を依頼する。書店に集客するためには出版社は知恵を絞る。しかし、そこから先はアンタッチャブルゾーンである。
セールスというのは、わかりやすくいうと切ることである。買うか買わないか迷っている客がいれば背中を押して買ってもらうことである。背中を押して買わない客は、まず買わない。迷っている客に決断させることである。一般的な手法としては
値引きをする
特典をつける
がある。書籍の場合はいままで値引き販売してこなかったので、値引きすると大きな効果が得られる。通常は値引きするより、価格はそのままにして特典を追加して価値を高める方法が売り上げがあがるので好まれる。
App Storeでは値引きは簡単に行える。期間限定セールはアプリの登録画面で簡単に指定できる。ただし期間限定特典は少し工夫すればそれほど難しくはないが、 iTunes Connectでは対応していない。
値引きをするメリットは、迷っている見込み客の背中を押すことだが、同時に数が売れることでランキングが上がり、露出が増える。そうすると見込み客も増えて売り上げが上がることになる。つまり、App Storeのランキングがマーケティングツールなのである。
適当論がいまだに売れているのは著者がタレントだからである。著者がテレビに登場して露出が多くなると、ランキングがあがっていく。テレビで見たことで「適当論」を思い出し、ダウンロードが増えるからである。テレビで見込み客を集めることが可能なのがタレント本のメリットである。
売れない電子書籍を売るにはどうすればいいのかというと、見込み客をたくさん集めればいいのである。見込み客を集めてApp Storeに誘導する。そしてセールスするのである。重要なのは、コストをかけずに見込み客を集める方法である。そのための方法はインターネットで集客するのがもっもと手早い。
コストをかけずに集客できれば、売れない書籍でも、iPhoneアプリすることでApp Storeで売ることが可能になる。詳しい話は、是非27日のセミナーでご確認いただきたい。
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