2010年12月17日

XcodeでiPhoneアプリ内のPDFを入れ替えて電子書籍を作る方法 #denshi

 PDFファイルiPhoneアプリ化計画は少し進んだ。ビルド前のXcodeのプロジェクトファイルのひな形が出来上がったのだ。プロジェクトファイルを開いてPDFを差し替えてみた。果たして素人でも簡単にできるものだろうか。知恵熱をださずに簡単にPDFを差し替えて、電子書籍が作成できれば成功である。

  まず最初に動作環境を確認しておこう。OSは10.6.5である。マシンは古いMacBookで多分1.83MHz。OSは10.6.3をインストールして、10.6.5にアップデートした。iOS用のXcodeはiPhone Dev CenterにApple IDでログインしてインストールする。ダウンロードしたイメージファイルを解凍しXcodeをインストールする。

101217-01.gif

 それではiPhoneアプリ用電子書籍のXcodeのプロジェクトファイルを開いてみよう。まずフォルダを作成しその中にXcodeのプロジェクトファイルを移動させる。差し替えたいPDFファイルも同じフォルダ内にコピーする。Xcodeのプロジェクトファイルは圧縮されていたので、解凍する。解凍したフォルダにPDFファイルをコピーする。

101217-02.gif

   ↓

101217-03.gif
*最初に指定しているPDFファイルの表紙が表示されている。

 Xcodeのプロジェクトファイルをダブルクリックすると、Xcodeのウィンドウが表示される。プロジェクトファイルに含まれているファイルがリストされている。コピーしたPDFを取り込むには、ウィンドウの左にある[グループとファイル]でファイルを展開するのだ。その中にある「PDF」フォルダを選択し、コンテキストメニューから[既存のファイルを追加]を選択する。そこでフォルダ内にコピーしたPDFを選択する。

101217-04.gif

   ↓

101217-05.gif

   ↓

101217-06.gif
*新しくPDFを指定して取り込む。取り込んだPDFの指定は別途必要。


 PDFを取り込んだら、iOSシミュレートで表示してみよう。オブジェクトファイルを保存し、ウィンドウの左上にある[Simulator - 4.2]で

PdfPub - iPhone Simulator - 4.2

を選択する。iPadでシミュレートしたい場合は、「PdfPub - iPad Simulator - 4.2」を選択すればよい。

101217-07.gif

   ↓

101217-08.gif

   ↓

101217-09.gif

101217-10.gif
*iPhoneでのシミュレート。


 次に[ビルドと実行]のボタンをクリックする。これでiPhone4のシミュレータが起動して、PDFがiPhoneアプリとして表示されるのである。

 目次を作成したり、ハイパーリンクを追加する場合は、Xcodeを編集しなければならないが、PDFを差し替えてiPhoneアプリにするだけであれば、Xcodeのオブジェクトファイルを開いてPDFを差し替えて指定するだけでできてしまう。あとはAppleの審査をパスすれば晴れてiPhoneアプリとして電子書籍デビューができるのである。

 ここで紹介したのは、ベータ版以前のもの。さらにナビゲーションバーを追加して目次や書誌情報にアクセスするようにする予定だ。別ウィンドウながら、リンクで動画の再生機能も用意することになっている。PDF内のURLリンクはそのまま動作するので、Webサイトへの誘導は手間が掛からない。

 日本の電子書籍はデバイスについては一段落した。ドコモも参入し、ガラパゴスもソニーのReaderも出揃った。しかし、まだ本家ともいえるAmazonは稼働していないし、AppleのiBookstoreの動向も不明である。Googleも「Google eBooks」がアメリカでは稼働しはじめたが、日本での運用はかなり先になりそうである。

 AmazonとAppleが襲来するまえにと、日本の出版業界は業界再編も辞さずと、電子書籍マーケットに備えた。結果がどうなるのかは、もう少し先にならないとわからない。デバイスメーカーに利益がもたらされるのか、コンテンツ・プロバイダが勝利するのか、あるいは両方を抱きあわせたサービスがシェアを握るのかは誰にもわからない。あるいはAmazonが参入したら、やはりアメリカのようにAmazon一色に塗り替えられるかもしれない。

 現在の日本の電子書籍のなかで、ケータイのマーケットを除くと、実績がもっともあるのは

iPhoneアプリ、iPadアプリ

の電子書籍ではないか。将来はわからないにしても、いまもっとも売りやすい電子書籍は確実にiPhoneアプリとiPadアプリなのである。特にiPhoneの普及台数は多く、iPhoneでは少額で売れてもヒットすれば、数万というダウンロード数はまたたくまに実現できる可能性がある。

 だから、電子書籍を発行するのであれば、日本ではiPhoneアプリで発行するのがもっとも近道だと思うのだ。PDFだとテキストサイズを大きくしたりはできないが、もし売れれば、DReaderなり、MCBookで作成すれば高品質なアプリになる。売れるのであれば、他の電子書籍ストアでも展開すればよいのだ。

 まずコストをかけずに店頭に並べてみる。それがもっとも重要ではないか。そのためには、やはりPDFを差し替えてビルドする方法が、誰にでもできるiPhoneアプリ電子書籍の作り方ではないか。完成したら

これだけでできる
iPhone電子書籍アプリをローコストで作る方法(仮題)


というタイトルにする予定である。


◆お問い合わせはこちらのフォームから[インクナブラ]
http://www.incunabula.co.jp/toiawase/index.htm


◆iPhone Dev Center[Apple]
http://developer.apple.com/devcenter/ios/index.action


◆ダイヤモンド社タイトル型アプリ『適当日記(高田純次著)』、11万部越え[電子書籍、明日はどっちだ!]
http://denshi-shoseki.seesaa.net/article/172051085.html

 
ラベル:電子書籍,iPhone
posted by 上高地 仁 at 12:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | Apple/Macintosh/iPhone | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック