2010年10月21日

さらに追加された「InDesign CS4 6.0.6 リリースノート」を読む

 InDesign CS4のアップデートが行われた。「InDesign CS4 6.0.6」である。CS5もリリースから半年近くがすぎ、CS5のアップデートも公開されているのにかかわらず、旧バージョンのアップデートが行われるのは珍しい。よほど重要なアップデートなのだろうか。

  アップデートの詳細については、サポートのTechNote「InDesign CS4 6.0.6 リリースノート」に書かれている。最初の方に「重要」として「配置した AI/PDF ファイルの境界線ボックスの計算方法に関する修正事項」についての記載がある。この問題は6.0.5でも記載されていて、けっこう問題になっていると考えられる。6.0.5のアップデートで修正されているはずだ。

 6.0.6アップデートは統合アップデートで、6.0.1以降の修正も含んでいる。いちからインストールしても、6.0.6をインストールするだけでよい。いままで気が付かなかったが「InDesign アップデーターは、InDesign アプリケーションを終了した後、少なくとも 1 分以上経過してから実行してください。」というような記載があった。InDesignを終了しても1分待ってからアップデートしなければならないらしい。

 6.0.6で追加修正された解決事項のみを取り出してみよう。というのは、リリースノートには、いままでのすべての修正が記載されているからだ。そのため「解決された問題」のリストはかなり長くなっているのだ。なお、6.0.6の修正事項には末尾に * が付けられている。


ドキュメント
グラデーションを使用するグラフィックを含んだ特定のドキュメントを使用した後で、InDesign が終了時に予期せず異常終了します。[2602913]*

グラフィックの書き出し
シェイプの内側に線を適用すると、線が SWF に正しく書き出されません。[2597023]*

ハイパーリンク
ICML の保存時、ハイパーリンクマーカーとの整列を行う文字属性オーバーライドを削除できず、オーバーライドが残ったままになります。[2559265]*

グラフィックの読み込み
脚注またはインライングラフィックを含んだ特定の Word ドキュメントを読み込むと、InDesign が予期せず終了します。[2653524]*

PSD で透明な背景を使用していると、SWF に線が正しく書き出されません。[2597075]*

スクリプト
スクリプトエンジンが、スクリプトを 1 行処理するごとにスケジュールされたコマンドを処理するため、ダイアログがスケジュールされているとスクリプトエラーが発生します。[2638803]*

テキスト
Mac OS 10.6:システムフォント Helvetica Neue.ttc と Postscript 版 HelveticaNeue のスタイルがコンフリクトして利用できません。[2597446]*

Windows プラットフォーム形式でエンコードされた特定のテキストを、「制御文字を表示」を有効にした状態でドキュメントにペーストすると、InDesign が予期せず終了します。[2612194]*

ページアイテム
AI/PDF リンクを更新すると、「トリミング」のデフォルト設定が変更され、以後のリンク更新すべてに影響が生じます。[2563559]*

INX
以前のバージョンで作成した INX ファイル内に「%」を含んだリンクパスがあると、CS4 でリンクパスが無効な文字列に変更されます。[2625051]*

PDF の読み込みと書き出し
CS4 (6.0 〜 6.0.4) で配置された AI/PDF リンクが 6.0.5 および CS5 でアップデートまたは再リンクされる際、境界線ボックスの再計算方法が違うため、グラフィックの位置ずれが発生します。[2641074]*

ブックにした .indd ファイル内のハイパーリンクが、6.0.5 から PDF に書き出すとエラーになります。[2634267]*

配置された PDF 内に透明効果を使用した画像がある場合、統合オプションを使用しない設定で PDF に書き出すと、それらの画像が書き出されません。[2589186]*


 「開発者向けの解決された問題」を除いて新しい修正内容を取り出してみた。こうして拾い出してみると、「重要」と書かれたInDesignのAI/PDF リンクについては、6.0.5で修正されたはずの境界線ボックスの計算方法がリストされている。6.0.5のリリースノートでは概要にその問題が記載されていたが、解決された問題のリストには書かれていなかった。それで今回の修正事項として追加したようだ。

 ところが、「ページアイテム」の項目に

AI/PDF リンクを更新すると、「トリミング」のデフォルト設定が変更

と書かれていて、どうやらトリミングで貼り込んだ場合、リンク更新するとリンク更新時の扱いが変わってしまうらしい。ただし、ここの文章だけではどのように変わってしまうのかはわからない。また、6.0.6にすることで、境界線ボックスと同じようにCS3互換になったのかもわからない。解決事項としてリストされているので、おそらくCS3互換になったと理解してもいいのだろう。

 なお、6.0.5で未解決のままの相互参照のハイパーリンクについては今回は記載がなさそうだ。相互参照のハイパーリンクはアップデートでは修正が難しい問題なのかもしれない。


◆InDesign CS4 6.0.6 リリースノート[アドビサポート]
http://kb2.adobe.com/jp/releasenotes/871/cpsid_87110.html

◆InDesign 日本語版 for Macintosh のダウンロード可能ファイル
http://www.adobe.com/jp/support/downloads/idmac.html

◆InDesign 日本語版 for Windows のダウンロード可能ファイル
http://www.adobe.com/jp/support/downloads/idwin.html

 
ラベル:InDesign CS4 6.0.6
posted by 上高地 仁 at 14:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | InDesignトピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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