『これだけでできるInDesignからEPUBの電子書籍を作る方法』の中の第一章と第二章部分のテキストのみを使用し、InDesign CS3でiPhone用の縦組みドキュメントを作成した。立ち読み版なので図版類はカットした。iPhoneのウィンドウサイズは、50 mm×75 mmなので、InDesignのドキュメントサイズをそのサイズにした。
本文フォントの大きさは、10級にした。『これだけでできるInDesignからEPUBの電子書籍を作る方法』のサンプルを作成するとき、8.5級で作成していたが、やはり小さかったので、少し大きくした。12級では大きすぎるようなので、その間のサイズを採用したのである。
フォントサイズはPDFにしたときの読みやすさだけで決めたわけではない。iPhoneでも12級くらいあった方が読みやすいかも知れないが、ページあたりの文字数が少なすぎるとページ送り動作が多くなる。少し小さいかも知れないが、10級くらいが良さそうだった。
10級で書き出すと、iPhoneやiPad用に書き出したときのEPUBも10級が基準になる。ただし、InDesignはEPUB書き出しのときのフォントサイズには問題があるので、ドキュメントで指定したサイズで書き出せないことがある。
iBooksのフォントサイズは10段階ある。だいたいデフォルトのサイズは5番目くらいで、そこから小さくしたり大きくしたりすることができる。EPUBではスタイルシートでフォントサイズを指定しておかないとフォントサイズはデフォルトのサイズが適用される。フォントサイズは
12Q
であり、見出しテキストはさらに大きいサイズが適用される。しかしiPhoneで本文フォントサイズを12Qにするとかなり大きい。1文字の全角サイズは約4.2 mmになり、最小にしても、8ポイント程度にしかならない。横組み1行で13字くらいなのである。10Qだと7ポイントくらいなので、最小サイズは4.7ポイント(約6.2Q)くらいになる。
ただしフォントの表示サイズは、選択する欧文フォントによっても変わる。上記のサイズは「Cochin」を選択したときのものである。フォントを変更すると、欧文部分の書体が変わるだけでなく、日本語の表示フォントサイズも変わってしまう。
iPadでもフォントの扱いは基本的には同じ。iPadでは本文をデフォルトの12ポイントで表示させてもまったく問題がないが、iPhoneとiPadの両方で読みやすくするには、フォントサイズは指定した方がよい。また見出しだからといって大きなサイズで表示させたいわけではないので、スタイルシートでフォントサイズを指定しておくほうがいい。
iPhone用にドキュメントを作成して、そのドキュメントからそのままEPUBを書き出すことができるのが、InDesignを使うメリットだろう。もちろんiPhone用のドキュメントでなくても、EPUBに書き出してスタイルシートのフォントサイズを変更してやれば、同じようにEPUBを作成することができる。
ちなみにiPhone用のPDFは、iBooksで閲覧するよりGoodReaderをお奨めする。GoodReaderの方がページ送りしやすいからである。iBooksのページ送りは右タップになるので、縦組みのテキストでは違和感がある。縦組みを読むときは左タップにしたいものだ。GoodReaderのページ送りは下タップので、縦組みも横組みも関係ない。iPhoneのiBooksでは、下をタップするとメニュー表示になってしまう。
またInDesign側でページリンクを付けてページリンクで右タップをさせようと思って試してみたが、うまくいかなかった。右をタップするとまず前のページに戻り、それから次のページが表示されるのである。たとえば5ページ目を表示していると
5ページ → 4ページ → 6ページ
という動作をするである。つまりページリンクがあっても、ビューワーのタップコマンドを先に処理して、ページリンクのコマンドが適用させれるのであった。iBooksにタップコマンドを強力にカスタマイズする機能が欲しいところである。
◆これだけでできるInDesignからEPUBの電子書籍を作る方法
http://www.incunabula.co.jp/book/id_epub/
◆これだけでできるInDesignからPDFの電子書籍を作る方法
http://www.incunabula.co.jp/book/id_pdf/
ラベル:InDesign,EPUB
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また遊びにきます。
ありがとうございます。