先日、MacFan 8月号を読んでいたら「Digital Publishing Platform」についての記事があった。「電子出版ツールの進化は本を変える?」という記事(88ページ)で、最後に「?」があるように、「Digital Publishing Platform」を賞賛した記事ではない。「Digital Publishing Platform」で作成されたWIREDのiPadアプリが「552.2MB」というファイルサイズになることを取り上げているのだ。
なぜこんなファイルサイズになるのかというと、「Digital Publishing Platform」はコンテンツをすべて画像にし、iPadでの縦表示用と横表示用の2つの画像を持ち合わせて切り換えて表示するからだという。プラットフォーム非依存にするにはすべて画像にするのが一番確実なのである。詳しくは記事を読んで頂きたい。
電子書籍では込み入ったレイアウトを扱う場合、選択肢として
丸ごと画像化する
という選択肢は当分はずせないような気がする。「Digital Publishing Platform」だけでなく、日本でもヤッパの「電子雑誌」はフル画像だそうだ。EPUBでもややこしいものは画像にして挿入すればいいのではないか。
たとえば、EPUBはXHTML 1.1なので表組みはテーブルタグで表示可能である。しかし、ムリしてタグで表組みを作成しなくても、InDesignやIllustratorで表組みを作成してスクリーンショットや画像書き出しして、EPUBに貼り込んでしまう方が早い。テーブル内のテキストも検索対象にしなければならないというのであれば、画像化は諦めるしかないが、そこまで要求しないのであれば、表組みは画像で十分ではないか。
InDesignからEPUBを作成する方法セミナーの参加者の意見の中には
DTPデータを全て画像化して
完全にレイアウトを再現したEPUBデータの作り方を知りたい
というものもあった。EPUBであってもすべて画像にしてしまうのも1つの方法ではないか。WIREDのiPadアプリやヤッパのように。
WIREDのiPadアプリはCD1枚に匹敵するほど重いにもかかわらず、もうすこしで10万に届くほどのダウンロードがあったらしいので、電子書籍はファイルサイズの重さは障害にはならないらしい。要するにハードディスクの容量が増えれば、少しばかりのデータサイズの大きさは無視してもいいというユーザーがけっこう多いのだろう。
EPUBを使用するメリットは、テキスト部分はリフローしてフォントサイズを自由に変更できるということだろう。テキストはユーザーが読みたいサイズにして、レイアウトの複雑な部分だけ画像にすればよい。すべてを画像にして1ページで収まるようにしてEPUBを作成するのはあまり意味がなさそうだが、コンテンツの再利用が難しくなるので選択肢の1つかもしれない。
InDesign上で画像が重なっているような部分はそのままスクリーンショットを撮影して、EPUBに画像として挿入するのである。そうすれば複雑なレイアウトも再現可能だろう。画像を1ページとして作成し、チャプターを分割しておくと、EPUBでも複雑なレイアウトは可能である。
InDesignではインラインで画像をテキストに埋め込むのは、あまり便利な方法とはいえない。InDesignでEPUBを書き出すと、段落単位でタグが追加されるので、段落と段落の間に画像タグを挿入するのは簡単である。Sigilで画像をあとから取り込んでパスを指定すれば、どんな画像でも思った位置に貼り込み可能。複雑なレイアウトは「丸ごと画像」手法は、EPUBでも使えるノウハウなのである。
◆これだけでできるInDesignからEPUBの電子書籍を作る方法
http://www.incunabula.co.jp/book/id_epub/
◆これだけでできるInDesignからPDFの電子書籍を作る方法
http://www.incunabula.co.jp/book/id_pdf/
タグ:InDesign,
単純なレイアウトならEPUBでも大丈夫そうですよね?
写真集とかイラスト集だと、タイトルとキャプションはテキストにしておけば、モニタサイズに合わせることができます。複雑なレイアウトでもEPUBで大丈夫だと思います。
結局は画像フォルダをzipにしたものとほぼ変わらない。
テキスト情報がなく、文字組みの自由も無くて固定されてるってPDFとの違いがまったくないような気がします。
大部分はテキスト情報があり、フォントも表示に気を使ってる分PDFの方がいいような・・・
画像満載の300MBのepubってepubの目的から大きくずれてません?