もっとも気になるアプリはなんと言ってもiPhone版の「iBooks」だろう。これでiPadと同じように自作EPUBファイルを読むことができる。AppleのiBooksでは独自のDRMを施したEPUBファイルを使っているが、DRMフリーのEPUBも読み込むことが可能だ。
EPUBの読み込み方は、iTunesで行う。ファイルメニューから[ライブラリに追加]を開いてEPUBファイルを選択すればよい。それでiTunesにEPUBが読み込まれる。読み込まれたEPUBは[ライブラリ]の「ブック」で確認できる。また、読み込んだEPUBファイルの削除も「ブック」で行う。

次に[デバイス]でiPhoneを選択して[ブックを同期]させる。iPhoneを接続しているとiTunesのブックがiPhoneに転送される。画像の転送と同じ仕組みである。これで、DRMフリーのEPUBファイルはiPhoneで読むことが可能だ。残念ながら、URLを指定してファイルをダウンロードしてゲットする方法は用意されていないようだ。

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iBooksでのEPUB表示は、横組みのみ。行頭のインデントはデフォルトのようで、1字分だけ字下げになる。行頭に括弧がある場合は、半角下がるようになっている。また、行頭に禁則文字がきた場合は追い出し処理して、行末が1文字空いてしまう。iBooksの設定には「両端揃え」のオプション設定があるが、オンにしても両端揃えにはならなかった。


InDesignから書き出したEPUBファイルも読み込んだが、埋め込まれたフォントは認識されなかった。つまり小塚明朝を埋め込んでも、iBooksではヒラギノ角ゴで表示される。おそらくテンプレートにあるCSSの指定は完全に無視されているに違いない。InDesignから書き出す場合は、フォントの埋め込みは不要だろう。ちなみに、InDesignでは全てのテキストが1つのXHTMLファイルとして書き出される。EPUBではチャプターを分割しておかないと、ファイルの読み込みが快適に行えないので、InDesignから書き出したままのEPUBは使わないほうがよさそうだ。
上部のリストには、目次とブックマーク、輝度、フォント、検索、ブックマーク(しおり)の追加のメニューがある。フォントメニューを開くと、フォントのサイズ、フォントの種類、背景色をセピア調に変更するメニューが用意されている。表示フォントはメニューから選択できるが、欧文しかリストされない。「iOS 4」のダウンロード時にヒラギノ明朝もダウンロードして、iBooksで指定できるようにして欲しかった。



ビューワーとしての性能ではいまのところStanzaには勝てそうもないが、iBooksの手軽さを考えると、EPUBの普及に大きく貢献しそうである。
PS.iTunesへの読み込みは、ウィンドウにドラッグするだけでも読み込めました。[ブック]を選択していなくてもドラッグするだけでした。簡単すぎるよなぁ。
ラベル:iBooks EPUB
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