電子書籍コンテンツの書き出しは画像で十分か



 iPadの登場とともに、電子書籍への関心が高まっていますが、Kindleは日本語未対応で、EPUBも日本語のコンテンツはまだまだというところです。沸騰する電子書籍への期待で、日本語対応を待たずに、日本語コンテンツをそのまま画像として提供する試みが増えてきています。

  Kindleに対して日本語のコンテンツを画像化して提供しようとしているのが「想隆社文庫」です。現在パブリックドメインの小説などを発売しています。Kindle本体を持たなくても、iPhoneには「Kindle for iPhone」というフリーウエアがあるので、Kindleコンテンツは読むことは可能です。

 もう1つはKindleに日本語のマンガが登場したことです。「AOZORA Finder Rock(青空ファインダーロック)」というマンガが日本語吹き出しのまま、スキャンされてKindleコンテンツに変換されています。

 こうしてみていくと、携帯端末用の電子書籍は

画像でいいじゃん


という気がします。日本語に対応したフォーマットでする必要があるのか、ということです。携帯端末からプリント出力するのであれば、日本語の対応は必要でしょうが、モニタで読むだけであれば、画像で十分

 そうすると、日本語のDTPもInDesignやQuarkXPressで組んで、画像としてページ書き出しして、EPUBに変更すると簡単な配布用の電子書籍ができそうです。日本語フォントを使うより、すべてモノクロの画像にするのであれば、ファイルサイズはそれほど大きくならないでしょう。

 InDesignのEPUB書き出しは、汎用のEPUBフォーマットに対応するためのもの、というより、Digital Editionsが読み込めるEPUB書き出しという程度のものです。だいたい日本語フォントは段落スタイルが日本語だとちゃんと認識しないという問題もありますが、それ以上に書き出されたEPUBの日本語フォントは

フルセット

で書き出されてしまうという「仕様」になっています。InDesign CS3でもCS4でもこれは同じ。3書体も使うと、書き出したEPUBのファイルサイズは、軽く10MBは超えてしまいます。通信用のフォーマットしては、日本語フォントは埋め込むのであれば、サブセットにして欲しいものです。

 InDesign CS4で書き出したEPUBは、iPhoneのStanzaでは読めませんでしたが、EPUBといっても、リーダーによって仕様が異なるようで、アプリケーションから書き出すと相性の違いはあるかもしれません。

 いまのところ、InDesignに搭載されているEPUB書き出しは、Digital Editionsで読むためのものであって、それ以外のリーダーで使うことはあまり考慮されていないのではないかと思えます。つまり、Digital Editionsを普及させるために、Digital EditionsをEPUBに対応させ、InDesignからDigital Editions出で開くことが可能なEPUB書き出し機能を追加したというところでししょう。

 もしInDesignの浸透を大きくしたいのであれば、より多くのEPUBリーダーに対応するように書き出し機能を強化するべきだと思いますね。InDesignがあれば、すべての携帯端末端末で読めるEPUBが書き出せたら、InDesignのユーザー層は広がるに違いありません。

 いずれにしても、今のところInDesignのEPUB書き出しでは、InDesignでレイアウトした通りには書き出せません。空白行も消失するので、たとえStanzaで読めたとしてもそのままでは使えそうもありません。そういう意味では、携帯端末に合わせてレイアウトして、画像化にしてEPUBにするほうが現実的な使い方かもしれませんな。


◆Amazon Kindleで日本語のコンテンツが読める!
日本語電子書籍「想隆社文庫」創刊!一般向けおよび図書館向けに提供を開始
http://www.atpress.ne.jp/view/14142

◆Kindle初の日本語マンガはいかにして誕生したか――電子書籍出版秘話
http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1003/24/news034.html

 



タグ:電子書籍

posted by 上高地 仁 at 11:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | InDesignトピック
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