画像を貼り込むときにややこしいのは、やはりPSD画像にICCプロファイルを埋め込んであるときだろう。埋め込みプロファイルとIllustratorのカラー設定にある作業用スペースが一致しないときはそのまま貼り込まれるが、プロファイルが異なるときは、カラーマネージメントして貼り込むことができる。
*画像の埋め込みプロファイルとIllustratorの作業用スペース(あるいは割り当てたカラースペース)が異なる場合にこのアラートが表示される。
カラーマネージメントして貼り込むには、まず、カラー設定の[プロファイルの不一致]で「開くときに確認」がチェックされていなければならない。そして、画像を貼り込むときの[埋め込まれたプロファイルの不一致」で
作業用スペースの代わりに埋め込みプロファイルを使用する
を選択すると、Illustratorに埋め込みプロファイルが反映される。これで埋め込みプロファイルでカラーマネージメントできると思いきや、一旦保存して再度Illustratorドキュメントを開くと、またまた[プロファイルの不一致]のアラートが表示されるのである。そのときに
埋め込まれたプロファイルを破棄(カラーマネージメントしない)
を選択すると、埋め込みプロファイルはキャンセルされるのである。したがって、画像の埋め込みプロファイルを生かしたままするためには、ドキュメントを開くためたびに[埋め込まれたプロファイルの不一致」で「作業用スペースの代わりに埋め込みプロファイルを使用する」を選択する必要がある。困ったことに、埋め込みプロファイルを保持した貼り込み画像の数だけ、このアラートは表示されるのである。
ここで困ったことは「埋め込まれたプロファイルを破棄(カラーマネージメントしない)」した画像である。破棄しているにもかかわらず、Illustratorドキュメントを再度開くときにの[埋め込まれたプロファイルの不一致」で「作業用スペースの代わりに埋め込みプロファイルを使用する」を選択すると、埋め込みプロファイルが割り当てられるのだ。
[埋め込まれたプロファイルの不一致」のアラートではファイル名はわからないので、保存時にプロファイルを破棄したのか使用したのかはわからない。つまり、埋め込みプロファイルのカラーを貼り込み時に、破棄と使用を使い分けることができないのである。使用するのであればすべて使用する。使用しないのであればすべて破棄するしかないのだ。
例外は、PDFで保存することだ。PDFで「プレス品質」を選択してプロファイルを保持せず作業用カラースペースで書き出すと、みたままをPDFにできる。破棄と使用を使い分けてPDFにすることができる。ただし、Illustrator編集機能を保持してPDF保存したものを、Illustratorで開くと同じように[埋め込まれたプロファイルの不一致」のアラートがすべての埋め込み画像で表示されてしまう。
結局こうなると、Illustratorでカラー設定に合わせて異なるプロファイルをカラーマネージメントして貼り込むには、プロファイルを使用して貼り込み、そのまま埋め込み画像にするしかない。画像を埋め込むとカラーマネージメントが確定するからである。ということは、あとからCMYKを変更するという使い方は難しい。すべての埋め込み画像は、プロファイルを使用して貼り込むことにしていれば可能だが、けっこう面倒そうだ。
もう1つ面白い現象がある。というのは、ファイルメニューの[配置]で貼り込んだ場合と、画像ファイルをIllustratorにドラッグして貼り込んだときのアラートが異なるということである。
*「Japan Color 2002 Newspaper」を埋め込んだ画像を1つだけドラッグした。[ソース]が「複数」になっている。
アラートは
プロファイルの不一致(ペースト)
という名前で、この場合、[ソース]のICCプロファイルを認識しないのである。1つの画像ファイルなのにプロファイル名を表記せず「複数」と表示するのである。もちろん
変換(カラーアピアランスを保持)
を選択すると、カラーマネージメントして貼り込まれる。もちろん貼り込んだ後は、配置メニューと同じ。要するとドラッグして貼り込むと、画像ペースとしたのと同じ扱いになるということだろう。プロファイルを確認するためには、埋め込み画像を貼り込むときはドラッグではなく、配置を使うべきだろう。
ラベル:Illustrator CS3
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