前回、効果メニューの[描画モードを分離]と[グループの抜き]の違いを取り上げたが、その理由はオブジェクトメニューの効果を調べていたからである。[描画モードを分離]も[グループの抜き]も普段は使わない機能なので、あまり興味がなかったが、オブジェクトを作成していろいろ試してみたのである。英語の説明を日本人向きに意訳するのはなかなか難しそうである。
さて、InDesign CS3の効果メニューには9つのメニューが用意されている。共通しているオプション機能には
ノイズ
チョーク
スプレッド
がある。ノイズはドロップシャドウの影部分の階調をランダム化して、ノイズのように見せるものである。かけすぎは禁物だが、軽くかけるとけっこう効果的なオプションである。
[スプレッド]と[チョーク]は基本的には同じものである。同じというのは、指定する対象が異なるだけで、効果としては同じなのである。簡単に言うと、オブジェクトの外側におかれた効果には「スプレッド」が使われ、オブジェクトの内側におかれた効果には「チョーク」が使われるのだ。


つまり、外側に影を作成する[ドロップシャドウ]には「スプレッド」があり、オブジェクトの内側に影を作成する[シャドウ(内側)]には「チョーク」が置かれているのである。
スプレッドとチョークというのは、トラッピングするときにも使用する言葉である。オブジェクトを太らせる場合に「スプレッドトラップ」といい、背面のオブジェクトを縮める場合に「チョークトラップ」という。スプレッドは広げることをいい、チョークには塞ぐという意味がある。
[スプレッド]と[チョーク]はパーセントで指定する。パーセントを大きくすると、効果に適用された透明部分が小さくなっていく。「50%」では半分に、「100%」では透明が失われるのだ。[スプレッド]とか[チョーク]とは言わずに「透明の幅」といった方がわかりやすいかもしれない。
こうした効果メニューの設定は実際に、オプションも含めて効果を適用した見本があれば、理解はたやすい。ヘルプでも見本のショットを並べておけば、テキストでの解説はほとんど不要ではないだろうか。
ラベル:InDesign CS3
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