Illustratorでオーバープリントすることはあまりありません。プロセスカラーの印刷ではオーバープリントが必要なのは、墨ベタくらいですが、出力機で墨ベタをオーバープリント化するのであれば、必ずしも必要ありません。
また、墨ベタ部分をオーバープリント化したいときは、属性パネルを使わなくても編集メニューの[カラーを編集(もしくはフィルターメニューの[カラー])]で[オーバープリントブック]を指定すれば、選択したオブジェクトを一括してオーバープリントできます。
*Illustrator CS3のカラー編集にある[オーパープリントブラック]、選択したオブジェクト内のすべての墨ベタのみをオーバープリントにするこができます。古いバージョンではフィルターメニューに置かれています。
属性パネルでオブジェクトを選択してオーバープリントするのは、墨ベタではないオブジェクトにオーバープリントを適用する場合でしょう。シール印刷とかシルク印刷の版、あるいはパッケージのデータでは手動でスプレッドを指定し、オーバープリント処理が必要になることがあります。
そこで属性パネルでオーバープリントした後、新しくオブジェクトを作成すると、そのオーバープリント属性が新規オブジェクトにそのまま反映されます。つまり、属性パネルでオーバープリントがオンになったまま、ボックスを作成したり線を引くと、オーバープリント化されたオブジェクトになってしまうのです。
↓
*塗りと線を初期化すれば、オーバープリント属性は解除されます。そのままカラーパレット等でカラーを変更すると、オーバープリントの属性はそのままです。
これは仕様だと思いますが、オブジェクトが不用意にオーバープリント化されてしまって、クレームになったのでしょう。「Illustratorの仕様」だとせず、TechNoteに「問題点」としてリストすることにしたようです。
Illustrator CS4ではドキュメント内のオーバープリントは、オーバープリントプレビューのオンオフで確認するしかありません。CS4では墨ベタのオーバープリントは比較的に簡単に調べることができます。分版プレビューで墨版を非表示にすると、ノックアウト部分を確認できるからです。特色同士のオーバープリントも、分版プレビューがあると、確認はとても楽です。
なお、このTechNoteには「Illustrator CS-CS4」となっていますが、Illustrator 10でも同じでした。どうやら、AdobeのサポートページはIllustrator CS以降しか対応していないようです。
◆オーバープリント属性が自動的に設定される(Illustrator CS-CS4)[AdobeTechNote235839]
http://kb2.adobe.com/jp/cps/235/235839.html
◆分版プレビューはオーバープリントと特色のためにある[Illustrator CS4までのおいしい新機能活用講座番外編その8]
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/IllustratorDTP/Illustrator_CS4/IllustratorCS4-008.html
【関連する記事】
- Illustratorでプリント時にアートボード外トリムマークを簡単に出力する方..
- IllustratorのグラフィックスタイルとシンボルカタログをJIPPO Bo..
- Illustrator CS4、トリムマークをセンター配置する方法
- Illustratorの新バーションを売りたければパブリックベータにしろ
- Illustrator CS4、CS3互換のトリムマークは必要か?
- Illustrator CS3、トラブル解決を解説するビデオです
- Illustrator CS3、グレースケール変換で等幅文字は標準字形に戻る?
- Illustrator CS3、ダブルトーン画像はPSDで貼り込んでもOK?
- Illustrator CS3、プロファイル埋め込み画像は埋め込め!
- Illustrator CS3、特色をLab値で変換する落とし穴
- Illustrator CS3のRGBのグラフィックスタイル
- Illustrator PDF復活するトリムマークの落とし穴