大台紙の作成ではドブをどのように設定するのかということが作成時のポイントになります。A4サイズをA3ノビ用プリンタからの出力する場合では、ドブは必要ありませんが、菊半裁や菊全判ではドブ幅を指定する必要があるからです。
ドブ幅がある場合、大台紙にはアタリトンボが必要になります。大台紙に貼り込んだ各ページの仕上がりサイズでトンボを付けて、さらに、ドブと仕上がりサイズの境界線にもアタリトンボを追加します。折り加工したときや、製本の断裁時に必要となります。
アタリトンボが必要になるときは、トンボをPDF書き出し時に追加することはできません。PDF書き出し時に追加されるトンボは、センタートンボとコーナートンボだけであり、アタリトンボなどをカスタマイズすることはできません。そのため、面付け台紙はトンボを含んだ大きさにし、Illustrator上でトンボを作成する必要があります。
ドブを含む大台紙にトンボを追加するには、ドブ幅を含んだサイズでの矩形ボックスを作成する必要があります。菊半裁でA4縦置きの4つ折り面付けでは、横方向は「210+210 mm=420 mm」ですが、縦方向では
297+297+6(ドブ)=600 mm
となります。菊全版でA4縦置きの8つ折り面付けでは、縦横両方にドブを追加した大きさの矩形ボックスに対してトンボを作成します。
*アートボードのセンターに矩形ボックスを配置するには、アートボードのセンター座標と、オブジェクトセンター座標ほ一致させます。
CS4ではオブジェクトのトリムマークをダイレクトに作成することはできません。トンボを作成するにはまず、効果メニューから[トリムマーク]を作成します。ただし効果の[トリムマーク]は決まった位置にトリムマークを作成するだけで、アタリトンボをカスタマイズして生成する機能はありません。
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*効果メニューのトリムマークはオブジェクトではありません。選択した矩形ボックスのアピアランスの1つです。
アタリトンボを作成するときは、トリムマーク効果を含んだオブジェクトを選択して、オブジェクトメニューから[アピアランスの分割]を指定する必要があります。オブジェクト化したトリムマークをダイレクト選択ツールで選択して、仕上がりサイズ分だけコピーすると、アタリトンボが簡単に作成できます。
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*仕上がりとドブの境界線のアタリトンボは、アピアランスを分割してオブジェクト化されたトリムマークの一部を選択して、複製コピーすると簡単に作成できます。
通常、ドブ幅は「3+3=6 mm」を指定すればいいのですが、必ずしもそうでない場合もあります。たとえば、枚葉の両面機ではセンターにローラーが走るので、菊全の縦方向のドブが「12 mm」程度必要になることもあります。そうなると、テンプレートをカスタマイズしなければなりません。
面付けテンプレートにトンボを作成する場合、ドブを含んだ矩形ボックスをコピーして元に位置に残しておきます。矩形ボックスが残っていれば、面付けテンプレートをカスタマイズし易くなります。
■IllustratorPDF面付け日誌
●1●IllustratorだけでPDFを手軽に面付けするには
http://dtp-s2.seesaa.net/article/134311965.html
●2●Illustrator CS4でするPDFマルチ面付けにはどんなものがある
http://dtp-s2.seesaa.net/article/134409585.html
●3●Illustrator面付けのメリットはプリンタの面付け出力に意味がある
http://dtp-s2.seesaa.net/article/134502606.html
●4●ダミーPDFを面付けテンプレートに貼り込む方法
http://dtp-s2.seesaa.net/article/135063501.html
●5●Illustratorでの面付けはドキュメントをテンプレート化する
http://dtp-s2.seesaa.net/article/139989473.html
●6●IllustratorでもInDesignのようにマルチページでプレビュー表示する方法
http://dtp-s2.seesaa.net/article/140120439.html
●7●面付けテンプレートの種類、中綴じと無線綴じ
http://dtp-s2.seesaa.net/article/140595778.html
●8●大台紙のアタリトンボはトリムマークのアピアランスを分割する
http://dtp-s2.seesaa.net/article/140656294.html
ラベル:Illustrator CS4