2010年02月02日

KindleやiPadで普及が進む電子書籍と印刷書籍は共存できるか

 電子書籍は増えるのかというと、おそらく増えるでしょう。しかしそれはテレビやインターネットが登場しても、新聞が消滅しなかったように、電子書籍で読んでもいいようなものは、電子書籍に置き換わっていくということでしょう。印刷した書籍はなくならないにしても、パイが小さくなっていくのは仕方がなそさうです。

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 Amazonの売り上げのうち大半は書籍の売り上げ。昨年の5月の時点で、Kindle版書籍は、販売点数からいうと、印刷書籍の35%を占めているそうです。Amazonとしては、物流コストのかからないKindleの普及には力が入ることでしょう。

 「X BRAND」の記事は

若者の読書量を増やすなら、今、電子書籍?

というタイトルですが、KindleやiPadが普及したら読書量が増えるのかという、かなり無理がありそうです。この記事で紹介されているKindleユーザーの読んでいる本は「ファンタジー小説」となっていますが、「ハーレクイン・ロマンス」のように手軽に読める書籍ではないかと思えますね。

 「ハリーポッター」以降、雨後の竹の子のように湧いてでた冒険ファンタジーだと、電子書籍でもいいかもしれませんね。こういうものは、分厚いハードカバーは邪魔になるだけで、数年するとブックオフに売るしかなくなるし、売り遅れると買い取ってもくれないでしょう。

 もしこういう路線から電子書籍が普及していくのであれば、日本では漫画から入るのが良さそうです。

ONE PIECE」の最新刊は、店頭書籍版よりKindle版先行

とか、そういう販促の方法もありそうです。電子書籍版だとフルカラーで読めるとかね、いろいろと差別化することはできそうです。もっもとそれだと「若者の読書量が増える」ことにはなりませんけどね。

 書籍の中には何度も読みたい本や資料として手元に置きたい書籍もあります。そういう書籍は、電子書籍にはなりにくいでしょう。関連する書籍を並べておくと、タイトルを見ながらいろいろとアイディアを思いつくことあり、電子書籍ではなく印刷した書籍が欲しい場合もあります。

 しかし書籍として手元に置いておきたい本でも、電子書籍としても携帯したいとというニーズはあるでしょうね。だから、出版社は印刷した書籍と合わせて、KindleやiPadなどの電子書籍も合わせて発売するようになるでしょう。

 書籍版の内容と、電子書籍版の内容を多少変更すれば、両方を販売することは難しくありません。異なる特典を用意すればいいわけです。両方の特典が欲しいマニアは、両方とも買うでしょう。これからは、印刷書籍と電子書籍を抱き合わせで販売するということも、珍しくなくなっていきそうです。


◆Kindle Wireless Reading Device (6" Display, Global Wireless, Latest Generation)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0015T963C/incunabucojp-22

◆Kindle版書籍の売上げ数は印刷版書籍の35%に達している[TechCrunch]
http://jp.techcrunch.com/archives/20090506for-books-available-on-kindle-sales-are-now-tracking-at-35-percent-of-print-sales/



posted by 上高地 仁 at 10:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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