2009年12月10日

DTPはMac OS X、CS3/4に移行したのか:アンケートに見る日本のDTPの現場

 Mac Fan 2010年1月号にマイコミのWebサイトで受け付けていた「DTP環境アンケート」の集計結果が掲載されていました。今回は表紙にちゃんと記事タイトルが記載されていました。アンケート集計を見ると、DTPでのMac OS X化が本格的になってきたことが読み取れます。

 091210-01.jpg アンケートを見ていくと、アプリケーションのバージョンはCS3がダントツです。IllustratorではCS3をメインで使用しているユーザーは

2007年  9%
2008年 24%
2009年 41%

になっています。対して長らくスタンダードバージョンだった8.0をメインで使用しているユーザーは

2009年  9%

にまでダウン。CS以降のシェアを合計すると82%のシェアになっていて、Creative Suiteバージョンへの移行が明確になってきました。もちろん、実際のデータ入稿ではまだまだレガシーバージョンは使われるでしょう。しかし、Illustrator 10以前で作成されたデータがロングテールになることは確実のようです。

 InDesignも同じようにCS3がトップで

2007年  7%
2008年 20%
2009年 36%


となっています。Mac Fanの記事では、CS3がメインバージョンになっている理由をIllustrator CS3では

旧バージョンからのファイルの読み込み時のテキスト互換性が向上

を上げていますが、CS3がメインになっている理由のもっとも大きなものはCreative Suite3のリリース時に

アップグレードポリシーを変更

したことが大きいでしょう。Creative Suite3のときにPhotoshop 7.0、Illustrator 10、InDesign 2.0からでもアップグレード可能であり、古いバージョンを使い続けることができないユーザーはCS3でやっと重い腰をあげたのではないでしょうか。

 CS4のリリース前にCS3を導入したユーザーが多かったと聞きますから、アプリケーションの新機能で新バージョンにシフトしたというより、アップグレードポリシーが変更されたことでお尻に火がついて導入に至ったという動機の方が大きいと思いますね。

 また、CS3からはロゼッタに依存しないバージョンになったことも大きな要因でしょう。Web系などの紙媒体以外も扱う場合、旧バージョンでは対応できないという理由もあるでしょう。

 メインバージョンがCreative Suite3の移行したことで、OS環境もMac OS X一色になってきています。

Mac OS X 10.4 25%
Mac OS X 10.5 42%
Mac OS X 10.6 14%


10月の時点ですでにSnow Leopardを使っているユーザーが14%というのは、少し信じがたい結果です。10.6が安くなったこともあるかもしれません。Creative Suiteバージョン(CS3以降)を使うようになって、OSのバージョンにあまり縛られないようになってきたということがあるのでしょう。

 メインOSもMac OS Xが独占しつつあります。Windows環境ではXPのユーザーが7%でそれ以外はすべてMac OS。9.2.2以下も同じく7%で、それを除くとすべてMac OS X環境になっています。また、インテルMacをメインとするユーザーは

56%

になっています。G5はたったの19%。DTPユーザーの総数はおそらく少なくなったに違いありませんが、DTP環境は最新のものを使うユーザーが増えてきているようですね。

 記事内の「DTPのインテル化は進んでいるか?」というトピックに

アドビ製品は同一端末内であろうと
異なるプラットフォームでは2ライセンスが必要


と書かれています(Mac Fan 2010年1月号:64P)。同感ですね。Mac OS Xの廉価になったし、世の中でデフレだし、Adobeも抱き合わせ販売で安くするSuite以外で、手頃な販売価格を模索する必要はあるでしょうね。そういう意味では、同一端末であれば、異なるプラットフォームで2ライセンスというのは、新機能を追加するより、いい「ウリ」になるかもしれません。




◆Mac Fan (マックファン) 2010年 01月号 [雑誌]
www.amazon.co.jp/

◆Mac Fan、2009年版DTP環境アンケートを実施 - 回答者にはプレゼントも
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/09/29/075/?rt=na



posted by 上高地 仁 at 11:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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