2009年12月01日

Illustrator CS4でするPDFマルチ面付けにはどんなものがある

 Illustrator CS4マルチプルアートボード機能を利用して可能な面付けテンプレートにはどのようなものがあるでしょうか。Illustrator CS4では、オフセット印刷用だけでなく、プリンタ用のカラーカンプ出力も簡単です。

 

 Illustrator CSでPDF面付けテンプレートを作成する場合、テンプレート自体の作成は簡単ですが、問題は面付けするドキュメントにあります。というのは、CS4以前のIllustratorからページものを書き出す場合は、単ページでしか書き出せないのです。

 もしくは見開き単位でしょう。一般的には見開きでアートボードを作成し見通しでドキュメントを作成します。A4仕上がりのドキュメントでは、A3ノビのアートボードにA4を見開きでレイアウトしトリムマークを追加して、A3ノビプリンタで出力します。

 この方法だと、書き出されたドキュメントはEPSであってもPDFであっても、そのままでは面付けできません。面付けするときの位置を拾う手かがりが、トリムマークしかないからです。PDFでも裁ち落としサイズや仕上がりサイズを認識することはできません。どのような面付けソフトであっても、手動で調整することが必要となります。

 さらに厄介なのは、複数ページではファイル数がページ数に比例して多くなることです。ドキュメントを見開きで作成しても、ファイル数はページ数の半分です。16ページの場合では、ファイル数は8ファイルになってしまいます。8ファイルのPDFをリンクして面付けすることは可能ですが、ファイル数が多い分だけファイルの管理がやっかいです。

 Acrobatを使って1ファイルにすることは可能です。しかしその場合は、

Illustratorだけでする

というテーマに反してしまいます。ドキュメントはCS3までて作成し、面付けだけをIllustrator CS4で行うことは可能です。Illustrator CS〜CS3までで見開きで作成してPDF保存し、Acrobatで1ファイルにするのです。1ファイルのPDFになれば、Illustrator CS4で面付けすることは可能です。

 Illustrator CS4では、Illustratorだけで複雑な面付けが可能になります。Illustrator CS4ではマルチプルアートボードをアートボード番号順にマルチページのPDFとして書きだすことが可能だからです。つまり、1つのIllustrator CS4ドキュメントに16ページをすべてをレイアウトすれば、16ページのPDFを書き出すことができるのです。

 Illustrator CSからCS3でも見開きで作成しPDF書き出して、Acrobatでバインドすれば、Illustrator CS4を使って多彩な面付けは可能です。Illustrator CS3で見開きで作成し、バインドすれば、Illustrator CS4に貼り込んで、カラープリンタから中綴じでカンプ出力が可能になり、印刷時に菊全や菊半に割り付けて出力することができます。

091201-01.gif
*A4を菊全に16ページ折りするテンプレート。現在作成中の32ページもの地袋縦組みのテンプレート。PDFを差し替えて開くと、面付けが完成します。


 さて、Illustrator CS4で面付けテンプレートを作成するとしたら、どうすれば使いやすいのかを考えてみました。Illustrator CS4からマルチプルアートボードの機能を使ってマルチページのPDFを書き出します。たとえば16ページのPDFがあるとするします。Illustrator CS4で作成すると面付けテンプレートには次のようなものが考えられます。

菊全で16ページ折り縦組み・横組み/地袋・天袋
菊半で8ページ折り2台縦組み・横組み/地袋・天袋
菊四裁(A3ノビ)で4ページ折り(無線綴じ用)4台
菊四裁(A3ノビ)で中綴じ


 菊全や菊半は「縦組み・横組み」「地袋・天袋」を組み合わることで4種類ずつになるので、合計で10種類のテンプレートになります。これらのテンプレートを1つのフォルダに入れておき、ダミーPDFで面付けします。ドキュメントPDFに差し替えて、Illustrator CSの面付けテンプレートを開くと、そのまま面付けされて仕上がります。複数の面付けがIllustrator CS4のテンプレートファイルを開くだけで完成するのです。

091201-02.gif
*現在作成中の32ページもののIllustrator CS4のテンプレート。菊半サイズのものは含まれていません。使いたいテンプレートを開くだけでIllustrator上でも面付けが完成します。

 Illustratorで作成するページものが百ページを越えるようなことはまずないので、ページ数を基準にテンプレートを用意する方が使いやすいかも知れません。とりあえず、4ページから32ページくらいまでで作ってみようかとおもっています。サイズは、A4、B5、A5くらいでしょうか。

 さて、他にこんな面付けも欲しいというご要望があれば、是非、下記コメント欄にご意見下さい。実用的な面付けであれば、テンプレートに反映したいと思います。よろしくお願いします。



■IllustratorPDF面付け日誌

●1●IllustratorだけでPDFを手軽に面付けするには
 http://dtp-s2.seesaa.net/article/134311965.html

●2●Illustrator CS4でするPDFマルチ面付けにはどんなものがある
 http://dtp-s2.seesaa.net/article/134409585.html

●3●Illustrator面付けのメリットはプリンタの面付け出力に意味がある
 http://dtp-s2.seesaa.net/article/134502606.html

●4●ダミーPDFを面付けテンプレートに貼り込む方法
 http://dtp-s2.seesaa.net/article/135063501.html

●5●Illustratorでの面付けはドキュメントをテンプレート化する
 http://dtp-s2.seesaa.net/article/139989473.html

●6●IllustratorでもInDesignのようにマルチページでプレビュー表示する方法
 http://dtp-s2.seesaa.net/article/140120439.html

●7●面付けテンプレートの種類、中綴じと無線綴じ
 http://dtp-s2.seesaa.net/article/140595778.html

●8●大台紙のアタリトンボはトリムマークのアピアランスを分割する
 http://dtp-s2.seesaa.net/article/140656294.html


 
 
posted by 上高地 仁 at 11:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | IllustratorPDF面付け日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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