2009年11月21日

フォントの埋め込みの可否を調べるフォントパネル[やさしいプリフライト05]

 Acrobat 9 ProAcrobat 8 Proには、強力なプリフライト機能が用意されています。プリフライト機能を活用すれば、PDF内のさまざまな要素を調べたり、データを変換することができます。ここではAcrobat 9 Proのプリフライト機能をやさしく解説します。

 DTP出力でトラブルを招きやすいものにフォントがあります。Illustrator形式やEPS形式、QuarkXPressなどからのアプリケーションファイルから出力では、日本語フォントはプリンタに常駐フォントが必要でした。そのため出力トラブルを招きやすく、Illustratorではフォントはすべてアウトライン化する方法が一般的でした。

 PDFではフォントは埋め込み可能なフォントを使い、埋め込んでおくと常駐フォントがプリンタにインストールされていなくても出力することができます。プリフライトのフォントパネルでは、主にPDF内のフォントの埋め込みの可否を調べます

  フォントが埋め込まれていない場合は

フォントが埋め込まれていない

をチェックします。埋め込まれていないフォントがあるときリストします。埋め込まれてないフォントがある場合でも、Acrobatからでは代替フォントで出力することは可能ですが、印刷用の高解像度出力機ではPDFをそのままホットフォルダに放り込んで出力しますので、埋め込まれてないフォントがあるときは出力トラブルになります。

 フォントが埋め込まれてないときは、フォントを埋め込んだPDFとして保存し直すか、Acrobatで透明効果の分割・統合機能を利用してフォントをアウトライン化します。同名のフォントがシステムにあれば、アウトライン化は可能です。

 印刷用の出力ではフォントは埋め込んでいるのが基本ですから、PDF内の埋め込まれているフォントは調べる必要はありません。しかし、Illustratorのようにフォントをすべてアウトラインして出力しているような場合は、埋め込まれているフォントがあるときにリストしたいこともあるでしょう。

 PDFに埋め込みフォントがあるときは[フォントが埋め込まれている]をチェックします。[フォントが埋め込まれている]には2つのオプションがあります。

サブセットとして
完全


の2つです。一般的にPDF内のフォントは「サブセットフォント」として埋め込まれます。サブセットでは使用している字形のみを埋め込みます。使用字形のみのフォントを生成し、それをプリンタの常駐フォントのように扱って出力するのです。使用字形のみを埋め込むことでPDFのファイルサイズが小さくできます。

 「完全埋め込み」はフォントファイル内の字形をすべて埋め込む方式です。PDFのファイルサイズが肥大化しますが、欧米では「完全埋め込み」を推奨することが多いようです。「完全埋め込み」にする方が安全に出力できると考えているようです。

 IllustratorやInDesignではPDF作成時に、サブセット埋め込みの設定で「0%」を選択すると、欧文フォントを完全埋め込みにすることができます。「完全埋め込み」は基本的にPostScriptの欧文フォントに限られます。実際には欧文フォントもサブセット埋め込みしても、出力トラブルが増えるわけではありません。

 [フォントが埋め込まれている]のチェックでは「サブセットフォント」と「完全埋め込みフォント」のいずれかしか選択できません。[サブセットとして]を選択すると「完全埋め込みフォント」はリストできません。

Illustratorの完全埋め込みフォントを[サブセットとして]で調べる
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*IllustratorのPDF保存時に[使用している文字の割合]を「0%」にすると、欧文のPostScriptフォントを使っているとき、フォントは完全埋め込みとして埋め込まれます。フォントパネルで[サブセットとして]ではエラーとしてリストすることができません。


Illustratorの完全埋め込みフォントを[完全]で調べる
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*[フォントが埋め込まれている]で[完全]を選択して調べると、リストされます。エラーリストに「完全またはサブセット」と書かれていますが、実際には「完全埋め込み」のフォントです。

Illustratorのサブセット埋め込みフォントを[サブセットとして]で調べる
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*IllustratorのPDF保存時に[使用している文字の割合]は初期値で「100%」となっています。この設定ではすべてのフォントはサブセットフォントとして埋め込まれます。[フォントが埋め込まれている]で[サブセットとして]を選択していると、エラーとしてリストできます。サブセットフォントの場合は、テキストのプロパティに「サブセット」と記述されています。


 サブセットも完全も両方をリストさせるには、カスタムチェックでフォントグループの[埋め込みである]というプロパティを使います。このプロパティではサブセット、完全に関わらず埋め込まれたフォントを調べることができます。サブセット埋め込みの場合は、エラーリストに「サブセットとして」と記載され、完全埋め込みの場合は「埋め込み」と記載されます。

 PDF内のフォントをフォントフォーマットで調べたいときは[フォントの種類]で、フォント名で調べたいたときは[使用フォント]を使います。[使用フォント]をチェックし[追加]するとシステム内のフォントをリストできます。もし出力トラブルを招きやすいフォントがある場合は、[使用フォント]で追加して[この一覧にある]を選択します。また、利用するフォントが制限されている場合は、許可されたフォントをリストし[この一覧にない]をチェックすることで、使用可能なフォントかどうかを確認することができます。

 


posted by 上高地 仁 at 11:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | やさしいプリフライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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