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PDF内に埋め込まれた画像について調べるプリフライトチェックが画像パネルです。画像パネルでは
カラーもしくはグレーの画像解像度
ビットマップの画像解像度
画像の圧縮
画像の非可逆圧縮
画像のOPI
を調べるようになっています。
画像の解像度では[次の値未満]で解像度の小さすぎる画像をリストし、[次の値以上]で解像度が高すぎる画像をリストします。解像度の高すぎる画像はフィックスアップなどでダウンサンプルできますから、必ずしもプリフライトチェックでリストする必要はありませんが、低すぎる画像は印刷品質に大きく影響します。
印刷用としては[カラーおよびグレースケール画像の解像度]は「350 ppi」が標準ですが、[次の値未満]で「350 ppi」と入力すると、必要以上に画像がリストされてしまいます。オフセット印刷で175線でカラーおよびグレースケール画像を印刷する場合、「350 ppi」でなくても「250 ppi」以上あれば、印刷したときの画質が大きく損なわれることはありません。
ただし画像の解像度は「250 ppi」未満であっても、そのまま印刷しなければならないこともよくあります。もともとの画像の解像度が低い場合は、解像度を高くすることはできないからです。ですから、「250 ppi」では「エラー」ではなく、「情報」や「警告」としてリストするほうがいいかもしれません。
解像度の下限制限を「警告」にする
*画像パネルでは複数の解像度制限を設定することはできません。カスタムチェックでも解像度制限のチェックを作成すると、「エラー」「情報」「警告」を使い分けることができます。
解像度が低すぎる場合でも、解像度が「72 ppi」や「100 ppi」程度といった具合に、あまりに低い場合はデータ内容の確認が必要なケースもあります。画像パネルでは1つの解像度のみしか指定できません。「250 ppi」未満を「警告」、「100 ppi」未満を「エラー」とするようなときは、一方をカスタムチェックで指定します。
カスタムチェックの[画像の解像度]
*カスタムチェックではカラーグループの[コンポーネント数]と組み合わせて調べます。[コンポーネント数]は1つのチャンネルを構成するビット数を指定します。CMYKには4つのチャンネルがあり、それぞれが8ビットのカラー値を持っています。
カスタムチェックで画像の解像度を調べる場合は、画像グループで[画像の解像度]で「次の値以下」で解像度を選択します。[カラーおよびグレースケール画像の解像度]に絞り込むときは、カラーグループから[コンポーネント数]を選択し[値]に「8」を、[ビットマップの画像の解像度]で絞り込むときは[値]を「1」にします。
画像パネルでPDF内の画像を調べる
*白や透明で[出力プレビュー]では確認できないような画像も、プリフライトで調べればリストすることができます。
[ビットマップの画像の解像度]では通常、「1200 dpi」が基本ですが、「600 dpi」くらいあれば実質的には問題はありません。「ビットマップの画像」とはモノクロ二値の画像を指します。
PDF内に画像が含まれているかどうかを調べたいときは、[カラーおよびグレースケール画像の解像度]で[次の値以上]で「1 ppi」と入力します。解像度が「1 ppi」を超える画像をすべてリストすることができます。透明で不可視の画像を調べたいときは、画像パネルで調べることができます。
[画像は圧縮されていない]では圧縮されていない画像を調べます。[画像に非可逆圧縮が使用されている]は画像にJPEGなどの可逆できない(つまり圧縮すると画質が劣化する)圧縮方式が使われている画像をリストします。印刷用では圧縮されてない画像や非可逆圧縮された画像をリストする必要は、原則的にはありません。必要な場合だけ、選択すればいいでしょう。
また、[画像にOPIが使用されている]では、OPIコメントを含む画像をリストします。OPIコメントを含む画像がPDFに貼り込まれることはまずありませんが、OPIコメントを含む画像は実画像ではない低解像度画像です。基本的には「エラー」にしておきましょう。なお、PDF/XではPDF内のOPIコメントを禁止しています。