2009年11月05日

ページのサイズや向きが異なると印刷用ではない

 Acrobat 9 ProやAcrobat 8 Proには、強力なプリフライト機能が用意されています。プリフライト機能を活用すれば、PDF内のさまざまな要素を調べたり、データを変換することができます。ここではAcrobat 9 Proのプリフライト機能をやさしく解説します。



 PDF内のページについて調べるプリフライトチェックがページパネルです。ページパネルでは

ページのサイズ
ページ数
ページのサイズと向きの不一致
空ページ


を調べることができます。PDFのページサイズには

メディアサイズ
トリミングサイズ
裁ち落としサイズ
仕上がりサイズ
アートサイズ


がありますが、ページパネルで調べることができるのは、「メディアサイズ」もしくは「トリミングサイズ」です。メディアサイズはPDFのもっとも大きなサイズです。通常、Acrobatで開いたときに表示されるエリアです。Acrobatの[ページのトリミング]でトリミングしたときのサイズが「トリミングサイズ」で、トリミングすると「トリミングサイズ」が「メディアサイズ」になります。

  IllustratorやInDesignは、CS2以降、裁ち落としサイズや仕上がりサイズを指定して書き出すことができますが、ここでは裁ち落としサイズや仕上がりサイズのみを選択して調べることはできません。印刷可能領域を書き出していれば、印刷可能領域が「メディアサイズ」になり、トンボを追加していればトンボの境界線が「メディアサイズ」になります。トンボを追加せず裁ち落としを設定していれば、「裁ち落としサイズ」が「メディアサイズ」になります。

メディアサイズでチェックする
P02-01.gif

 ↓

P02-02.gif

裁ち落としサイズでチェックする
P02-03.gif

 ↓

P02-04.gif

*A4サイズのInDesignドキュメントに、印刷可能領域を「250 mm×337 mm」を指定して、「3mm」の裁ち落としと併せて書き出したPDFを、ページパネルで調べたもの。印刷可能領域はメディアサイズとして書き出され、そのサイズで調べた場合はエラーにならず、裁ち落としサイズ(216 mm×303 mm)で書き出し場合はエラーとしてリストされます。[ページサイズが正しくない]という設定では、メディアサイズを対象にチェックしていることがわかります。


 裁ち落としサイズや仕上がりサイズを調べるときは、カスタムチェックのページグループにある

裁ち落としサイズの幅
裁ち落としサイズの高さ

で調べることができます。個別のサイズを調べたいときは、カスタムチェックを使用するしかありません。

 [ページ数]はPDF内のページ数のみを調べる際に使用します。ページ数をチェックするケースはありませんが、たとえばIllustrator CS3以前のPDFかどうかを調べたいときは、[ページ数]で「次の値と等しい」を選択して「1」にすれば、単ページPDFがどうかを調べることができます。InDesignからのPDFやIllustrator CS4のマルチプルページ機能を利用したPDFのように複数ページのPDFが誤って含まれている場合は、ここでリストできます。

カスタムチェックで裁ち落としサイズを調べる
P02-05.gif

*ページグループでは裁ち落としサイズ以外のサイズも幅と高さで調べることができます。

 [ページのサイズまたは向きがページごとに異なる]という設定では、印刷用ではないPDFをリストすることができます。印刷用ではないモニタ閲覧用のPDFや関連資料をバインドしたようなPDFでは、ページのサイズや向きが一様ではないことがあるからです。

 [空のページがある]は白紙のページを指します。印刷用のPDFでは、全く印刷しないページを含むことがあります。チェックすべきではありません。モニタ閲覧用のPDFでは、空ページは不要ですから、ここで調べて空のページを削除することができます。

 


ラベル:プリフライト
posted by 上高地 仁 at 21:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | やさしいプリフライト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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