文書パネルではPDF 1.3はエラーにしない



 Acrobat 9 ProやAcrobat 8 Proには、強力なプリフライト機能が用意されています。プリフライト機能を活用すれば、PDF内のさまざまな要素を調べたり、データを変換することができます。ここではAcrobat 9 Proのプリフライト機能をやさしく解説します。




 プリフライトプロファイルをカスタマイズするとき、最初にリストされている設定が文書パネルです。文書パネルでは

PDFのバージョン
セキュリティ(暗号化)
破損しているPDF


を調べます。[PDF文書で最低限必要なバージョン]として

Acrobat 4.0(PDF 1.3)
Acrobat 5.0(PDF 1.4)
Acrobat 6.0(PDF 1.5)
Acrobat 7.0(PDF 1.6)


をラジオボタンで選択するようになっています。PDFが指定したバージョンより大きければ、エラーや警告、情報としてリストすることが可能になっています。

  一般的に印刷用PDFは、透明効果を含まない「Acrobat 4.0(PDF 1.3)」として作成します。まだまだ透明をそのまま分割・統合して処理できるPDFが少ないからです。出力機を選ばずに見たままで出力して印刷するには、透明効果を効果を分割したPDFにする方が確実です。

 それでは文書パネルの[PDF文書で最低限必要なバージョン]では

Acrobat 4.0(PDF 1.3)

をエラーとして指定しておけば、PDF 1.4以上で書き出されたPDFを調べることが可能です。もし出力機が「PDF 1.4」に対応しているのであれば、「Acrobat 5.0(PDF 1.4)」を選択すればいいでしょう。

 しかしここで「Acrobat 4.0(PDF 1.3)」をエラーとして選択しプリフライト解析すると困ったことが発生します。困ったことというのは、

日本語のCIDフォントをエラーとしてリストする

ということです。「Acrobat 4.0(PDF 1.3)」を選択したときに、透明効果やレイヤーなどPDF 1.3で対応していない記述がリストされるのはわかりますが、CIDフォントがリストされるのはこまったものです。欧米の環境では日本語などのダブルバイトフォントを使うことはまずありませんので、リストされるようにしているが、あるいは文書パネルの設定ミスなのかもしれません。

P01-01.gif

    ↓

P01-02.gif

 したがって日本語フォントを含むPDFは文書パネルで「Acrobat 4.0(PDF 1.3)」を指定しない方がいいでしょう。それではPDFバージョンを調べるのはどうすればいいのかというと、カスタムチェックパネルで指定します。デフォルトのカスタムチェックに

PDF バージョンが 1.3 より新しい

というカスタムチェックが用意されています。このチェックをカスタムチェックパネルの[このプロファイルのカスタムチェック]に追加するのです。このチェックを使うと、PDFのバージョンのみをリストします。透明効果やレイヤーなど新しいバージョンの機能は、フィックスアップで変換するか、個別のプリフライトチェックで調べる必要があります。

P01-03.gif

 文書パネルには[PDF文書は暗号化されている]と[PDF文書は破損しており、修復が必要]という設定もあります。PDFにセキュリティが設定されていると、高解像度の出力機から出力することはできません。セキュリティが設定されたPDFは、セキュリティを解除する必要があります。

 [PDF文書は破損しており、修復が必要]というときの「破損」の意味するところは明確ではありません。また「修復」できるか程度もわかりません。手かがりはフィックスアップの文書カテゴリーにある

破損した文書を修復

というフィックスアップです。このフィックスアップの説明には「ファイルの内部構造に軽微な不整合しかない場合」は修復できるとあります。おそらくこれを指すものでしょう。[PDF文書は破損しており、修復が必要]としてリストされる場合は、PDFのファイル構造に瑕疵があり、出力トラブルを起こす可能性があります。再度作成した方が安全です。

P01-04.gif

 



タグ:Acrobat 9 Pro

posted by 上高地 仁 at 12:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | やさしいプリフライト
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