2009年07月01日

大日本印刷の秀英明朝、MORISAWA PASSPORTになる

 大日本印刷のオリジナル書体『秀英体』の明朝4書体がモリサワのMORISAWA PASSPORTに含まれるようです。対象になるフォントは

秀英細明朝
秀英中明朝
秀英太明朝
秀英初号明朝


の4つ。仕様はAdobe Japan1-5準拠のOpenTypeフォント。ニュースリリースを読む限り、2009年秋よりライセンス提供されるのは「秀英細明朝」で、残りの3書体は2010年秋以降のようです。MORISAWA PASSPORTに含めるだけでなく、モリサワからパッケージ販売も行うようです。

 
 もともと大日本印刷は『秀英3号かな』『秀英5号かな』を提供していることもあって、フォントビジネスをモリサワに委託したのでしょう。フォントのパッケージが売りにくくなり、フォントベンダーのライセンス販売へのシフトは無視できないようになっているといえます。 もともと大日本印刷は『秀英3号かな』『秀英5号かな』を提供していることもあって、フォントビジネスをモリサワに委託したのでしょう。フォントのパッケージが売りにくくなり、フォントベンダーのライセンス販売へのシフトは無視できないようになっているといえます。

 いままでモリサワのMORISAWA PASSPORTは自社フォントのみで構成されていて(多分、精査したわけではないので)、他社製のフォントも扱うことについてはあまり積極的ではなかったという印象があります。しかし、この『秀英体』をMORISAWA PASSPORTに含めることで、モリサワのMORISAWA PASSPORTの戦略も変わってくるかもしれません。

 フォントワークスのLETSは、他社製のフォントは別ライセンスになっています。モリサワはどうするのでしょうか。大日本印刷の『秀英体』については、モリサワはMORISAWA PASSPORTの2009年アップグレードキットに含めるようなので、別ライセンスではなそさうです。

 その場合はMORISAWA PASSPORTの販売価格をアップするのか、アップしないのかというのが興味深いところ。販売価格をアップしなければ大日本印刷へのライセンスフィー分だけMORISAWA PASSPORTのコストはアップします。まあもっとも、新書体を開発するコストと比べれば、どちらが高くなるのかはわかりませんけどね。大日本印刷も明朝以外のフォントファミリーを開発していくようなので、書体数が増えれば別ライセンスという選択もあるでしょう。

 興味深いのは、モリサワがこれからも他社製のフォントをMORISAWA PASSPORTに追加していくかどうかですね。既存のMORISAWA PASSPORTに追加するのか、別ライセンスにするのかも含めて動向を注目したいところです。他社製のフォントを積極的に取り込んでいくことになれば、モリサワとフォントワークスを除く既存のフォントベンダーは、いずれかのライセンスと契約するしかないようになるかもしれません。

 モリサワも社長が交代しました。いままでと違った取り組みが増えるかもしれませんな。


 なお、インクナブラ経由でMORISAWA PASSPORTをお申込いただくと、DTP-S倶楽部にそのままご入会いただけます。


◆DTP-S倶楽部のご入会はこちら
http://www.incunabula.co.jp/dtp-s/club/club.html


◆大日本印刷、オリジナル書体「秀英体」の明朝4書体をライセンス販売開始[日経プレスリリース]
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=223965&lindID=1

◆モリサワ 大日本印刷株式会社開発の「秀英体」明朝4書体を今秋より順次発売開始
http://www.morisawa.co.jp/font/news/20090629_01f.html

◆製品の特長 | MORISAWA PASSPORT モリサワ パスポート
http://www.morisawa.co.jp/font/passport/


 


ラベル:MORISAWA PASSPORT
posted by 上高地 仁 at 22:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&トピック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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