Wordの強制太字は[ヘアラインの修正]で線幅を変更してはいけない



 WordからPDFを作成したときに注意したいものに太字がある。もともとWordの太字はいわゆる書体としての「ボールド」ではない。強制的に太字のように見せかけるだけのものである。Illustratorで線の設定を追加してテキストを太らせたものと同じようなだと考えればよい。

 Acrobatにある印刷工程ツールの[ヘアラインの修正]では、PDF内にある線でしきい値として指定した線幅より小さいものを、大きな線幅に置換することができる。Wordのオートシェイプで「0ポイント」を指定した線や、Illustratorの塗り設定のみの設定のみの線は[ヘアラインの修正]を使うと便利だ。

 しかしこの機能をWordから作成したPDF内の太字に適用すると、問題が発生する。太字がさらに太ってしまうのである。太字部分をAcrobatは線として認識するため、太字部分の線も修正されてしまうのである。

  たとえばMSゴシックの5ポイントのテキストがあるとする。太字にしてPDF化し、[ヘアラインの修正]する。数値はしきい値と置換値を「0.3ポイント」にしてヘアラインを置換すると、画数の多い漢字は潰れてしまう。文字が潰れたまま印刷すると、印刷事故になってしまう。

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*Wordで太字を指定しDistillerでPDFに変換したものを、[ヘアラインの修正]で線幅を置き換えたもの。文字が潰れてしまっている


 Acrobatのプリフライトのカスタムチェックでは

テキストは塗りつぶしで線付き

というプロパティを使うと、テキストに線設定を適用した場合の太字をリストすることが可能だ。テキストサイズで絞り込んで文字が潰れそうなテキストを調べることが可能だ。

 したがって、カスタムチェックで潰れそうなテキストで太字が指定されているものを事前にリストすると、[ヘアラインの修正]を適用してもいいのかどうかを調べることが可能だ。まだ試していないが、Acrobat 9 Proでは「テキストは塗りつぶしで線付き」では線のみを選択して[ヘアラインの修正]は可能だろう。

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 しかし太字を太らせないもっとも簡単な方法は、テキストをアウトライン化することである。テキストをアウトライン化すると、[ヘアラインの修正]しても太字部分が太ることはない。つまり、PDF内のテキストをすべてアウトライン化してしまえば、[ヘアラインの修正]してもテキスト以外の線のみをアウトライン化できるのである。

 Windows環境で作成したPDFは、フォントをアウトライン化する方が確実である。ストロークが重なった部分が白くノックアウトされてしまうフォントや、埋め込みできないフォントもある。ノックアウトされるフォントはアウトライン化すれば問題ないし、埋め込みできないフォントも該当するフォントがあれば、Acrobatでアウトライン化できる。

 太字にしたテキストの線に[ヘアラインの修正]を適用することも考え合わせれば、WordからのPDFはテキストをアウトライン化して出力するのがトラブルを未然に防ぐ方法ではないだろうか。


◆ピンチを救うAcrobat 8 Proサクサク出力のコツ
http://www.incunabula.co.jp/book/acrobat8_saku2/

◆落とし穴に転落せずにWordから印刷用PDFを作成する方法
http://www.incunabula.co.jp/book/wordpdf/

 



posted by 上高地 仁 at 15:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | Acrobat 9印刷用PDF自動変換
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