2009年04月01日

Illustrator 10オーバープリントモードの謎

 Acrobat 9 Proフィックスアップを整理しようと思いつつ、なかなか整理できない。一度、目次を作成したが納得できなかったからである。もう一度作成したプロファイルを見直して、目次を再度作成した。

 プリフライトプロファイルの構成としては、

Illustratorで作成したPDF
InDesignで作成したPDF
WordからDistillerで作成したPDF


の3つになる。基本的にはバージョンの違いは関係なく、1つのプリフライトププロファイルでアプリケーション毎のプロファイルを作成したいと思っている。

 まず最初にアプリケーションにかかわらず必要な部分を作成した。つまり、共通するものである。フィックスアップで変換するものとプリフライトチェックでエラーとしてリストするものを決める必要がある。Acrobatではフィックスアップを先に適用して、プリフライトチェックするので、まず、共通するフィックスアップを作成した。

  フィックスアップを個別にトピックにして解説すると、ページ構成がややこしくなるので、関連したカテゴリーをまとめてトピックをたてることにした。フィックスアップでのカラーカテゴリーでは

オーバープリントモードを1に設定
墨版合成 (BG) パラメータを破棄
墨のオーバープリント


を行なう。まず、オーバープリントモードはオフセット印刷では「1」にするべきだ。オーバープリントモード1のことを、別名ノンゼロオーバープリントという。つまりカラー成分か「0」の部分は色がないという意味らしい。カラー成分が「0」の部分を0%という色があるとして0%の色でオーバープリントすることを

オーバープリントモード0

という。別名フルオーバープリントという。シルク印刷のような不透明インキの場合に使うモードだろうか。実はよくわからない。

 アプリケーションによってはオーバープリントモードが「0」で書き出されることがある。たとえば、Illustrator 10の墨ベタである。不思議なことに、Illustrator 10で墨ベタテキストを入力してPDF保存して、Acrobat 9 Proの分版プレビューにあるオブジェクトインスペクタで確認すると

オーバープリント=TRUE
オーバープリントモード=0


になるのである。墨以外は「0」であっても、実質的にはノセになるので、「オーバープリント=TRUE」であっても、「FALSE」と同じことになり、墨ベタは背面のオブジェクトに対してノックアウトされてしまう。

090401-01.gif

※Illustrator 10で書き出した墨ベタのテキスト。オーバープリントは指定していないのに、「オーバープリント=TRUE」になっている。

 調べた限りIllustrator 10以外では普通に「オーバープリントモード=1」として書き出されている。Illustrator 10で以外は「オーバープリントモード=0」にならないのであれば、共通のフィックスアップにしなくてもかまわないが、別の要因で「オーバープリントモード=0」になることもある。そこで、オーバープリントモードが「0」の場合は、フィックスアップを適用して強制的にオーバープリントするのである。ちなみにWordから作成したPDFでも、オーバープリントモードが0で書き出されることがある。印刷用では必須のフィックスアップだろう。


◆関連書籍:ピンチを救う Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ
http://www.incunabula.co.jp/book/acrobat8_saku2/


 
posted by 上高地 仁 at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | Acrobat 9印刷用PDF自動変換 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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