プリフライトプロファイルの構成としては、
Illustratorで作成したPDF
InDesignで作成したPDF
WordからDistillerで作成したPDF
の3つになる。基本的にはバージョンの違いは関係なく、1つのプリフライトププロファイルでアプリケーション毎のプロファイルを作成したいと思っている。
まず最初にアプリケーションにかかわらず必要な部分を作成した。つまり、共通するものである。フィックスアップで変換するものとプリフライトチェックでエラーとしてリストするものを決める必要がある。Acrobatではフィックスアップを先に適用して、プリフライトチェックするので、まず、共通するフィックスアップを作成した。
フィックスアップを個別にトピックにして解説すると、ページ構成がややこしくなるので、関連したカテゴリーをまとめてトピックをたてることにした。フィックスアップでのカラーカテゴリーでは
オーバープリントモードを1に設定
墨版合成 (BG) パラメータを破棄
墨のオーバープリント
を行なう。まず、オーバープリントモードはオフセット印刷では「1」にするべきだ。オーバープリントモード1のことを、別名ノンゼロオーバープリントという。つまりカラー成分か「0」の部分は色がないという意味らしい。カラー成分が「0」の部分を0%という色があるとして0%の色でオーバープリントすることを
オーバープリントモード0
という。別名フルオーバープリントという。シルク印刷のような不透明インキの場合に使うモードだろうか。実はよくわからない。
アプリケーションによってはオーバープリントモードが「0」で書き出されることがある。たとえば、Illustrator 10の墨ベタである。不思議なことに、Illustrator 10で墨ベタテキストを入力してPDF保存して、Acrobat 9 Proの分版プレビューにあるオブジェクトインスペクタで確認すると
オーバープリント=TRUE
オーバープリントモード=0
になるのである。墨以外は「0」であっても、実質的にはノセになるので、「オーバープリント=TRUE」であっても、「FALSE」と同じことになり、墨ベタは背面のオブジェクトに対してノックアウトされてしまう。

※Illustrator 10で書き出した墨ベタのテキスト。オーバープリントは指定していないのに、「オーバープリント=TRUE」になっている。
調べた限りIllustrator 10以外では普通に「オーバープリントモード=1」として書き出されている。Illustrator 10で以外は「オーバープリントモード=0」にならないのであれば、共通のフィックスアップにしなくてもかまわないが、別の要因で「オーバープリントモード=0」になることもある。そこで、オーバープリントモードが「0」の場合は、フィックスアップを適用して強制的にオーバープリントするのである。ちなみにWordから作成したPDFでも、オーバープリントモードが0で書き出されることがある。印刷用では必須のフィックスアップだろう。
◆関連書籍:ピンチを救う Acrobat 8 Proサクサク出力のコツ
http://www.incunabula.co.jp/book/acrobat8_saku2/
ラベル:オーバープリントモード